二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 301章 増設 ( No.353 )
- 日時: 2011/10/20 23:15
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「ダンカンス、グランボールダ!」
「カメックス、吹雪!」
ユキナが繰り出したポケモンは、甲羅ポケモンのカメックス。巨大な直立した亀のような姿で、両肩辺りの甲羅からはロケット砲が飛び出ているポケモンだ。
ダンカンスはカメックスを包囲するように岩石を浮かべ、一斉に放つが、カメックスは全方位に激しい吹雪を吹き付けることで、襲い掛かる岩石を全て吹き飛ばした。
「思念の頭突き!」
ダンカンスは水中を経由してカメックスに接近。その腹に思念を集めた頭突きをぶつけるが
「地震!」
カメックスは大波ができてしまうと思うほどの地震を引き起こし、ダンカンスを吹っ飛ばす。効果抜群に加え、至近距離からの攻撃。ダンカンスは大ダメージを受けた。
「まだまだ、ハイドロポンプ!」
「チッ、かわせダンカンス!」
カメックスがロケット砲から放つハイドロポンプを、ダンカンスは水中に潜って回避する。
「アクアテールだ!」
そして突如として水面から飛び出し、水を纏わせた尻尾をカメックスに叩きつける。
「カメックス、吹雪!」
だがダンカンスの攻撃はカメックスにはほとんど効果がなく、ダンカンスはカメックスが放つ猛吹雪に吹っ飛ばされてしまった。
カメックスの特徴はその防御力にある。だからダンカンスの攻撃はあまり通らない。アシドのダンカンスは攻撃に秀でてはいるが、ユキなのカメックスの防御の方が高いようだ。
「クソが!ダンカンス、スターフリーズ!」
「決めるよカメックス、ハイドロカノン!」
ダンカンスは巨大な星型の氷塊を放つ。
そしてカメックスは二つのロケット砲から放たれる水を一点に集め、球状に形を整えてどんどん大きくしていく。
そして最大まで力が溜まると、その水の弾丸を、ダンカンスに向けて発射する。
弾丸は氷塊を難なく破壊し、そのままダンカンスに被弾。ダンカンスは遥か彼方に吹っ飛ばされ、砂浜にボトリと落ちる。
「な……ダンカンス!」
ダンカンスは言うまでもなく、戦闘不能。アシドはダンカンスをボールに戻す。
「これがお姉さんとカメックスの力だよ☆ま、ヘタレには分からないかな?」
「何度も何度もヘタレって言いやがって……!」
アシドの怒りはどんどん募っていくが、対照的にユキナは落ち着きを取り戻しつつあり、口調もお気楽なそれになりつつある。
「くっそ、こうなりゃ出し惜しみはなしだ!」
アシドがそう叫ぶと、彼の腹の辺りから濁った紫色の光が漏れる。
アシドが、解放したのだ。
「さあ、ここからが僕の実験時間だ。覚悟しろよ」
イリスは現在、P2ラボの正面まで来ている。
ユキナとアシドのバトル観戦は五分くらいやっていたのだが、途中で付き合いきれなくなり、リーテイルの背に乗ってここまで飛んできたのだ。ちなみに服は、飛んでいる途中で乾いた。
P2ラボ。それは名前の通り研究施設のようなのだが、なんだか増設か、大きく改造したような痕が見受けられる建物だ。
「ま、それで別段僕に被害があるわけじゃないけれどさ」
言いながらイリスはP2ラボ内に足を踏み入れる。
「今回の目的は、あくまでミキちゃんを奪還すること。だからとりあえずは、ミキちゃんを探さないとな」
そう呟きながらイリスは下へと降りる階段を探す。囚人=牢屋=地下という安易な発想だが、生憎それくらいしか思い至らない。情報が少ないのだ。
とにかく通路を歩くイリスは、通路の角を曲がった所で、一旦足を止めることとなる。
何故なら、そこに敵がいたから。
「……君は英雄だね。面識は一度だけだったかな」
現れたのは、全身真っ黒な服装の少年、ソンブラ。ミキを攫った張本人と言っても過言ではない人物だ。
「はぁ……やっぱそういう扱いを受けるのか。だから嫌だったんだよ、女の子を攫うなんてさ……ゲーチス様に言われたから仕方なくやったっていうのに」
地文を読んだかのような独り言だ。
「えーっと、つまり。僕は今から君と戦うっていう流れなのかな?」
「……そうなんじゃないのか」
イリスはやや適当に返す。まさかこんなに早く敵に遭遇するとは思っていなかったから、少々面食らっているのだ。
「それじゃあ、手短に済ませようか。あんまり時間は掛けたくない」
「それは同感だな。僕も今は、一分一秒が惜しい」
プラズマ団とのバトル、第二戦。対戦カードは、イリス対ソンブラで決定となった。
「あーあー……全身びしょ濡れだな」
海に落とされてから、自力で岸に上がったイリゼは、運良くもP2ラボの前にいた。
前と言っても、裏口だが。
「どうすっかな。脱いで乾かしたい所なんだが、そうすると何か規制が掛かる絵になりそうだしな……しゃーねえ、このまま行くか」
イリスは顔にへばりつく髪の毛をかき上げながら、ラボの中へと入っていく。
すると
『あ』
と、二人分の声が聞こえた。
一つは言うに及ばず、イリゼの声。
もう一つは、赤い髪をウェーブさせた青年……プラズマ団の、ザクラだ。
「……まさかこんなに早く見つかるとはな。プラズマ団もやるじゃねえか」
「いや、今のは明らか偶然だろ……」
そんなことを言いつつも、二人はボールを構える。
プラズマ団とのバトル、第三戦の対戦カードは、イリゼ対ザクラに決定した。
さて、今回はアシドとユキナのバトル。ユキナのカメックスの圧勝ですが、アシドは解放したので、この後の展開は分かりません。そして後半はイリスがラボに足を踏み入れ、ソンブラとバトルフラグ。今になって気づきましたが、この二人は口調がちょっと似ていますので、お気をつけください。一応、それぞれ変化を取り入れていますが。それからもう一つ、イリゼのバトルフラグ。まあ次回はバトルを消化しつつフラグを立てていくのが基本になりますか。では、次回もお楽しみに。