二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 296章 三拍子 ( No.343 )
日時: 2011/10/19 00:43
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「戻れ、カポエラー」
シバは戦闘不能となったカポエラーをボールに戻す。
「ふむ、やるな。俺のエビワラー、サワムラー、カポエラーの三体を、同じ三体のポケモンで倒しきるとはな。だが、次からはそうは行かんぞ」
言ってシバは、次なるボールを構える。
「ウー!ハーッ!行け、テッコンボ!」
シバが次に繰り出したポケモンは、エビワラーのようにボクサーのようなポケモンだった。
しかしその体躯はかなり小さく、また耳から生える拳は、その体に不釣合いなほど巨大だった。
拳ポケモン、テッコンボ。格闘・岩タイプのポケモンだ。
「テッコンボ、ロックカット!」
まず初めに、テッコンボは体を磨き、空気抵抗を少なくして素早さを上げる。
「見る限り、あんま速そうなポケモンじゃない……いや、だからこそのロックカットか。ならリーテイル、まずはエアスラッシュ!」
リーテイルは背中の葉っぱを羽ばたかせ、空気の刃を六発飛ばす。
「打ち砕けテッコンボ!マッハパンチ!」
テッコンボは耳の拳で向かい来る空気の刃を全て打ち砕いてしまった。
「氷柱パンチ!」
そしてすぐさまリーテイルに接近。氷柱のように冷たく鋭い拳を繰り出す。
「かわしてリーフブレード!」
テッコンボの拳はエビワラーより強力そうだが、その分スピードはやや遅め。リーテイルなら対処できない速さではない。
そしてリーテイルは尻尾の葉っぱでテッコンボを切り裂く。
しかし
「テッコンボ、シャドーパンチ!」
テッコンボは全く怯むことなく、拳に影を纏わせてリーテイルを殴り飛ばす。
直前で身を退いたので浅いが、下手したらやられていた。
「なんで……深緑で威力が増大したリーテイルのリーフブレードを喰らって、全く堪えてない……」
その一点が、不可解だった。
しかしその仕組みは、イリスが思うほど複雑ではなく、むしろ単純だった。
「テッコンボというポケモンは、そもそも防御特化のポケモンだ。さらに俺は攻撃と防御を重点的に育てた。そこにロックカットによる素早さ補強も組み合わせれば、完璧だ」
つまりシバのテッコンボは今、走攻守の三拍子が揃っているというわけだ。
「それは厄介だな……リーテイル、エアスラッシュ!」
「テッコンボ、氷柱パンチ!」
リーテイルが放つ空気の刃を、テッコンボは氷柱のような拳で相殺する。
「テッコンボ、シャドーパンチ!」
テッコンボは拳に影を乗せ、そのまま勢いよく撃ち出す。
「シャドーパンチはかわせないか……なら、むしろ突っ込め!リーフブレード!」
リーテイルは低空飛行の要領でテッコンボに突っ込み、シャドーパンチを喰らう。だがその程度では怯まず尻尾の葉っぱでテッコンボを切り裂いた。
しかし、やはりダメージがあるようには見えない。
「硬い……」
この硬さは、つい先日戦った、フレイのストータスを思い出す。
「テッコンボ、氷柱パンチ!」
テッコンボは氷柱のように冷たく鋭い拳を構え、殴りかかる。
「リーテイル、かわしてロイヤルバーン!」
リーテイルはテッコンボの拳を横にかわし、爆発による自然の衝撃波を放ってテッコンボを吹っ飛ばす。
そういえば、氷柱といえば同じ7Pのレイも思い出す。
「こうなれば、地道にダメージを蓄積させる。テッコンボ、マッハパンチ!」
テッコンボは音速のスピードでリーテイルに接近し、エビワラー(のバレットパンチ)ほどではないが高速で拳を打ちつける。
だが効果いまひとつなのが幸いし、リーテイルはまだ戦闘不能ではない。
「よし、いいぞ。そこからロイヤル——」
「氷柱パンチ!」
リーテイルが自然の爆発を起こそうとしたその時、氷柱のような拳が飛んできて、リーテイルを吹っ飛ばした。
しかし、テッコンボは動いていない。耳に生えている巨大な拳は、拳を振りぬいた状態で止まっている。
そう、今の攻撃を行ったのは、テッコンボの本来の拳だ。小さな赤いグローブを着けてはいるが、明らかに攻撃力は低そうで、それが盲点だ。
流石リーテイルも弱点四倍を突かれてしまえば耐え切れず、戦闘不能となった。
「……戻れ、リーテイル」
イリスはリーテイルをボールに戻す。これでイリスの手持ちも残り二体。
「岩タイプ……だったら、このポケモンを使うのは今しかないな。出て来い、メタゲラス!」
イリスの次なるポケモンは、メタゲラス。
「メタゲラス、アイアンヘッド!」
メタゲラスは鋼鉄の頭を突き出し、突進する。
「迎え撃て!氷柱パンチ!」
テッコンボはその突進に対し、氷柱のような拳で迎撃を試みる。
しかしテッコンボは元の攻撃力は意外と低い。なので結果的に攻撃力ではメタゲラスが勝り、テッコンボは吹っ飛ばされた。
「追撃だ、ストーンエッジ!」
メタゲラスはさらに尖った岩を一斉に発射し、テッコンボに追い討ちを掛ける。
「テッコンボ、シャドーパンチだ!」
テッコンボは影を纏わせた拳を二発放ち、メタゲラスを攻撃。だが効果はいまひとつなので、決定打には乏しい。
「まだ行くぞ!マッハパンチ!」
テッコンボは今の間に空中で体勢を立て直し、虚空を蹴って音速の拳をメタゲラスに叩き込む。
「引き剥がせ!大地の怒り!」
メタゲラスは地面を大きく踏みつけて地面から土砂を噴射。テッコンボを引き剥がす。
「テッコンボ、マッハパンチ!」
「メタゲラス、アイアンヘッド!」
テッコンボは音速の拳を放ち、メタゲラスは鋼鉄の頭を構えて突進する。
そして両者の攻撃が、激突した。



さて、今回は終わりも中身も微妙でしたね。なんかシバは格闘使いの癖に岩タイプであるイワークを使っていたので、それになぞらえて岩タイプを含む格闘タイプ、テッコンボを出してみたのですが……見事エビワラーと被っています。個人的にはテッコンボはそこそこ好きなんですけどね……なんか顔が面白いですし。まあそんな事はさて置き、次回あたりにでもシバの切り札が出そうですね。あ、最初に言っておきますと、カイリキーではないです。たぶん、結構意外なポケモンですよ。というわけで、次回もお楽しみに。