二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 304章 故人 ( No.358 )
日時: 2011/10/21 17:01
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「ドンカラス、ブレイブバード!」
ドンカラスは全身に燃え盛る炎のようなエネルギーを纏い、デンリュウに激突する。
デンリュウはドンカラスとともに壁を突き破り、その先へと吹っ飛ばされる。
「デンリュウ!」
デンリュウは突き破った壁の先にある部屋——プールのような実験場——の床に倒れていて、戦闘不能だった。
「くっ、戻れ、デンリュウ」
イリスはデンリュウをボールに戻す。
「相当強いな、そのドンカラス」
「当たり前さ。ポケモンを信頼しているのは君達だけじゃないしね」
イリスの言葉に、そう返すソンブラ。
「そうか……なら、もうちょっと焦らしてから出したかったけど、しょうがないか」
イリスはしょうがないという風に——対照的に、嬉しそうに、ボールを構える。
「さあて、久々のご登場だ。出て来い、ウォーグル!」
イリスが繰り出したのは、大きな鷲のような勇猛ポケモン、ウォーグル。
一年前、イリスとともにイッシュを旅した仲間。
イリスはP2ラボに乗り込む際、ボックスに預けていたほかのポケモンを引き出し、連れてきたのだ。
「そのドンカラスは相手の急所を狙うのが得意みたいだけど、それならそもそも攻撃を喰らわなければいいんだ」
「……簡単に言ってくれるね。だけど、それはそんな言葉にしただけでできるようなことじゃないよ」
この場合、ソンブラが正しいだろう。しかしイリスは不敵に笑い
「できるさ。なにせ僕は、英雄だからね」
そしてイリスは、ウォーグルに指示を出す。
「行くぞウォーグル、まずはビルドアップ」
ウォーグルは筋肉を増強し、攻撃力、防御力を高める。
「ブレイククロー!」
そして爪に力を込め、ドンカラスに向かって突っ込む。
「ドンカラス、迎撃だ。熱風!」
ドンカラスは高音の熱風を放ち、ウォーグルを攻撃。しかしウォーグルは熱風の直撃を受けてもまったく動じず、そのまま大きな爪でドンカラスを引き裂いた。
「そのまま行くぞ!もう一度ブレイククロー!」
「させないよ。ドンカラス、不意討ち!」
ウォーグルが爪を振り上げるより早くドンカラスはウォーグルの背後に回りこみ、その背中に嘴の強烈な一撃を叩き込む。しかし
「怯むな、鋼の翼!」
ビルドアップで防御力が上がっているウォーグルは物理技に強く、ドンカラスの不意討ちを喰らっても体勢をそのまま保って鋼のように硬化させた翼をドンカラスに叩きつける。
ドンカラスも技ではないが不意討ちを喰らい、吹っ飛ばされる。そしてイリスもウォーグルも、そこを逃しはしない。
「止めだウォーグル、ブレイブバード!」
ウォーグルは全身に燃え盛る炎のようなエネルギーを纏わせ、ドンカラスに突撃。直撃を受けたドンカラスは吹っ飛ばされ、実験場の壁に叩きつけられて戦闘不能となった。
「戻ってくれ、ドンカラス」
ソンブラはドンカラスをボールに戻し、周りを見渡す。
「ここはアシド……様のポケモン実験場(水)か。……ならいいか、別に壊しても」
言ってソンブラは、次のボールを構えた。



ラボ内部を捜索しているチェレンは、一つだけ(ではないのだが)自動ドアではなく、ただのスライド式のドアが少しだけ開いているのを見つけた。
「……面倒だけど、まあ確認するに越した事はないか」
渋々言いながら中を覗きこむと、そこはビオトープ、もしくは庭園のようになっている部屋だった。
そしてその庭園に一つ、白い丸テーブルと二つの椅子が置いてあり、一人の人物が椅子に座っていた。
「あー早くフォレス様来ないかなー……あんな怠慢女の言う事聞く必要ないのに……」
座っているのは、若草色の髪をツインテールにしたフォレスの部下、ティンだった。
「なんか面倒そうな奴がいるけど……プラズマ団なら、倒さないとね」
そう言いながら、チェレンは室内へと入っていく。
「ああフォレス様……誰、あんた?」
幸せそうな顔が一変、産業廃棄物でも見るかのような冷たい視線をチェレンに向けたティン。しかしその程度で、チェレンは動じたりはしない。
「……君の性格から鑑みるに、僕が名乗っても意味無いよね。だから名乗らず、バトルだけをやるとしようか」
言って。チェレンはボールを構える。
「まあ、別にいいわ。フォレス様が来るまでの暇潰し、そしてフォレス様が来るまでに終わらせるわ」
そしてティンも、ボールを構えた。
プラズマ団とのバトル、第七バトルの対戦カードは、チェレン対ティン。



パチパチパチパチパチ
と、ホールのような部屋にいるベルは拍手をしていた。
「凄いなぁ……プラズマ団にこんな人がいたなんて、思ってもいなかったよ」
「いや、そんな……僕も、まだまだですよ」
ベルは他の皆と同様にラボの中を捜索していたのだが、ふと近くの部屋から音楽が聞こえ、入ってみるとそこには指揮棒を振っている男、シャンソンと、それぞれからだの一部となっている楽器を演奏する三匹のポケモン。
ついついベルはその音楽に聞き入ってしまい、現在に至る。
「それでは、演奏が終わりましたので、最後のバトルです。準備はよろしいですか?」
「うん。なんかさっきの演奏聴いて、気合入っちゃった。あたしも全力で行くよ!」
プラズマ団とのバトル、第八対戦の対戦カードは、ベル対シャンソンのトリプルバトルだ。



今回はイリスとソンブラのバトルにて、イリスの懐かしきポケモン、ウォーグルが登場しました。ちなみにウォーグルは鋼の翼を覚えませんが、技マシンがあれば確実に覚えると言っても過言ではなさそうですし、まあ問題ないでしょう。後半はチェレンとティン、ベルとシャンソンのバトルフラグ。それでは次回もこんな感じで、お楽しみに。