二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 13章 イリスvsチェレン 1 ( No.36 )
日時: 2011/07/31 19:29
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「イリス!」
N、シザンサスとともにカゴメタウンへと向かうイリスは、道中の12番道路にて聞き覚えのある声を聞く。
「チェレン……!」
声の主はイリスの幼馴染のチェレンだった。チェレンは鳥ポケモンに乗ってイリスを発見したようで、徐々に下降してくる。
「イリス、君は一体何をしてるんだ。僕らに一言もなしにカノコタウンから出て行って、僕らがどれだけ……」
「チェレン、ストップ!分かったから、ごめん。何も言わずにいきなり出て行ったのはあやまるよ!」
イリスはチェレンの延々と続く説教が始まる前にストップをかける。ちなみにチェレンの説教時間は最長六時間。一日の四分の一も使って説教を喰らった事がある。
「……まあ、僕はいいけどね。でも君の弟子はひどく憤慨してたよ」
「あー……確かに怒ってるよな、ミキちゃんなら……」
イリスは困ったような顔になる。
「それでイリス。何故君とNは一緒にいるんだ。そしてその人は誰だい?」
チェレンはNとシザンサスを交互に見て、イリスに問う。
「Nとはまあ、もう敵じゃないんだよ。今は仲間さ。で、こっちが」
イリスはシザンサスに振る。
「……シザンサスよ」
シザンサスはしかめっ面で短く名乗る。なにか機嫌が悪そうだ。
「……?」
イリスはそんなシザンサスを見て首を傾げる。機嫌が悪い理由が分からないのだろう。
「……まあいいか。イリス、僕は君の弟子から君を連れて帰るように言われている」
「え……?」
「だから君をカノコタウンに連れて帰る」
「ちょ……ちょっと待って。僕はまだ帰る気はないし、帰りたいともおもってない……」
イリスは帰宅を拒否し始める。新しい旅はこれからだという時に連れて帰らされてはたまったものではないからだ。
「……だろうね。そういうと思って、一つだけ条件がある」
チェレンの言葉にイリスは一瞬呆け、チェレンは口を開く。
「新しい旅で手に入れたポケモンのみでの僕とのバトル。それで君が勝てば、君を連れて帰るのを諦める」



と、いうわけで、イリスとチェレンの幼馴染バトルが始まった。方式は三対三の普通のシングルバトル。ローカルルールとして、お互いに新しく捕獲したポケモンのみを使ってのバトルだ。
「イリス君!頑張ってね!」
イリスはシザンサスの声援を聞き、ボールも構える。
「……なんか僕、あの人に嫌われてる気がするんだけど、気のせいかな?」
チェレンはイリスにしか聞こえない声量で問う。
「どうだろうね。正直、僕も君の事が気に入らないというか、嫌悪しているように見えるけど」
「やっぱりそうかな……。それじゃ、始めようか。僕の一番手はこいつだ、ヒメグマ!」
チェレンが最初に繰り出すポケモンは、頭に三日月模様のある小さく可愛らしいポケモン。小熊ポケモンのヒメグマだ。
「ヒメグマ……ノーマルタイプか。ならどのポケモンを出しても大差はないか。出て来い、メリープ!」
イリスの一番手は電気タイプのメリープだ。
「先攻はもらうよ。ヒメグマ。切り裂くだ!」
ヒメグマはメリープに向かって一直線に走り出し、鋭い爪で切り裂く。
「なかなかの攻撃力だね……。メリープ、体当たり!」
メリープはヒメグマに体当たりし、引き剥がして距離を取る。
「スピードスター!」
そして無数の星を放ち、ヒメグマを切り裂く。
「ヒメグマ、騙し討ちだ!」
ヒメグマはメリープに向かって走り出し、大きく腕を振りかぶって爪の一撃を放つ……と思いきや、思い切り空振ってしまい、隙だらけになる。
「今だメリープ!体当たり!」
メリープは隙だらけのヒメグマに向かって走り出し、体当たりをしようとする。
しかし、ヒメグマはすぐに身を翻し、メリープに爪の一撃を喰らわせる。
「メリープ!」
メリープは大きく吹き飛ばされ、体勢を大きく崩す。
「ヒメグマ、深追いはしないよ。ビルドアップだ」
ヒメグマは追撃せず、筋肉を増強して能力を高める。
「騙し討ちとは、よく言ったものだね。メリープ、電撃波!」
メリープは電撃の波を放ち、ヒメグマを攻撃する。メリープの電気ショックは電撃波へと昇格したのだ。
「くっ、騙し討ち!」
「電撃波だ!」
ヒメグマはメリープの正面で派手にすっ転ぶと思わせて切り裂き、メリープはその後電撃の波を喰らわせてヒメグマを吹っ飛ばす。
「切り裂く攻撃!」
ヒメグマはメリープに接近し、爪を振りかぶって切り裂く。
「追加で岩砕きだ!」
ヒメグマはさらに拳を握り、力を込めてメリープに叩きつけようとするが
「メリープ、コットンガード!」
メリープは綿に包み込まれ、ヒメグマの拳の衝撃を吸収してしまう。
「電撃波!」
そしてその綿を突き破る電撃の波を放ち、ヒメグマを攻撃。どうやらその攻撃は急所に当たったようで、ヒメグマは戦闘不能となってしまう。
「戻れ、ヒメグマ。……やるね、イリス」
「チェレンもね」
イリスとチェレンは互いに称賛し合い、チェレンは新たなボールを取り出す。
「僕の次のポケモンはこいつだ。出て来い、ユキワラシ!」
チェレンは新たなポケモンを繰り出す。
イリスvsチェレン。幼馴染二人の闘いは。まだまだ続く。



今回はチェレン登場でイリスとバトルです。そして毎度の事ながら、終わりが微妙です。では、今回は特に書くこともございませんので、あとがきはこの辺で。次回もお楽しみに。