二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 318章 驚愕 ( No.377 )
日時: 2011/10/23 22:10
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「さあ、頼んだぞ、サンダース」
戦闘不能になったハサーガを、アキラはボールに戻し、常時ボールから出ているサンダースをバトルに出す。
「何かと思えば、あのイーブイ?」
「覚えてるとは、意外だな。ああ、そうだよ。あの時のイーブイだよ」
アキラはリオと幼馴染。ならリオの実姉であるマオと面識があっても、当然のことだ。
「さあ行くぞサンダース、目覚めるパワー!」
サンダースは自分の周囲に青色の球体をいくつも浮かべ、ドレディアへと放つ。
「ドレディア、原始の息吹!」
ドレディアは太古の力が込められて息吹を放つが、目覚めるパワーを全て撃ち落すことはできず、その球体をいくつか喰らった。
「水……?」
球体を喰らったドレディアだが、しかしダメージはあまりなく、ドレディの体は濡れていた。
「そう、水。俺のサンダースの目覚めるパワーのタイプは水だ」
「へぇ。でも、水タイプじゃあ私のドレディには大したダメージは与えられないわよ?」
そのくらい、アキラにも分かっている。だからこれは、下準備でしかない。
「もう一度目覚めるパワー!」
サンダースはさっきよりも多量の球体を浮かべ、ドレディアを狙わず、とにかく乱射する。
「この程度の攻撃、いくら撃ち込んだって無意味よ。ドレディア、アクアボルト!」
ドレディアは電気を帯びた水を放つが、サンダースはかなり素早いポケモン。いとも簡単にその攻撃をかわす。
「だったらこれどうかしら? 花弁の舞!」
ドレディアは自分の周囲に無数の花弁を出現させ、それらを回転させながらサンダースへと放つ。
そして、瞬く間にサンダースは無数の花弁に包囲された。
無数の花弁はサンダースを切り刻もうと一斉に襲い掛かるが
「サンダース、ランチェーレ!」
サンダースは針のような鋭い体毛を一瞬で伸ばし、自らを防護する。
「雷だ!」
さらにそこに激しい落雷を落として、花弁を全て吹き飛ばす。
花弁の舞を完全に防いだアキラは、余裕の笑みを浮かべる。
「……いや、まだよ。花弁の舞は継続して放たれる。ドレディア、花弁の舞!」
ドレディアは再度無数の花弁出現させ——
「サンダース、雷!」
——る前に、サンダースが落とした落雷の直撃を受けた。
「ドレディア!」
ドレディの体は水で濡れていたため、より一層電流が通りやすくなっていて、雷がよく効く。
「終わりだ、破壊光線!」
そしてサンダースは、極太の光線を発射してドレディを吹っ飛ばす。
壁に叩きつけられたドレディア見ると、目を閉じて戦闘不能となっていた。
「くっ、こんな——」
マオが敗北に打ち震えていると、プツンと、糸が切れたようにその場に崩れ落ちた。
「!?」
そして倒れたマオの後ろには、ザンバとルナトーン。どうやらルナトーンが催眠術でマオを眠らせたようだ。
「タイムオーバーです。それに、一匹でもやられればバトルは終わりだと、エレクトロ様が仰っていました故……」
ザンバはそう呟きながら、ドレディアをボールに戻し、マオを抱えてルナトーンにしがみつく。
「お、おい!」
「私達はもう撤退します。それでは」
アキラを無視するように、ザンバはルナトーンとともに去っていった。



「君は龍の里——ソウリュウシティで会ったトレーナーだよね?」
少女とも少年とも取れる、変声期を迎えていないような子供の声が、イリスには聞こえた。
この場にいるのは、自分と、目の前のフォレス。乱入してきたムント。それからドラン。
この中に、子供などいない。いないのだが
「ここで会ったが百年目、なんて。まーこの前の続きをやろうよ。君もバトル大好きなんでしょ? なら——」
一拍置いて

「このドランが相手になってあげるよ」

「えぇえええええええええ!?」
イリスは絶叫した。かつてない驚愕に、絶叫した。
ドランはクルリとイリスの方を向き、言う。
「さっきからうるさいなぁ……英雄ちゃんは黙ってて」
「いやいやいや!お前ちょっとキャラ変わりすぎだろ!?」
どうやらこの子供のような声の主は、ドランのようだ。
しかし声は子供でも、見た目は変わらない。真っ黒なローブに身を包み、顔全体をフードで覆って、フードからは長い藍色の髪が垂れ下がっている。ちなみに身長は成人男性並み。
見た目がこんな不気味なのに、こんな声をされれば、ギャップというよりただただ気味悪いだけである。
「お、おい英雄。ドランばっか気にするな。お前の相手は俺だろ」
フォレスはそう言うが、それは『余所見をするな』というよりも、『あいつのことはあまり気にしないでやってくれ』と思って必死で話を逸らそうとしているようだった。
「で、どうするのかな? ドランの相手をする? しない?」
「……出て来い、ネクロシア」
ムントは、返答の代わりにポケモンを出すことでドランに答えを示す。
ムントが繰り出したポケモン、隙間ポケモンのネクロシアは、異形だった。一番上の悪魔のような頭は口に包帯を巻き、真ん中の黒い部分にも顔があり、腕も付いている。一番下にも目があるが、それよりも目を惹くのは鋭き鎌だった。
「ふうん、やっぱやるんだね。そうでなくっちゃ」
ドランも、ワラガシラに構えさせる。
「それじゃあ、プラズマ団の境界を、刻もうか」



今回は前半がアキラとマオのバトル。アキラはエースサンダースでドレディアを倒します。まあドレディアは連戦でしたし、しょうがないですか。そういえば関係ないですが、サンダースって変換するとたまに『三ダース』になるんですよね。鉛筆じゃあるまいし……まあ、炭素はよく電気を通しますが。後半は解放したドランの性格が明らかに。いやあ、凄いギャップですね、これ。もう僕、自分でこのキャラ作っておきながら、ドランが何かというのが分かんなくなってきました。でもドランは見た目が不気味なので、もはや恐ろしいキャラになっています。では次回からはムント対ドランのバトルも入りますので、お楽しみに。