二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 119章 双子 ( No.256 )
日時: 2011/09/16 01:07
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

突如ホワイトフォレストに現れたプラズマ団。そしてそのプラズマ団を運んだ巨大UFOのような物体。このUFOはPディスクと呼ばれ、7Pアシドが開発し、操縦している。
そのPディスク内部の通路にて、二人の人物が歩いていた。正確に言えば一人が歩いていて、もう一人がその者に抱えられているのだが。
一人は水色のワンピースに地面に届きそうなほど長い青髪、氷柱のように冷たく鋭い眼。そしてプラズマ団の紋章が刻まれたヘアピンを付けている若い女性。
もう一人は赤い髪を長いポニーテールにした少女。服装は簡素な浴衣で、背中にはプラズマ団の紋章が刻まれた団扇を差している。
言うに及ばず、青髪の女性がレイ、ポニーテールの少女がフレイ。どちらも7Pだ。
さらにこれも言うに及ばないが、抱えられているのはフレイで、抱えているのはレイだ。よく考えればこれはこれで珍しい光景ではあるが。
レイはフレイをお姫様抱っこしているのだが、どちらが姫かと問われると微妙である。まあフレイをお姫様だとするなら、レイはお嬢様と言ったところか。
「レイさんやー、今の戦況はどうなってるかえー?」
フレイが眠たげかつおどけた調子でレイにそう尋ねる。
「……概ね良好。唯一気になるのはPディスクの正面を守っているツユサさん、北東を守っているフォレスさんの所ですね」
レイは氷柱のように冷たく鋭い声でそう返す。
「フォレスは苦戦してるのかー。ダメダメだなー、フォレスはー。あたしが一緒にいないと何にも出来ないんだからー。……んじゃまあフォレスのところはあたしが行くとして、正面はどうするのー?」
「……もう手は打ってあります。ツユサさんの双子の弟……名前は失念しましたが、彼に手荷物を持たせて向かわせました」
手荷物という単語にフレイは少し反応したが、すぐに振り払う。
「でも正面にいるのはあの英雄さんでしょー? 聖電隊は数こそ多いけど戦闘向きの団員はすくないからなねー、戦争する分に良いけど戦闘だと負けちゃうんじゃないのー?」
「それも……対策済みです」
レイは静かに、告げるように言う。

「もしもの時は……わたくしが出ます」

おぉー?、とフレイは意外そうな声をあげた。
「レイ、珍しくノリノリだねー。あたしフォレス見捨ててレイのバトル見に行こっかなー?」
サラリと仲間を見捨てたフレイだった。
「いえ、ご心配には及びません。フレイちゃんはフォレスさんの所へ行ってください」
レイの事を詳しく知らない者からすれば驚きだろう。レイは年下のアシドに対してもさん付けなのだが、何故かフレイに対してだけはちゃん付けなのだ。
「んー、まあレイがそう言うならしゃーないかー。そんじゃ、お互い頑張りますかー」
気の抜けたフレイの声が通路に響き、それっきりこの二人の会話はなくなった。



「キルリア、毒々☆」
「エルレイド、アイスブレード!」
キルリアは毒々しい液状の塊を放つが、エルレイドは氷結した刃の一閃でそれを凍りつかせ、次の一閃で斬り砕く。
「ほんとに弱いな……」
思わずイリスはそう呟く。この場合はそう呟くほど余裕が有り余っていると言うべきか。
Pディスク前門を守るツユサだが、イリスは特に苦もなくその門番を突破できそうである。
「エルレイド、サイコカッターだ!」
「リフレクター☆」
次はちゃんとリフレクターを使ったツユサのキルリアだが、エルレイドのサイコカッターを防ぐには強度が足らず、キルリアもろとも切り裂かれてしまった。
「はぁ……なんか面倒くさくなってきたな。こうなったら一気に決めるしかないか。エルレイド、リーフブレード!」
エルレイドは両肘の刃に草木の力を宿し、キルリアに斬り掛かる。
その時だった。

「プテラ、原始の力!」

エルレイドの周囲を取り囲むように岩が浮遊し、一斉に襲い掛かる。エルレイドはリーフブレードの標的をキルリアから襲い掛かる岩に変更し、全て切り刻んでその攻撃を無効化する。
「誰だ!」
イリスは声がした方向——上空に向かって叫ぶ。すると
「おー、これが噂の英雄か、初めて見たわ」
上空から空飛ぶ恐竜のようなポケモンに乗り、一人の男が姿を現した。その男は見た目はツユサそっくりで、髪は左サイドに三本のハネ毛がある。執事服に手袋と、エレクトロと同じ格好をしているが、雰囲気は全然違う。こっちはどっちかというと軽そうな感じだ。
「ウズメ……助けに来てくれたのか……!?」
やや感動しかけているツユサ。その言動から、突如として現れた男はウズメと言うらしい。
「いや、無理矢理ここに行かされた。本当は助ける気なんてナッシング♪」
……結構、ウズメは酷い奴だった。
「まあでも、あの……えーっと、何て言ったか、あの髪長い人。あの人がツユサ宛に秘密道具を一つ持ってきてくれたよ」
そう言ってウズメは執事服のポケットから何かを取り出す。
それはイリスも見たことがある、と言うより、つい先日に使ったばかりの代物。
水色に煌く、進化の石——目覚め石だった。



今回はレイとフレイの会話、そしてウズメ登場です。プッツンプリンさん、キャラ崩壊などの不備があればお申し付けください。さて、少し早いですが次回予告。次回はイリスとツユサのバトルとなりそうですが、ここでまさかのどんでん返しが……あるかもしれません。というわけで、次回もお楽しみに。