二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 10章 イリスvsサカキ ( No.26 )
日時: 2011/07/30 10:19
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「バトルの方式は二対二のシングルバトル。入れ替えは無しだ。勝ち抜き戦で行くぞ」
「まあ、バトルなら受けて立ちますよ。売られたバトルは買うのが礼儀。……ところで、お名前は」
「サカキだ。覚えておけ」
男、サカキは短く名乗る。
「サカキさんですか。……じゃあまずはこいつだ。出て来い、ブイゼル!」
イリスの一番手は水タイプのブイゼルだ。
「……?」
サカキはイリスのポケモンのチョイスに、何か疑問があるようだ。
サカキは手に持っていたボールを仕舞い、違うボールを取り出す。
「行け、ライノス!」
サカキが繰り出すのはゴツゴツとした岩のような体に、長い角を持ったポケモン。
大角ポケモンライノス。地面タイプだ。
「地面タイプ……? 水タイプのブイゼルには不利なの、わざわざポケモンを変えた……?」
イリスの頭には疑念が渦巻く。
しかしもうバトルは始まっている。先に仕掛けてきたのはライノスだった。
「ライノス、角で突く!」
ライノスは長い角を突き出し、ブイゼルに向かって来る。見た目通り、角を使った技が主力なようだ。
「ブイゼル、かわして水鉄砲!」
ブイゼルはジャンプで角を回避し、上空から水を発射して攻撃。
「ふん。ライノス、砂嵐だ!」
ライノスが大きく叫び声をあげると、突如激しい砂嵐が巻き起こる。そのせいでブイゼルの視界も悪くなってしまう。
「くっ、水鉄砲!」
ブイゼルはとりあえず水鉄砲を発射するが、ライノスには当たらない。
「ライノス、角で突く!」
そしてライノスは砂嵐の中でも自由に身動きが取れ、横からブイゼルを角で突く。
「泥爆弾!」
角で突くを耐えたブイゼルは、至近距離からの泥爆弾をライノスに浴びせるが
「復讐だ!」
ライノスは両手に悪意のこもった負のエネルギーを纏わせ、ブイゼルを殴り飛ばす。
「ブイゼル!」
ブイゼルはなんとか着地に成功するが、それでもかなりのダメージを負っている。
「復讐は相手から技を喰らった後に使えば威力が倍増する。さあ、行くぞ。ライノス、ロックブラスト!」
ライノスは無数の岩を連続でブイゼルに向かって放ち、攻撃する。ブイゼルはそれらをかわそうとするが、最後の一発だけ当たってしまった。
「ブイゼル、アクアジェット!」
ブイゼルはズ水流を身に纏い、高速でライノスに突撃する。ライノスには効果抜群だが、ライノスはまだ倒れていない。
「堅いな……ソニックブーム!」
ブイゼルは尻尾を振って衝撃波を飛ばす。ライノスの防御は高いが、ソニックブームは固定ダメージ技なので、防御力に関係なくダメージを与えられる。
「ぬぅ、ライノス、ロックブラスト!」
「ブイゼル、アクアジェットでかわせ!」
ライノスの放つ無数の岩を、ブイゼルはアクアジェットで回避し、そのままライノスにも攻撃。
「角で突く!」
しかしライノスは怯まず、すぐに反撃の角で突くをブイゼルにヒットさせ、吹っ飛ばす。
「ブイゼル、泥爆弾!」
「かわして角で突く!」
ライノスはなんとか泥爆弾を回避すると、その長い角ででブイゼルを突く。
「水鉄砲だ!」
「接近して復讐!」
ライノスはブイゼルの発射する水鉄砲をかわさずに、むしろ接近して攻撃を喰らい、復讐する。
「強い……!」
イリスは思う。サカキのポケモンはまだまだ成長の余地がある普通のポケモンだが、サカキ自身が物凄く強い。ジムリーダーに匹敵するほど、というかジムリーダー並に強い。
「当たり前だ。これでも俺は一群を率いていた事があるからな。強くなくてははボスは務まらん。ライノス、ロックブラスト!」
「何のことかは全然分かりませんけどね!ブイゼル、アクアジェット!」
ブイゼルはアクアジェットでロックブラストを避けつつもライノスを攻撃する。流石のライノスも体力がかなり減ってきたようで、呼吸が荒くなっている。もう少しで倒せるはずだ。
だがそれはブイゼルも同じ。見ればブイゼルの呼吸も乱れ、かなり疲弊している。
「ブイゼル、ソニックブーム!」
ブイゼルは尻尾を振って衝撃波を飛ばす。衝撃波はまっすぐライノスに向かっていったが、ライノスはそれを回避し、ブイゼルに接近する。
「ライノス、角で突く!」
「かわせブイゼル!」
ライノスの角の一撃を、ブイゼルはジャンプで回避。
「砂嵐!」
しかしここでライノスが、収まってきた砂嵐を再発させる。そのせいで、ブイゼルの視界が悪くなり、ライノスの姿が見えない。
「どこだ……!」
イリスは必死に目を凝らすが、ライノスは見えない。
「……そうだ。ブイゼル、周りに泥爆弾だ!」
ブイゼルは一瞬いぶかしむような顔になったが、すぐに自分の周囲に泥爆弾を放つ。勿論ライノスには当たらない。
「さあ来い……!」
その時、砂嵐の中から一つの影が見える。ライノスだ。
ライノスは角を突き出してこちらに突進してきている。角で突くだが、その勢いが半端じゃない。恐らく全身全霊での角で突くだろう。あれを喰らったらひとたまりもない。
しかし、その角がブイゼルを捉えることはなかった。
「な……!?」
ライノスはブイゼルに角が当たる直前、盛大に転んだのだ。そして足元は泥でぬかるんでいる。泥爆弾でぬかるませた跡だ。
「今だブイゼル!アクアジェット!」
ブイゼルは転んでまだ立ち上がれていないライノスに、水流を纏って突撃し、吹き飛ばす。
「……ふん。戻れライノス」
見ればライノスは戦闘不能になっていて、サカキはライノスをボールに戻す。
「思ったよりもやるな、小僧。だが、次はこうか行かんぞ」
「上等ですよ。そんなに簡単に勝っちゃ、面白くないですからね」
そして、サカキは次なるボールを構える。



今回は謎のスーツの男ことサカキと、イリスのバトルです。謎の男はなんとサカキだったのです。サプライズとして登場してもらいました。では、次回はそのサカキとイリスのバトル、決着となります。お楽しみに。