二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 319章 鹵獲 ( No.378 )
- 日時: 2011/10/23 23:15
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「ドルマイン、磁力線!」
「シャンデラ、サイコキネシス!」
ドルマインは強力な磁力の波でシャンデラを攻撃しようとするが、シャンデラは念動力でその波を相殺する。
「シャドーボム!」
「マインブラスト!」
シャンデラは黒い影の爆弾を発射するも、ドルマインが地雷のような爆発を起こしてその爆弾を破壊する。
「ドルマイン、十万ボルト!」
ドルマインは強力な電撃を放ち、シャンデラを攻撃。
「くっ、シャンデラ、大文字!」
シャンデラは大の字の巨大な炎を放ち、ドルマインを焼き尽くす。
だがそれでも、エレクトロのドルマインは倒れない。
「私のドルマインを甘く見てもらっては困りますよ。岩転がり!」
ドルマインは床に対して高速回転し、シャンデラへと向かって行く。
「シャンデラ、スタープリズム!」
シャンデラは冷気が詰まったガラス球を無数に降り注いでドルマインを攻撃するが、ドルマインは停止せず、シャンデラに激突する。
「もう一度です!」
ドルマインはそのまま折り返し、シャンデラに背後からもう一撃入れる。
「くぅ、シャンデラ、サイコキネシス!」
シャンデラは辺りにいくつもあるクロスが掛かったテーブルと椅子を念動力浮かべ、ドルマインに叩きつける。
「おやおや、物は大事に扱うべきですよ。ドルマイン!」
テーブルや椅子の下敷きになったドルマインだが、それらを跳ね飛ばして岩転がりを継続させる。
「シャンデラ、シャドーボム!」
シャンデラは影の爆弾をいくつもドルマインに放つが、ドルマインは止まらない。
「サイコキネシス!」
今度は直接念動力でドルマインを操作しようとするが、これもダメだ。ドルマインはすぐに念動力から脱し、シャンデラに突っ込む。
リオのシャンデラは相当強いが、しかし無尽蔵の体力があるわけではない。いつかは力尽きるのだ。
「ぐぅ……シャンデラ、大文字!」
シャンデラは折り返してくるドルマインに、大の字の巨大な炎を浴びせる。
するとやっとこそドルマンは止まった。
「ふふ、しかし私のドルマインは、止まっただけで行動を止めたわけではありません。ドルマイン、磁力線!」
「シャンデラ、サイコキネシス!」
ドルマインの磁力線を、シャンデラはサイコキネシスで操作し、逆にドルマインに当てる。
「スタープリズム!」
さらにこれ息が詰まったガラス球を無数に降り注ぎ、追撃。ドルマインの体力も減ってきた。
「そろそろ決めるよ、シャンデラ。大文字!」
「ドルマイン、迎え撃ちなさい。十万ボルト!」
シャンデラの業火と、ドルマインの電撃がぶつかり合い、火花を散らす。散った炎や雷が部屋のあちこちに飛び、テーブルや椅子を木っ端微塵に粉砕し、壁や床には大きな亀裂が入る。
そしていずれ、双方の技は混じり合い、爆発を起こす。
爆風とともに、二人の視界は煙で覆われていた。
「シャンデラ!」
煙が晴れると、シャンデラは倒れていた。いや、戦闘不能ではないようだが、数字で表せば残りHPは1以下の小数点だろう。もう戦闘不能と変わらない状態だ。
「……よくやりましたよ、ドルマイン」
だがドルマインは、完全に倒れていた。つまりこのバトルは、辛くもリオの勝利なのだが
「言い訳に聞こえるかもしれませんが、私とドルマインはまだ8割の力しか出していません。なので実質私の勝ちのようなもの……ふむ、この言葉はどうも小物に聞こえますね。では、こう言いましょう。私も貴方もまだ全てのポケモンは使っていない。なので次は、持てる力の全てを発揮して、戦いましょう」
エレクトロはドルマインをボールに戻すと。踵を返して去っていった。
この勝負、確かにリオの勝ちなのだが、総合的に見れば引き分けのようなものだろう。
リオは釈然としないまま、シャンデラらをボールに戻し、皆と合流することとした。
「フレイ殿!」
ザキとレイ、シルラとサーシャが戦う中、ハンゾウは音もなくその部屋に現れた。
二人はバトル中で、気付かない。
「あー、ハンゾウだー。来てくれたんだねー」
フレイは床を這いながら、ハンゾウに抱えてもらう。
「実は今すっげーピンチなんだー。レイは解放しちゃうしさー。あとでフォレスに怒られちゃうよー……」
「フレイ殿、自分の心配も必要ですが、現状は」
しゅんとするフレイはひとまず置いておき、ハンゾウはフレイにそう尋ねる。
「見ての通りだよー。本当はあたしも英雄のお弟子ちゃんとバトりたかったんだけどー、あのシスコン君がしっかり守ってて、近づけないよー」
フレイはレイと交戦中のザキを指差して言う。
「……でもあのシスコン君、妹ちゃんを助けるのに必死で妹ちゃんのポケモンのことなんて全然考えてないんだよねー」
フレイは浴衣の袖から三つ、もう片方の袖から三つ。合計六つのモンスターボールを取り出した。
「これが妹ちゃんのボールなんだけど、どうしよっかー?」
「……とりあえず、それが英雄の弟子の総力ならば、こちらがそれを鹵獲するのが得策かと」
「まあそうなんだけどさー」
フレイは間延びした口調で言う。
「なーんかそういうのって忍びないよねー……あ、でもハンゾウは忍者、忍だったねー」
そんなギャグを求めるハンゾウではなかったのだが、フレイは何が面白いのか、笑った。
「あたし個人としては返してもいいんだけどー、でも困らせたいって気もするしー……どうしよっかなー……こうしよっかなー?」
フレイは六つのボールのうち一つを適当に選び、懐に収め、残りはその場に落とした。
「んじゃ、この一体はあたし達が自由に使って、残りは妹ちゃんに返却しよっかー。これで向こうもあたし達からポケモンを取り戻すために、敵対せざるを得ないー。そんじゃ、あたしはやることやったし、ハンゾウ、適当にどっか連れてってー」
「……承知」
ハンゾウはフレイを抱え、音もなく消えた。
次回からはムント対ドランが〜とか言っておきながら、今回は前半にリオ対エレクトロのバトルです。ドルマインに苦戦するリオとシャンデラでしたが、なんとか勝利——引き分けまで持ち込みました。後半は一人残されたフレイの下に、ハンゾウが来ます。フレイはミキのポケモン六体のうち五体は返却(と言ってもその場に落としただけ)しますが、一体だけ鹵獲します。さて、この一体はなんなのか、それはいずれ明らかに。では、次回もお楽しみに。