二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 315章 逆手 ( No.371 )
日時: 2011/10/23 15:56
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

チェレン対ティンのバトル。
フィールドはP2ラボのガーデン、日差しは強い。
「リザードン、大文字!」
「ファマイン、光の壁!」
チェレンとファマインは、サンパワーで強化されたリザードンに苦戦していた。
「エアスラッシュ!」
リザードンは空気の刃を連続で飛ばし、ファマインを切り刻む。
「龍の波動!」
「くっ、光の壁だ!」
リザードンの放つ龍の波動を、ファマインは光の壁で防御。
最初こそ攻撃もしていたファマインだが、時間が経つに連れティンは勢いがついてきたのか、怒涛の攻撃を放ってくるので防御で精一杯だ。
「リザードン、ダイヤブラスト!」
「ファマイン、ダイヤブラスト!」
リザードンは口から、ファマインは腕のキャノン砲から、それぞれ宝石のように輝く光線を発射する。
同じ攻撃とはいえリザードンの特攻はサンパワーで底上げされている。なので押し負けたのはファマインだ。
「そのまま龍の波動!」
ダイヤブラストを喰らって怯んだファマインに、リザードンは龍の波動を放って追撃する。
「くっ、ファマイン、アイアンヘッドだ!」
「ダイヤブラストで迎撃!」
ファマインは鋼鉄の頭を突き出して突進するが、リザードンの放つ白色の光線にあえなく撃墜されてしまう。
「エアスラッシュ!」
さらに空気の刃を飛ばし、ファマインを切り裂いた。効果いまひとつだが、ダメージは大きい。
「鋼タイプは頑丈なのが取り柄だけど、そろそろそのファマインも限界なんじゃない?」
「そう、かもね」
確かにファマインはリザードンの嵐のような攻撃でボロボロだが、しかしチェレンは全く焦っていない。むしろ余裕の表情だ。
「そろそろ決めるよリザードン。大文字!」
リザードンは大きく息を吸い込み、そして大の字の巨大な火炎を放つ。
「ファマイン、光の壁!」
対するファマインは自身の正面に光る透明な壁を作り出し、大文字に備える。
そして大文字が光の壁に直撃。光の壁は大文字を防ぐが、しかしこの巨大な火炎を防ぎ切ることはできず、ファマインは業火に焼かれた。
しかし

「ファマイン、炎のパンチ!」

ファマインは燃え盛る炎の中から高速で飛び出し——キャノン砲の逆噴射を利用している——キャノン砲から炎を噴き出し、拳のようにしてリザードンを殴り飛ばした。
そしてリザードンは、戦闘不能となった。
「リザードン!」
ティンは狼狽している。それもそうだろう。リザードンは今まで休む暇も与えず、攻撃に移させず攻撃を放っていた。なので体力は有り余っているはずで、効果いまひとつの炎のパンチ程度ではやられないはずだが
「特性、サンパワーは、自分の体力を削って特攻を上げる特性。君のリザードンはとにかく攻撃しまくっていたけど、それと同時に自分の体力も削っていたんだ」
つまりリザードンは、攻撃しながらもその特性で自らの体力を減らしていた、ということだ。
「なら話は簡単だ。攻撃を耐え切って、タイミングを見て反撃すればいい」
それも言うほど簡単ではないが、チェレンはそれをやってのけた。
「くっ、うぅ……!」
ティンは悔しそうな顔でリザードンをボールに戻す。
そしてさらに、ティンにはもう一つ悲劇が重なる。
ティンの無線機に、通信が入ったのだ。
相手はフォレス。

『あーティン、すまないが俺は新しい任務が入ってそっちに行けそうにないから———』

「うわぁあああああああああああ!」
ティンは泣きながら走り去っていった。



ベル対シャンソンのバトル。
方式は三対三のトリプルバトルだ。
「オリ、ラン、キー。ハイパーボイス!」
オリ(オリバー)ラン(ランペルン)キー(キーボン)の演奏ポケモン三体は、それぞれの楽器を奏でて膨大な音の衝撃波を放つ。
それにより、ベルの三体のポケモンは吹っ飛ばされた。
「タテボーシ!ベロベルト!ガネーシャ!」
吹っ飛ばされたポケモン達は辛うじて起き上がるが、かなりの大ダメージを負っている。
「くぅ、タテボーシ、ヘドロ爆弾!ガネーシャ、サイコバーン!」
タテボーシはヘドロを凝縮させた爆弾をオリに放ち、ガネーシャは念動力を爆発させてその衝撃波でキーを攻撃するが
「ラン、メガトンキック!キー、光の壁!」
キーが攻撃を喰らった代わりにランが強烈なキックでガネーシャに反撃し、キーは光の壁でオリを防御。
「キー、催眠波動!」
さらにキーは催眠作用のある波動を放ち、ガネーシャを攻撃。眠り状態にする。
「あ……ガネーシャ!」
「オリ、熱風!」
そこにオリの熱風が放たれ、ガネーシャは吹っ飛ばされる。
そして、戦闘不能だ。
「うぅ、戻って、ガネーシャ」
ベルはガネーシャをボールに戻す。
「ベロベルト、炎のパンチ!」
ベロベルトは拳に炎を灯し、ランに殴り掛かる。
「キー、リフレクター。ラン、サイコパンチ!」
しかしそこにキーのリフレクターが割り込み、ベロベルトの攻撃を防御。そしてランのサイコパンチが飛び、ベロベルトは吹っ飛ばされて戦闘不能に。
「……戻って、ベロベルト」
これで残るはタテボーシ一体だ。
「タテボーシ、ヘドロ爆弾!」
「キー、光の壁!」
タテボーシはヘドロ爆弾を放つが、キーの光の壁に防御されてしまう。
「ラン、ピッカリ球!」
そしてそこに、ランのピッカリ球が飛び、フラッシュ。タテボーシは視界を奪われる。
「オリ、ベルカント!」
さらにオリが、透き通るような歌声を響かせてタテボーシを攻撃。
「オリ、ラン、キー。ハイパーボイス!」
最後には、三体の演奏ポケモンによる膨大な音の衝撃波が放たれる。
これを喰らえば、タテボーシも戦闘不能になるだろう。その時

「タテボーシ、大洪水!」

どこからか大量の水が発生し、ハイパーボイスを、演奏ポケモン三体をも飲み込んでしまった。
タテボーシの特性は激流。ピンチになると水技の威力が上がる特性で、それによりオリ、ラン、キーの三体は戦闘不能となった。
「……フィナーレ、ですね」
シャンソンは大して悔しがることもなく、三体のポケモンをボールに戻す。



今回は前回書く予定だったチェレンとベルのバトルです。前半がチェレンで、リザードンのサンパワーを逆手にとっての勝利です。そしてティンは悲しい事に、敗北の後フォレスに(意図せぬ)追い討ちを掛けられました。後半はベルのバトルなのですが、チェレンのバトルで文字数を取りすぎてしまい、短くなってしまいました。申し訳ありません。ちなみに大洪水は別に、敵全体を攻撃する技ではありません。これは仕様ですので、あしからず。では今回は二人のバトルが消化できたので、次回もそんな感じで行きます。お楽しみに。