二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 260章 発火 ( No.262 )
- 日時: 2011/09/21 16:04
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
ザンバと戦っているイリゼは倒れたオムスターをボールに戻し、次のボールを構える。
「んじゃま、次行ってみようか。出て来い、アリアドス!」
イリゼの二番手は蜘蛛のようなポケモン、足長ポケモンのアリアドスだ。分類通り四本の足は長く、体色は毒々しい。
「アリアドス、まずは辻斬りだ!」
アリアドスは一気にサナギラスまで接近すると、長い爪のような足の先端でサナギラスの急所を的確に切り裂く。
「くっ、なかなかのスピードですね。サナギラス、嫌な音!」
サナギラスは一旦アリアドスから離れて嫌な音を響かせるが、アリアドスは大して気にする事もなくサナギラスに接近する。
「悪いな、俺のアリアドスはその程度の音で動きが鈍ったりはしねえんだ。アリアドス、襲撃!」
アリアドスは一瞬でサナギラスの背後に回ると、闇討ちのように強烈な一撃をサナギラスに叩き込み、戦闘不能にする。
「……まあ、馬鹿力で防御も下がっていましたからね。一体倒しただけでも、良しとしますか」
ザンバは自分に言い聞かせるようにそう呟き、サナギラスをボールに戻す。
「それでは、次はこのポケモンで行きますよ。ルナトーン!」
ザンバの二番手は、隕石ポケモンのルナトーン。三日月型の体が特徴の、岩とエスパータイプを持ったポケモンだ。
「今度はルナトーンか。確かに岩もエスパーもアリアドスには有利だな」
「それはそうですが、それだけではありませんよ。ではルナトーン、まずは瞑想」
ルナトーンは目を瞑り、瞑想して精神力を高める。そうすることで、特攻と特防を上げているのだ。
「能力アップか。なら面倒な事にならないうちに決めるとすっか。アリアドス、喰らいつく!」
アリアドスはルナトーンに向かって跳躍し、その岩の体に喰らいつく。
喰らいつくはゴーストタイプの技なので、エスパータイプのルナトーンには効果抜群だ。
しかしルナトーンを見れば、喰らいつくを喰らって大ダメージを受けたようではあるが、戦闘不能と言うほどでもない。
「では、眠りについて貰いましょうか。ルナトーン、催眠術!」
ルナトーンはアリアドスを見据え、催眠術を掛ける。するとアリアドスは次第にウトウトし始め、やがてガクリと糸が切れたように地面に突っ伏す。
「これで、準備万端。あとは瞑想して、アリアドスが起きた頃には能力最大です」
ザンバがそう言う頃には、ルナトーンは両目を瞑って瞑想していた。刻一刻と時間が進むにつれ、ルナトーンの特殊攻撃力、防御力が上昇していく。
アリアドスは眠るばかりで何も出来ず、ただじっとしているしかない——
「アリアドス、襲撃!」
——事も、なかった。
アリアドスは一瞬でルナトーンの背後に回ると、鋭く長い足をルナトーンに突き刺す。
「!? ルナトーン!」
ルナトーンは戦闘不能でこそないようだが、虚を突かれたためかなりのダメージを受けた。さらにザンバも、眠っていたはずのアリアドスの行動に混乱し、思考がまとまらない。
「何故だ、アリアドスは差民術で眠らせたはず……」
「なんて事ねえよ」
ザンバが思考する最中、イリゼは事も無げに言い放つ。
「俺のアリアドスの特性は、眠らない不眠なんだ。だから催眠術が効かなかった、それだけだ。最初に眠ったように見せかけたのはただの演技。その方が、上手く奇襲できると思ったんでね。ま、予想以上に上手く行き過ぎたけどな」
「? それはどういう——」
とその時、ルナトーンが燃え上がった。
イリゼの最後の言葉に首をかしげたザンバは、すぐに目線がルナトーンへと向いた。
「襲撃ってのはよ、その時の天候によって効果が変わるんだ。どうもお前は気付いてないっぽいけどさ、この辺、実は日本晴れかなんかで、日差しが強い状態なんだよな。で、日差しが強ければ襲撃の効果は相手を火傷させる、になるわけだ」
ちなみにその日差しが強い原因は、少し離れた所で戦っているプラズマ団のティンだったりする。
「……天候までも味方につけますか。思った以上に、やりますね」
「当たり前だ。お前とは年季が違う」
少女の姿で言われても滑稽なだけの台詞なのだが、何故だか今のイリゼは格好良く見える。
「さてと、そろそろバトル再開だ。行くぜ、アリアドス。喰らいつく!」
アリアドスはルナトーンに跳びかかり、魂までも喰らうような勢いで喰らいつく。
「くっ、ルナトーン、サイコバーン!」
いよいよ攻撃に転ずるしかなくなったルナトーンは、念動力の衝撃波を放って攻撃するが、寸でのところでアリアドスは身を退き、その衝撃波を回避する。
「ならば、ダイヤブラスト!」
さらにルナトーンは宝石のように輝く白色の光線を発射して追撃を試みるも、アリアドスは俊敏な動きでその光線はアリアドスを捉えられない。
「アリアドス、辻斬り!」
アリアドスはルナトーンの脇を通り過ぎ、すれ違い様に切り裂く。
ルナトーンには大ダメージだが、ルナトーンはまだ倒れていない。そしてルナトーンは、アリアドスが隙を見せたこの一瞬を見逃さなかった。
「ルナトーン、サイコバーン!」
ルナトーンは全身全霊で念動力の衝撃波を放ち、アリアドスを攻撃するが
ルナトーンは発火し、攻撃は中断されてしまった。
「火傷……しまった……!」
だが、時既に遅しだ。
「止めだアリアドス、襲撃!」
最後にアリアドスの一撃がルナトーンに決まり、ルナトーンは戦闘不能となった。
今回はイリゼとザンバのバトル、その2です。にしてもイリゼのアリアドス、強いですね。ノーダメージでサナギラスとルナトーンを倒すとか……まあ、サナギラスにしろルナトーンにしろ、まともに一撃でも喰らっていればやられてそうですけどね。ちなみに今日は台風で学校が休みです、サボりとかじゃないです。……よく考えれば今の時間、もう学校終わってました。そんな事はさて置いて、次回予告、次回はリオとフォレス、もしくはミキとティンのバトルになりそうです。では、次回もお楽しみに。