二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 275章 再び ( No.302 )
- 日時: 2011/10/10 13:45
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
センリとのバトルを終えた後、イリスはポケモンセンターにて、とある人物と遭遇してしまった。
「どうももすです、元気ですか? あ、さっきバトルしたばかりでした、モスギスさんうっかり」
「あなたに会うまでは元気で清々しい気分でしたよ、モスギスさん」
イリスはげんなりと答える。
とある人物とは、変態or変人と名高いモスギスである。しかし四天王のようで、その実力だけは確かだ。
「で、何の用ですか、モスギスさん」
「あの、日頃の、精神的な疲れを、くんずほぐれて、きれいなモスギスさんに——」
「話を脱線させるな」
もはやタメ口になったイリス。モスギスの評価はフリーフォールの如く降下していく。
「で、実のところは何ですか。もったいぶらずに……というか訳の分からない事を言わずにちゃっちゃと言ってください」
「え……内緒、ですぅ」
「さようなら、モスギスさん。もう会わないでおきましょう」
イリスは手早く荷物をまとめてポケモンセンターから出ようとする。
「まさかモスギスさんをハブにしちゃうつもりですか? ズルイ!」
「何も見えんし何も聞こえん」
「モスギスさんはザングースの方が好きなんです!」
「そっちのハブかよ!」
結局戻ってきてしまうイリス。なんだかんだ言ってツッコまずにはいられない。
「ではでは前置きもそこそこに、再会した喜びもつかの間、二人は戦う事に!」
「…………」
モスギスの用とは、そういう事らしかった。
勝負方式は三対三のシングルバトル、勝ち抜き戦。
この方式をモスギスが提示するのにも一悶着あったのだが、それを記すと長くなってしまうので、省略。
「では、もすの一番手は、テレレレッテレー!トコヤミ!」
モスギスの一番手は、暗闇ポケモンのトコヤミ。紫色の長い胴体を持ち、半分ほどは地中に埋まっている。口は大きく、目は宝石のようになっていて、頭のすぐ後ろには甲冑のようなものがはめられている。
「タイプは悪・ゴースト……弱点がないのか。だったら一番強い奴で突破してやる。出て来い、リーテイル!」
イリスの一番手は、センリとのバトルで進化したリーテイルだ。
「じゃ、まずはこっちから行きますよ。リーテイル、エアスラッシュ!」
リーテイルは背中の葉っぱを羽ばたかせ、風の刃を無数に飛ばす。
「わわわわわ、モスギスさんもびっくりな攻撃!しかーし、もすはいつでもどこでも慌てず騒がず。トコヤミ、見切り!」
トコヤミは地面に潜り、エアスラッシュを回避する。正直イリスには見切りなくても避けられたのでは?という疑問が浮かぶ。
「では今度はもすの番です。トコヤミ、悪の波動!」
トコヤミは悪意に満ちた波動を放ち、リーテイルを攻撃。
「さらに続けて、シャドークロー!」
トコヤミは悪の波動の追加効果で怯んだリーテイルに接近し、影の爪で切り裂く。
「くっ、負けてられないぞ、リーテイル。リーフブレード!」
リーテイルはトコヤミのシャドークローを耐え切り、体を回転させながら鋭い尻尾でトコヤミを切り裂く。
「ダイヤブラスト!」
そして宝石のように輝く白い光線を発射。トコヤミは思わず地面に潜り、リーテイルから距離を取る。
「逃がすな、エアスラッシュ!」
リーテイルは距離を取ったトコヤミに構わず、風の刃を乱射し、トコヤミを切り刻む。
「むむ、モスギスさんリンチ状態です。トコヤミ、痛み分け!」
突如、トコヤミの体が淡い光に包まれる。そしてそれと同じように、リーテイルの体も光に包まれる。
「な、何だ……?」
光が消えると、トコヤミの傷はいくらか消えていて、逆にリーテイルは傷が増えていた。
「痛み分け……確か、自分の傷と相手の傷を同程度にする技だったか……また妙な技を使うな、モスギスさんは」
「え? モスギスさんカッコイイ? 褒められるとモスギスさん照れちゃいます。どうどういたいたしまして!きゃーはずかしー!」
「黙れ」
閑話休題。
「リーテイル、ダイヤブラスト!」
「トコヤミ、悪の波動!」
リーテイルは宝石のように輝く白色の光線を放ち、トコヤミは悪意に満ちた黒色の波動を放つ。
互いの攻撃はぶつかり合い、相殺されて爆発する。
「今だリーテイル!煙に紛れて接近しろ!」
リーテイルはトコヤミが先ほどいた位置まで接近する。周囲は煙で何も見えないが、それは相手も同じこと。
「リーフブレード!」
リーテイルは鋭い尻尾を横薙ぎに一閃し、切り裂いた。
トコヤミではなく、虚空を。
「え……?」
そう、つまりそこにトコヤミはいなかったのだ。
「トコヤミ、シャドークロー!」
そしてトコヤミはいつの間にかリーテイルの背後にいて、影で作り出した鋭き爪でリーテイルを切り裂いた。
「煙で周りが見えないはずなのに、どうして……?」
「何を仰りますか。トコヤミは暗闇に住むポケモンでして、目が退化しています。ですから体にセンサーがついていて、相手がどこにいるのか、モスギスさんの存在感のように丸分かりです!」
「……ああ、そうですか」
イリスは適当に返す。最後の方でもう、真面目に取り合う気が失せてきた。
(でも、トコヤミはそんなに耐久力は高くない。だったらあと一撃でもまともに入れば、倒せるはずだ)
イリスはそう思い、リーテイルに指示を出す。
「リーテイル、リーフブレード!」
「トコヤミ、見切り!」
リーテイルは鋭き尻尾を振り、トコヤミに斬り掛かる。しかしその斬撃の軌道をトコヤミは完全に見切り、回避する。
「シャドークロー!」
「リーフブレード!」
トコヤミは影の爪を作り出してリーテイルに襲い掛かるが、リーテイルは返す刀でその攻撃を受け止める。
「今だリーテイル!押さえ込め!」
リーテイルは素早くトコヤミの背後に回り、動けないように上にのしかかるように覆いかぶさる。
「止めだ、ロイヤルバーン!」
そしてリーテイルは、零距離から自然の力を爆発させる。
今回は嬉し懐かしのあの人が登場です。いやー、やっぱり彼の口調は独特すぎて、再現が難しいです。まあ、そこが好きなんですけどね。では特に書くこともないので、次回予告。と言っても、次回も今回の続きですけどね。というわけで、次回もお楽しみに。