二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 320章 瞑想 ( No.379 )
- 日時: 2011/10/24 21:17
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
イリス対フォレスのバトル。
イリスはソンブラのコモラゴンとのバトルで消耗しているズルズキンをボールに戻し、次のボールを構える。
「相手はコクジャク、だったらこのポケモンだ。出て来い、メタゲラス!」
イリスが繰り出すのは、鋼と地面タイプを持つメタゲラス。
フォレスのコクジャクは電磁波を使うのでその対策と、鋼タイプで飛行、エスパー技を半減できる。さらにメタゲラスは岩と悪タイプの技を覚えているので、攻防ともにかなり有利だ。
「行くぞメタゲラス、ストーンエッジ!」
メタゲラスは鋭く尖った岩を無数に浮かべ、コクジャクに向けて一斉に飛ばす。
「コクジャク、吹き飛ばせ!サイコバーン!」
コクジャクは翼を大きく振り、念動力の爆発を起こして襲い掛かる尖った岩を全て粉砕する。
「エアスラッシュ!」
さらにもう一度翼を振り、今度は空気の刃を飛ばしてメタゲラスを切り裂く。
だが効果いまひとつなので、ダメージはあまりない。
「メタゲラス、グラビティコア!」
メタゲラスは頭上に超重力の黒い球体を作り出し、それをコクジャクに振り落とすようにして放つ。
「でかいな……これはかわせないか。コクジャク、瞑想!」
フォレスは球体の大きさを見てかわせないと判断すると、コクジャクに瞑想を指示する。
瞑想は名前通り精神を統一し、気持ちを落ち着かせて特殊能力を高める技だ。それによって上がった特防で、コクジャクはグラビティコアを耐え切った。
「エアスラッシュだ!」
そしてすぐさま空気の刃を飛ばし、反撃に出る。
「ストーンエッジ!」
「サイコバーンで吹き飛ばせ!」
メタゲラスも負けじと鋭き岩を発射するが、コクジャクが放つ念動力の爆発による衝撃波でその岩を粉砕していく。
「ストーンエッジは通らないか……空中にいたんじゃアイアンヘッドも届かないし、大地の怒りも効果がない。だったらメタゲラス、グラビティコア!」
メタゲラスは超重力の球体を頭上に浮かべ、コクジャクを押し潰すように放つ。
「瞑想!」
だがコクジャクは精神を統一し、その圧倒的な重力を耐え切る。
「エアスラッシュ!」
そしてそこから空気の刃を飛ばし、メタゲラスを切り裂いて反撃。その威力は、初回よりも大きくなっている。
「瞑想で上がるのは特防だけじゃない、特攻もだ。だからお前は攻撃するたびにその攻撃で与えるダメージは減り、俺のコクジャクがお前のポケモンに与えるダメージは増えていく。コクジャク、エアスラッシュ!」
コクジャクは再度空気の刃を飛ばし、メタゲラスを切り裂く。
タイプ相性がいいと読んで出したメタゲラスだが、イリスはポケモン自体の相性をちゃんと考えていなかった。
なにはともあれ、このバトル、イリスは苦戦する事だろう。
「行きなさい、ヴォーナ(Вона)」
サーシャが繰り出したのは、ヴォーナこと沼魚ポケモンのラグラージだ。
ヴォーナはシルラと、そのポケモンであるデンチュラを睨み付ける。
「水に地面かぁ……草タイプの技があればよかったんだけどね」
シルラは表情そのままで、そう呟く。
「ま、でも、そんなこと言っても始まらないし……デンチュラ、アクアボルト!」
デンチュラは口から電気を帯びた水を放つ。
「ヴォーナ、波乗り!」
だがヴォーナはその水に対し、より大きな大波を引き起こしてアクアボルトもろともデンチュラを押し流す。
ちなみに部屋は相当広いので、レイへの被害はゼロだ。まあ、意図的にそうしているのかもしれないが。
「やるねぇ……デンチュラ、虫のさざめき!」
デンチュラは体を小刻みに震わせ、振動を起こす。その振動は次第に大きく増幅されていき、ヴォーナに届く頃には相当な破壊力を持っていた。
「くっ、ですがこの程度では私のヴォーナは倒れませんよ。冷凍ビーム!」
ヴォーナはすぐさま体勢を立て直し、口から凍てつく氷の光線を発射する。
「かわしてアクアボルト!」
デンチュラは直線で襲ってくる氷の光線を回避し、ヴォーナに電気を帯びた水を振り掛ける。
「逃がしませんよ、波乗り!」
ヴォーナは再度大きな波を起こし、デンチュラを押し流そうとするが
「デンチュラ、雷!」
デンチュラは超高電圧の落雷を大波にぶつけ、波を四散させる。
「ヴォーナ、もう一度波乗り!」
だが一度相殺されたくらいでは、ヴォーナは諦めない。ヴォーナはまたも大波を起こし、デンチュラを押し流す。
「あの波乗りは厄介だなぁ……よし、ならこれだ。デンチュラ、金縛り!」
デンチュラはヴォーナをジッと見据える。するとヴォーナは大波を起こした後の残心の姿勢で固まってしまい、数秒間体が動かなくなる。
だがそれも、数秒だ。しかもその間、デンチュラはヴォーナを見据えていただけ。
だが
「今のは……!」
「うん、今のは金縛り。あなたなら分かるよね? 金縛りは相手が直前に出した技を封じる技。これでそのラグラージは、もう波乗りが使えない」
そして、デンチュラは動いた。
「デンチュラ、アクアボルト!」
「くっ、ヴォーナ、かわして怪力!」
ヴォーナは降り掛かる電気を帯びた水をかわすと、拳を握り、デンチュラを殴り飛ばす。
力任せの攻撃だ。
「さらに瓦割り!」
そしてヴォーナはそのままデンチュラに接近し、手刀を振り下ろす。効果はいまひとつだが、追撃には十分だ。
しかしそれは、攻撃としては成功でも、行為としては失敗だった。
「デンチュラ、虫のさざめき!」
デンチュラは手刀を叩き込まれた状態で、体を小刻みに振動させ、増幅される。
それは瞬く間の事で、ヴォーナは吹っ飛ばされた。
「っ、ヴォーナ!」
壁に叩きつけられたヴォーナを見ると、戦闘不能。
虫のさざめきは振動を増幅させ、空気を伝って相手に攻撃する技だ。しかしこの場合、ヴォーナとデンチュラは触れ合っていて、振動が、増幅された衝撃がダイレクトにヴォーナに伝わったため、その威力はかなり増大された。
「……うん。なんか、感覚が戻ってきた気がするな……」
ふと、シルラはそう呟いた。
今回は前半にイリス対フォレスです。イリスはまさかのポケモンのチョイスミスで、フォレスのコクジャクに苦しめられます。後半はずっと先延ばしにしていたシルラとサーシャのバトルです。イリスもシルラと同じくデンチュラを所持してはいますが、戦い方は異なります。まあ、そのうち出るでしょう。では次回はムント対ドラン、ザキ対レイのバトルとする予定です。まあ、変更は十分にありえますが。というわけで、次回もお楽しみに。