二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 295章 独楽 ( No.342 )
- 日時: 2011/10/18 23:54
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「ウー!ハーッ!行け、カポエラー!」
シバが三番手に繰り出したポケモンは、エビワラー、サワムラー同様に人型で、角が突き出た笠を被ったような姿だ。
逆立ちポケモン、カポエラー。やはり、格闘タイプ。
「逆立ちポケモンって言う割には、普通に直立してるけど……」
「なに、その由来はすぐに分かるさ。カポエラー、高速スピン!」
カポエラーはピョンと跳躍したかと思うと頭を下にして地面に着地。頭の突起を軸に、高速で回転している。
「……って、これカポエラじゃん!」
「違う。カポエラは誤記、正しくはカポエイラだ」
訂正された。
武道家らしい細かさである。
「なんかここに来て一風変わったポケモンとのバトルになったけど……まあいいか。フローゼル、スターフリーズ!」
フローゼルは巨大な星型の氷塊を作り出し、独楽のように回転しているカポエラーへと放つ。
「カポエラー、炎のパンチ!」
カポエラーは回転しながら氷塊へと向かっていき、拳に炎を灯して、回転の勢いを利用した裏拳を氷塊へと叩き込む。
炎の熱とカポエラーの拳により氷塊は砕き、溶かされた。
「カポエラー、トリプルキック!」
カポエラーは回転しながらフローゼルに接近し、三段蹴りを繰り出す。
初撃の蹴りは外れたが、二撃目、三撃目の蹴りはフローゼルを捉えた。
「フローゼル、一旦離れてスターフリーズだ!」
フローゼルは後ろに跳んでカポエラーから離れ、巨大な星型の氷塊を放つ。
「カポエラー、かわしてトリプルキック!」
カポエラーは氷塊を迂回するようにかわし、フローゼルに接近。フローゼルはかわそうとするがカポエラーは予測不可能な動きでフローゼルに迫り、今度は三撃とも、蹴りを決めた。
そしてその三撃目の蹴りを喰らうと、フローゼルはその場に崩れ落ちた。
「ありがとうフローゼル、休んでてくれ」
イリスは戦闘不能となったフローゼルをボールに戻す。
「……さて、あの動きは厄介だな。全く予測できないし、軌道も読めない。変幻自在とはこのことか……」
イリスはしばし考え込み、そしてボールを構えた。
「よし、それじゃあ次はこのポケモンだ。出て来い、リーテイル!」
イリスの三番手はリーテイル。カポエラーがいくら不規則な動きをしようと、それは地上でのこと。ならば空を飛べるリーテイルにはそんなことは無関係で、しかも相性も良い。
「リーテイル、エアスラッシュ!」
リーテイルは飛び上がり、背中の葉っぱを翼のように羽ばたかせ、六つの空気の刃を飛ばす。
「カポエラー、かわして炎のパンチ!」
カポエラーは襲い来る空気の刃を次々とかわしていき、全てかわし終えると頭の先端で飛び上がり、炎の拳を放つ。
「リーテイル、ロイヤルバーンで迎え撃て!」
カポエラーの拳が届く前にリーテイルは自然の爆発を起こし、カポエラーを吹っ飛ばした。
だがそこは流石と言うべきか、カポエラーは器用に頭で着地し、その場で回転しだした。
いつでもどこでも回るポケモン、カポエラー。
「追撃行くぞ、ダイヤブラスト!」
リーテイルは手に宝石の輝きのような力を溜め、白色の光線を発射する。
「カポエラー、回避!」
だがカポエラーには、上空からの狙い撃ち攻撃は当たらない。
「燕返し!」
カポエラーは再度跳躍してリーテイルに接近し、回転の勢いを利用して尖った尻尾の先端でリーテイルを切り裂く。
効果抜群なので、結構なダメージだ。
「くっ……ロイヤルバーン!」
リーテイルは追撃を防ぐために自然の力を爆発させ、カポエラーを引き剥がす。
「空中にいれば安全だと思ってたけど、存外そうでもないっぽいな……」
「当たり前だ。そんな程度の低さでは、四天王は務まらない」
今サラッとシバは言ったが、イリスは聞き逃さない。そう、シバは四天王だ。
しかしイリスは今まで(イリスの知る限りでは)ジムリーダー六人、四天王一人、チャンピオン一人と出会っている。今更驚きはしない。
「カポエラー、トリプルキック!」
カポエラーは飛び上がってリーテイルに接近。回転による遠心力を利用し、強烈な三段蹴りをリーテイルに叩き込む。
「リーテイル、リーフブレード!」
だがリーテイルもただではやられない。カウンターにカポエラーを尻尾の葉っぱで切り裂き、地面に落とす。
「……せめてあの回転を止められれば、好機なんだけどな……」
カポエラーの回転しながらの動きは結構なスピードだ。故にリーテイルの攻撃は当たらず、攻撃を当てようとすれば地上に戻るか、攻撃を受けた後に反撃するかの二択しかない。
しかしどちらにせよ、リーテイルへの被害は大きい。
「さて、どうしたものか……」
イリスは考えようとするも、相手はそんなことを考慮してはくれない。カポエラーは回転しながら跳躍し、リーテイルへと接近する。
「カポエラー、燕返し!」
カポエラーの尻尾の先端が、リーテイルを切り裂く。
「トリプルキック!」
さらに三段蹴りが飛び、リーテイルに叩き込まれる。
「くっ、ロイヤルバーン!」
リーテイルも反撃にと自然の爆発を起こし、衝撃波でカポエラーを吹っ飛ばす。
だがカポエラーは地面に難なく着地。頭の突起を地面に突き立て、ドリルのように回転する。
(ん? ドリル……?)
そこでふと、イリスはカポエラー攻略の糸口が見えた。
そしてそれが見えれば、迅速に行動に移る。
「リーテイル、ダイヤブラスト連射!」
リーテイルは手にエネルギーを凝縮させ、とにかく宝石のように輝く光線を撃ちまくる。
勿論カポエラーはその攻撃を全て回避し続けている。リーテイルの攻撃が全く当たらない。
そう思った、その時だ。
カペラーの動きが、止まった。
「カポエラー、何をしている!そのままではやられるぞ!」
シバは叫ぶ。しかしカポエラーはその場で回転するだけで、全く動かない。
いや、動けないのだ。
「カポエラーの変幻自在な動きは、独楽のような回転にある。独楽は一つの軸を中心として回転するから、その軸さえ固定してしまえば、その動きを封じるのは容易い」
つまりリーテイルはダイヤブラストを連射することで、フィールドに穴を開けたのだ。
いや、穴と言うより、凹み、窪みを作った。
そしてカポエラーは、その窪みに上手く嵌まっただけだ。
「さて、大分体力が減りましたからね、深緑も発動するでしょう。これで止めです。リーテイル、ロイヤルバーン!」
リーテイルは深緑が発動したロイヤルバーンを使用。自然の爆発を引き起こし、衝撃波を放って、カポエラーを吹き飛ばす。
さて、今回はエビワラー、サワムラーと来て、カポエラーの登場です。ちなみにカポエラーはこの三体の中で一番好きです。カポエラーの元であるカポエイラですが、僕も最初はカポエラだと思ってました。けれどあれは間違いだそうで、正しくはカポエイラだそうです。では次回はまた違うポケモンが登場します。お楽しみに。