二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 284章 金庫 ( No.321 )
- 日時: 2011/10/14 00:18
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
ザキの持ち場は、地下へと続く階段を降りた先にある通路。
しかしザキはそこにはいず、金庫がある部屋の、扉の前にいた。
そして、さも当然のように扉を蹴り飛ばし、乱暴に開く。というか壊す。
「……やっぱり、いやがったか」
部屋は薄暗く、そして広い。しかし広いが、中央にドシンと鎮座するやけに巨大な金庫の他には何もない。
だが、その部屋にはザキの他に……もう一人の人間がいた。
「……思いの他、早く見つかってしまいましたね」
その人間とは、紫色の鉢巻が特徴の男——ザンバだ。
「ったりめーだ。俺の目があるうちは、どんなネズミだろうとミジンコだろうとバクテリアだろうと、見つけ出してやるよ」
黒いうちではないらしい。そして随分細かく見る目だった。
ザキは睨み付けるようにザンバを見据える。ザンバは手に、如何にもという感じの箱を携えている。ザキは、確かあの汚い水晶もあれくらいの大きさだったな、と思う。
そしてザンバの後ろの金庫。これは特殊な工具か何かでこじ開けたような痕跡が見て取れる。というか、仮にもPDOの重要機密が眠る金庫だ、並大抵の物や事で開けられるはずがない。
「てめえの手にあるのが、盗品だな」
「さあ、どうでしょう?」
ザンバは肩を竦めて言う。
「……逃げる前に見つけてよかったぜ。どっからあの汚ねえ水晶の情報を知ったかは知らねえが、ともかくてめえは、ここで叩き潰す」
言ってザキは、ボールを構えた。
「行ってこい、テペトラー!」
ザキが繰り出したのは、河童ポケモンのテペトラーだ。
「……ふむ、まあ良いでしょう。行け、ヨマワル」
そしてザンバが繰り出したのは、お迎えポケモンのヨマワル。
そのポケモンを見て、ザキは怪訝そうな顔をする。
「ヨマワルぅ? サマヨールですらねえのかよ……完璧、舐めてんな」
ザキの苛立ちが混じったような言葉に、しかしザンバは冷静に返す。
「いえ、別段あなたを低く見ているわけではありません。私の手持ち上、あなたのテペトラーは私が持つ他のポケモンとは相性が悪い……それに、このヨマワルは私の切り札でして」
「……そうかよ」
結果的に、ザンバの発言はザキを挑発する結果となってしまった。
「そんじゃ、遠慮なく行かせて貰うぜ!」
ザキは叫ぶようにそう言い放ち、テペトラーも同様に、体に力を漲らせ、戦闘態勢へと入る。
「出番だ、アルデッパ!」
「出て来て、サーナイト!」
フォレスが繰り出すのは水草ポケモンのアルデッパ。フォレスのエースポケモン。
そしてミキが繰り出したポケモンは包容ポケモンのサーナイトだ。
「こっちから行くぜ。アルデッパ、パワーウィップ!」
アルデッパは触手を伸ばし、鞭のようにしならせてサーナイトに叩きつける。
「結構威力あるなぁ……サーナイト、シグナルビーム!」
サーナイトは高威力のパワーウィップを耐え、すぐさま色彩を束ねたカラフルな光線を発射して反撃に出る。
そしたら動きに鈍いアルデッパの事、攻撃速度が速いサーナイトのシグナルビームを避けれず、直撃を喰らう。しかも、弱点を突いているので結構なダメージだ。
「くっ、だがこの程度のダメージでは俺のアルデッパは倒れないぜ!アルデッパ、もう一度パワーウィップ!」
アルデッパは再度触手を伸ばし、鞭のようにしならせてサーナイトに叩きつけようとするが
「サーナイト、サイコキネシス!」
サーナイトは強力な念動力を発し、アルデッパの触手の動きを全て停止させる。
「十万ボルト!」
そしてすぐさま攻撃。サーナイトは名の通り十万ボルトに及ぶ超高電圧の電撃を放ち、アルデッパに浴びせる。
「ついでに、シャドーボール!」
サーナイトはさらに黒い影の球を作り出し、アルデッパへと発射し、追撃を試みるが
「そう何発も喰らってたまるか!アルデッパ、スプラッシュ!」
アルデッパは水を纏った両手を思い切り地面に叩きつけ、水飛沫を散らしてシャドーボールを相殺する。
「サイコパンチ!」
そしてアルデッパは念動力を込めた拳を振り抜き、拳の形をした念波をロケットパンチのようにして放つ。
思わぬ切り替えしにサーナイトは面食らってしまい、その攻撃を避ける事が出来なかった。しかし効果いまひとつなので、大したダメージにはならない。
「サーナイト、十万ボルト!」
サーナイトはすぐに体勢を立て直し、超高電圧の電撃を放ち、アルデッパを攻撃。
「よし、そのままシグナルビーム!」
麻痺ではないが十万ボルトで痺れているアルデッパにサーナイトは、カラフルな光線を発射して追い討ちを掛ける。
しかし
「アルデッパ、パワーウィップ!」
そこでアルデッパはシグナルビームを喰らいつつも触手を伸ばし、サーナイトに叩きつけるのではなく体に巻きつかせた。
即ち、捕らえた。
「そのまま引き寄せろ!」
アルデッパは命令通り思い切り触手を引っ張り、サーナイトを自分のすぐ側まで引き寄せた。
二体の距離はほぼ零距離。この状況では、さらに体勢が崩れて触手に絡まれているサーナイトが圧倒的に不利。
「噛み砕くだ!」
そこでアルデッパは、その大きな口を開き、サーナイトにかぶりつく。防御が低く、さらに効果抜群と来て、サーナイトはかなりの痛手を負った。
「スプラッシュ!」
そして最後にアルデッパは、水を纏った両手を地面に叩きつけ、水飛沫を散らしながらサーナイトを吹っ飛ばす。
「サーナイト!」
ミキの足元まで吹っ飛ばされたサーナイトは目を回しており、戦闘不能だった。
さて、今回はザキとザンバのバトルフラグ。ミキとフォレスのバトルとなっております。え?ザンバはNと戦ってるんじゃないかって?それは……後々明かしていきます、それまでお待ちください。では次回もこんな感じで、しかしこの強襲には裏があったり……それも踏まえて、次回もお楽しみに。