二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 270章 爆音 ( No.291 )
日時: 2011/10/08 22:29
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「バクオング、氷の牙!」
バクオングはメタゲラスのもとへと駆け込み、大きな口を開け、氷結した牙で噛み付く。
「くっ……メタゲラス、振り払え!」
メタゲラスは頭を左右に激しく振り、バクオングを引き剥がす。
「そこだ、アイアンヘッド!」
そしてバクオングが数歩後退した所に、鋼鉄の頭を突き出して突進し、大きく吹っ飛ばす。
「もう一度アイアンヘッド!」
メタゲラスはバクオングが滞空している中、その着地点を狙って再度突進するが
「ハイパーボイス!」
バクオングは空中から途轍もない重低音を放ち、メタゲラスを吹っ飛ばした。
「メタゲラス!」
メタゲラスは派手に地面を転がり、なんとか体勢を立て直す。
「バクオング、アームハンマー!」
だがそうしている間にもバクオングはメタゲラスに接近し、拳の鉄槌を振り下ろす。
「メタゲラス、大地の力!」
メタゲラスはアームハンマーを耐え切り、すぐさま地面から土砂を噴射し、バクオングを吹き飛ばす。
「むぅ……肉を削って骨を守るような技だな。バクオング、ハイパーボイスだ!」
バクオングは大きく息を吸い込み、大地を揺るがすほどの大音量で叫ぶ。そしてその叫びは多大な破壊力を持つ衝撃波となり、メタゲラスに襲い掛かる。
「くぅ……やっぱ音の攻撃はきついな……!」
そう思ってイリスはメタゲラスを見ると、ふと疑問が湧いた。
「……? 傷が少ない……?」
メタゲラスはダイナマイトだろうが最新の兵器だろうが、それらを喰らっても傷が付かないほど硬い。そして硬いポケモンは、大抵重い。だからイリスはそんなメタゲラスを吹っ飛ばしたバクオングのハイパーボイスに驚愕したのだが……どうやら吹っ飛ばすことは出来ても、威力は大した事ないようだ。まあよく考えてみれば、ノーマルタイプの技でメタゲラスに決定打を与えられるポケモンなんて、そうそういないだろう。
「それなら、バクオングもハイパーボイスも、恐れる事はないな。メタゲラス、ストーンエッジ!」
「ハイパーボイスで打ち消せ!」
メタゲラスは無数の尖った岩を自分の周囲に浮かべ、それらを一気に発射する。
バクオングは大音量で叫び、襲い掛かる尖った岩を重低音で砕き散らしていく。
「アイアンヘッド!」
そしてメタゲラスは、バクオングの息が切れたタイミングを見計らい、鋼鉄の頭を構えて突進する。バクオングも息継ぎのタイミングで突撃されては対処のしようがなく、その攻撃をまともに喰らった。
「この距離ならハイパーボイスも撃てない。メタゲラス、大地の怒り!」
「ハイパーボイスだけがバクオングじゃないぞ。バクオング、アームハンマー!」
メタゲラスは地面から土砂を噴射し、バクオングは拳の鉄槌を振り下ろす。
結果、メタゲラスとバクオング、両者ともに吹っ飛ばされた。
「メタゲラス、ここを逃すなよ。グラビティコア!」
メタゲラスはバクオングが仰け反っている間に超重力の黒く巨大な球体を作り出し、バクオングに向けて振り下ろすように放つ。
「これは避けられないな……ならば。バクオング、オーバーヒート!」
バクオングは既にアームハンマーで素早さが二段階ダウンしている。なのでセンリは、グラビティコアを避けず、相殺する手に出た。
バクオングの体は熱がこもっているのかみるみる赤くなっていき、頭や顎の穴からは湯気が——と思った矢先に、炎が吹き出てきた。
そして次の瞬間バクオングは、巨大な黒球を飲み込むかのように大口を開け、莫大な炎を放つ。炎はグラビティコアを飲み込んでいき、やがて消滅していった。
「……これは、いささか規格外だな……」
しかしバクオングはさっきの大技でかなり疲労したようで、息も絶え絶えだった。
だとするならば、攻めるは今である。
「メタゲラス、アイアンヘッド!」
メタゲラスは鋼鉄の頭を突き出し、バクオングに向かって突進。
「おっと、そう簡単に攻めさせはしないぞ。バクオング、ハイパーボイスだ」
それをバクオングは強烈な重低音を放ち、吹き飛ばす——
「大地の怒り!」
——かと思いきや、メタゲラスは突進しながら地面を踏み鳴らし、断続的に土砂を噴き上げてハイパーボイスに対する盾とする。
「そこだ、メタゲラス!ストーンエッジ!」
そしてバクオングに接近し、突撃に成功したメタゲラスは、無数の尖った岩を発射して追い討ちを掛ける。
「くっ、バクオング、氷の牙!」
バクオングは落下しながら氷結した牙を構え、メタゲラスに噛み付く。
「そのままアームハンマーだ!」
そしてバクオングは拳を握り、メタゲラスの体に側面に拳を連打する。
「メタゲラス、手加減してもいいからグラビティコア!」
メタゲラスはなかなか離れないバクオングに対し、溜めをショートカットした低威力のグラビティコアをぶつける。というか、本気でやれば時間が掛かるからバクオングに逃げられるし、自分も大ダメージを受けてしまうのだ。
「メタゲラス、アイアンヘッドだ!」
「返り討ちにするぞ、バクオング。オーバーヒート!」
鋼鉄の頭を構えて突進するメタゲラス。それに対しバクオングは、体中の熱という熱を集め、口から膨大な火炎を放つ。
しかし
「メタゲラス、大地の怒り!」
メタゲラスは突進しながら地面を踏み鳴らし、襲い掛かる炎を地面から噴射される土砂で消していく。そして全ての炎を消し終えると、砂の中からメタゲラスが飛び出し、バクオングに強烈な突撃を喰らわせる。
「バクオング!」
さしものバクオングも体力の限界が来たようで、その一撃を受けるや否や、戦闘不能となった。



さて、今回はイリスvsセンリ、パート2です。正直前回はほとんどバトってませんけど、まあ、別にいいでしょう。たまに思うのですが、ポケモンって見た目がゴツイ奴は大抵強いですけど、中にはそうじゃない奴も結構いますよね。今回出て来たバクオングとか、オニゴーリとか。決して弱いわけではなくとも、能力が正直微妙……。まあ、こんな後ろ向きな話題は止めて、次回予告。するまでもないですが、次回は今回の続き。イリスとセンリのバトル、パート3となります。お楽しみに。