二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 294章 星型 ( No.341 )
- 日時: 2011/10/18 17:04
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「フローゼル、アクアテール!」
フローゼルはエビワラーに接近し、水を纏った二又の尻尾を叩きつける。
「むぅ、エビワラー、冷凍パンチ!」
エビワラーも拳に冷気を纏わせ、フローゼルに殴りかかる。
しかしフローゼルは機敏な動きでその拳を回避した。
「氷の牙!」
フローゼルは氷結した牙を伸ばし、エビワラーの両肩に突き刺す。
するとエビワラーの肩は、カチカチに凍りついた。
「そうやって肩を封じれば、パンチも思うように出せないでしょう。フローゼル、気合パンチ!」
フローゼルは拳に気合を込め、エビワラーを殴りかかる。
エビワラーにパンチ系統の子激は通用しないらしいが、肩が凍り付いて上手く動けず、しかも重心もブレてしまっているのでエビワラーはその拳を完全にかわすことはできなかった。
「エビワラー、バレットパンチ!」
「フローゼル、かわして氷の牙!」
エビワラーは弾丸のようなスピードで拳を放つが、フローゼルは跳躍してその拳を回避。氷結した牙をエビワラーに突き刺し、怯ませる。
「今だ、アクアテール!」
そしてそのまま水を纏わせた二又の尻尾を叩き込み、エビワラーを吹っ飛ばす。
岩肌に激突したエビワラーは、完全に目を回しており、戦闘不能だった。
「戻れ、エビワラー」
シバはエビワラーをボールに戻す。
「俺のエビワラーを倒すとは、なかなかやるな。しかし、次は違う趣向で攻めていくぞ。ウー!ハーッ!行け、サワムラー!」
シバの二番手は、人型で伸縮性がある足を持つポケモン。キックポケモンのサワムラーだ。タイプはエビワラー同様格闘タイプ。
「パンチの次はキックか……フローゼル、テラーソニック!」
フローゼルは腕を素早く振り、黒い衝撃波を飛ばす。
衝撃波はサワムラーに命中したが、サワムラーは多少後退しただけだった。
「次はこちらから行くぞ。サワムラー、ブレイズキック!」
サワムラーは足に炎を灯し、フローゼルに正面蹴りを放つ。
その正面蹴りが凄まじく、サワムラーは足を限界まで伸ばして遠くにいるフローゼルをさらに吹っ飛ばした。
「あの足、伸びるのか……だったら近づいたほうがいいな。フローゼル、接近だ!気合パンチ!」
フローゼルは拳に気合を込め、サワムラーに飛び掛かる。そして拳を大きく振りかぶり、勢いよく振り下ろすように繰り出す。
「サワムラー、ビルドアップ!」
サワムラーはその拳に対し、体の筋肉を増強する事で耐え切った。そして
「跳び膝蹴り!」
サワムラーは空中で静止しているフローゼルの腹に、強烈な跳び膝蹴りを叩き込む。
フローゼルは大きく吹っ飛ばされ、地面を転がっていく。だがすぐに立ち上がったため、まだ戦闘不能ではないようだ。
「くっ……流石に跳び膝蹴りは威力が高いな。でも、あの攻撃は失敗したら自分がダメージを受ける。ならここはあえて使わせてかわすのが得策か……よし。フローゼル、アクアテール!」
フローゼルは二又の尻尾に水を纏わせ、サワムラーに飛び掛かる。
「サワムラー、心の眼」
そして体を思い切り捻り、サワムラーの脳天目掛けて尻尾を振り下ろす。
「跳び膝蹴り!」
サワムラーはフローゼルのアクアテールを耐え切り、すぐさま攻撃に転じた。膝を折り曲げて、勢いよく跳び膝蹴りを繰り出す。
「フローゼル、回避だ!」
フローゼルは指示通りにサワムラーの膝を喰らわないように体をずらしたが、しかし、サワムラーはまるで初めからそれが分かっていたかのように攻撃の軌道を変更し、フローゼルに跳び膝蹴りを叩き込んで吹っ飛ばす。
「な……フローゼル!」
天井に激突したフローゼルは落下してくる。今のは直撃を喰らったようで、かなりダメージが大きい。
「跳び膝蹴りを避け、逆に自損させる狙いはよいが、しかし浅はかだな。心の眼は使えば次に繰り出す技を確実に当てる。かわされて被害が出る技なのだ、それ相応の対策くらいは取る」
シバは言った。そしてそれは確かに、当たり前の事だった。
「行くぞ。サワムラー、ブレイズキック!」
サワムラーは飛び上がり、フローゼルの脳天目掛けて炎を灯した足でのかかと落としを放つ。
フローゼルは辛うじて横に転がり、その一撃をかわした。
「逃がさんぞ。心の眼」
サワムラーはフローゼルをじっと見据える。次に攻撃する技を、確実に当てるためだろう。
「くっ……フローゼル、氷の牙!」
フローゼルは氷結した牙を伸ばし、サワムラーの胴体に突き刺す。
しかし
「サワムラー、跳び膝蹴り!」
次の瞬間、サワムラーの跳び膝蹴りがフローゼルの腹部にめり込んでいた。
「フローゼル!」
流石のフローゼルもサワムラーの跳び膝蹴りを三発も喰らえば、そろそろ戦闘不能になるはず。だがフローゼルはよろよろになりながらも、必死で耐え忍んでいる。
「……大したものだ。我がサワムラーのキックをこれだけ受けてなお立ち上がれるとは、相当な忍耐力だ。尊敬に値する」
シバは本心からそう思っているかのように、褒め称える。
「しかしそれももうすぐ終了だ。サワムラー、ビルドアップ」
サワムラーは次の一撃を確実に決める気なのか、筋肉を増強して攻撃力をさらに上昇させる。
「心の眼」
そして、心の眼でフローゼルを見据える。
次の一撃で、決着だ。
「サワムラー、跳び膝蹴り!」
サワムラーはフローゼルに向かって駆け出す。そのスピードはそこまで速くはないが、満身創痍のフローゼル相手なら、十分すぎるだろう。
「くぅ……フローゼル、最後の足掻きだ!テラーソニック!」
イリスはこの時、やられたと思った。
だからせめて、少しでも体力を減らそうとしてのテラーソニックだった。
だがフローゼルが放ったのは、黒い衝撃波ではない。
巨大な星型の氷塊だった。
「!?」
サワムラーはいきなりの思いも寄らぬ攻撃に怯んでしまい、その氷塊に押し潰された。
「この技は……」
イリスはその技を知っている。いつかドランのマンムーが使用していた技だ。
「その技はスターフリーズだな。この局面で新たな技を習得とは、やるな」
シバは戦闘不能となったサワムラーをボールに戻しながら言う。
「フローゼル……スターフリーズを覚えたんだな」
イリスがそう言うと、フローゼルは力強く頷いた。
「……うむ。では行くぞ。これが俺の、次なるポケモンだ」
そしてシバは、次のボールを構える。
さて、イリス対シバ、パート2です。今回は早々にエビワラーが退場、キックの鬼ことサワムラーがバトルを引き継ぎましたが、フローゼルがスターフリーズを習得し、あえなく敗退です。関係ないですが、エビワラーとサワムラーはそれぞれ実在する人物の名前から取ったそうです。エビワラーは海老原さんだそうで、サワムラーは……たぶん沢村さんです。ボクサーとキックボクサーだそうです。では次回はシバの三体目登場。まあ、この順番なら容易に想像できますね、回るあいつです。では、次回もお楽しみに。