二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 288章 電子音 ( No.328 )
- 日時: 2011/10/15 22:02
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「リベルラ、ドラゴンクロー!」
「ホムロソク、かわしてマインブラスト!」
アキラ対サーシャのバトル。
サーシャのリベルラ(フライゴン)は龍の力を爪に込めて襲い掛かるが、ホムロソクはゆらゆらとした不規則な動きでそれをかわすと、自分の周囲を爆発させてリベルラを吹っ飛ばす。
「くっ、しかしドラゴンタイプのリベルラには、炎技の効果は薄いですよ。リベルラ、燕返し!」
リベルラは空中で体勢を立て直すと再度ホムロソクに突っ込み、今度は高速で翼を振り、ホムロソクを切り裂く。
「まだですよ、騙し討ち!」
リベルラはホムロソクから距離を取り、そしてまた突っ込んでいく。
「そう何度も喰らうかよ。ホムロソク、マインブラスト!」
ホムロソクは爆発を放ち、リベルラを迎撃しようとするが、リベルラはその直前で軌道を変更し、ホムロソクの側面に爪の一撃を叩き込む。
騙し討ちは悪タイプの技、ゴーストタイプを持つホムロソクには効果抜群だ。
「地震!」
さらにそこに、リベルラは地面を大きく揺さぶって地震を引き起こそうとする。
「流石にそれはやばいぞ……乗り移る!」
ホムロソクはリベルラが地面に尻尾を叩きつける直前に自らの魂を切り離し、リベルラに憑依する。
「! リベルラ!」
するとリベルラは苦しみだし、地面へと落ちる。
「よし、もういいだろう。戻ってマインブラスト!」
ホムロソクは魂を元の体に戻し、爆発を引き起こしてリベルラを攻撃、ふっとばして壁に激突させる。
「くぅ、リベルラ、ドラゴンクロー!」
「させないぜ、ホムロソク、フラッシュ!」
リベルラは龍の力を爪に込めて襲い掛かるが、ホムロソクは眩い閃光を放ち、リベルラの目を封じ、動きを止める。
……はずだった。
「!? ホムロソク!」
リベルラはフラッシュを喰らい、しかし平然とホムロソクへと接近し、そのまま強烈なドラゴンクローを喰らわせた。
「なんでだ……?」
フラッシュでフライゴンの命中率は下がったはず。確かに一段階命中率を下げた程度ではたいした効果は得られないにしても、放った直後に全く効果がないのはおかしい。
「なに、簡単なことですよ」
サーシャは言う。
「砂漠で暮らしているフライゴンは、砂嵐から眼を防護するために、眼球の周りを赤い皮膜で覆っている。この膜は砂嵐だけでなく、赤外線や紫外線……強力な閃光をも、防げるのですよ」
つまり、その皮膜でリベルラにはフラッシュが効かなかったようだ。
「ではそろそろ終結と——」
ピリリリリ
とその時、サーシャの胸ポケットから電子音が鳴り響いた。
「おや、思った以上に次官を浪費してしまったようですね……では私は時間ですので、ここでおさらばです。リベルラ!」
サーシャは逃げる気なのか、素早くリベルラに乗り込んだ。
「おい待て!バトルはどうした!」
「私は元々工作員ですので、バトルは本業ではありません。ですから、途中で放棄したとしても、なんら関係ありません」
そう言い残すと、サーシャはリベルラと共に通路を突き進んでいった。
「リオ!」
「分かってる!」
そしてリオとアキラも、サーシャを追うべく通路を駆ける。
「テペトラー、オーシャンクロー!」
「ヨマワル、守る!」
ザキとザンバのバトル。
テペトラーは海の力を込めた爪でヨマワルに襲い掛かるが、ヨマワルは自分の周囲に結界を張り、その攻撃を防御する。
「……正直、信じられませんね」
ザンバは、唐突に言う。
「あなたのテペトラーは、鬼火を受けてからもう三十分以上戦い続けている。流石にもう体力が尽きてもおかしくないのに、それでも戦い続ける……一体全体、どういう育て方をしたんですか?」
「あぁ? どうもこうもねえよ。育て方云々じゃなくて、てめえとは根性が違うんだよ」
まさかの根性論だった。しかしザキならありえそうなのが不思議である。
「……そうですか。ヨマワル、影分身」
ザンバはやや呆れ気味になり、ヨマワルは自らの分身を多数作り出す。
「鬱陶しい、テペトラー、シャドーパンチ!」
テペトラーは拳に影を纏わせ、それをロケットパンチのように撃ち出す。
撃たれた影の拳は本物のヨマワルを見つけ出すとそれに向かって一直線に飛んでいき、その小さな体を吹っ飛ばす。
「冷凍パンチ!」
さらにテペトラーは拳に冷気を纏わせてヨマワルに殴り掛かる。
「守るです」
しかしヨマワルはそこで守るを使用し、テペトラーの拳を完全に防御。
「ふむ、これだけの力で何度も攻撃を繰り返し、なおかつ倒れない……さてはて、これは少々困ったことに——」
ピリリリリ
ザンバの言葉を遮り、ザンバの服の中から電子音が鳴り響く。
「おや、もう時間ですか。ではバトルはここまでですね。ヨマワル、戻りなさい」
ザンバはヨマワルをボールに戻す。
「って、おい!人を散々足止めしといて今更バトル放棄かよ!最後までキッチリやりやがれ!」
「善処します」
ザンバはザキの言葉をそう切り捨てると、ヨマワルとは違うポケモンを繰り出す。
「出て来なさい、サナギラス」
出て来たのは弾丸ポケモンのサナギラスだ。
「サナギラス、激突です」
サナギラスは近くの壁に全身全霊で思い切り激突し、破砕音を轟かせながら大穴を開ける。
「それでは、私はこれにて」
ザンバはサナギラスをボールに戻しながら、走り去っていく。
「……ちっ。待ちやがれ!」
そしてそれを、ザキは追いかける。
今回はアキラとサーシャのバトル、ザキとザンバのバトルとなっております。前半はアキラがやや押され気味でしたが、最後はサーシャが撤退していきます。後半もザキがやられていますが、最後にはザンバが撤退していきます。まあこれにはちゃんと意味があるんですけどね。というか、意味がないと正に意味不明ですしね。まあそんな話はどうでもいいですが。では次回はイリスとフレイのバトル。イリスは強ポケメタグロスに対し、どう戦うのか。お楽しみに。