二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 321章 土遁 ( No.380 )
日時: 2011/10/24 22:47
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

ムント対ドランのバトル。
ドランは手っ取り早く、一対一のバトルを提案。そしてそれにムントも乗り、二人は一対一のシングルバトルを行っている。
「ワラガシラ、炎のパンチ!」
「ネクロシア、かわして辻斬り!」
ワラガシラは拳に炎を灯してネクロシアに殴り掛かるが、ネクロシアはその拳を難なくかわし、下半身の鋭き鎌でワラガシラを切り裂く。
「おっと? その鎌、随分と鋭いねぇ」
ドランは解放して子供のような口調で言う。
「でも残念。ドランのワラガシラは防御を重点的に育ててるから、いくら効果抜群で、急所を切り裂いたとしても、そう簡単にはやられないよ」
ドランの言う通り、ワラガシラは悪技である辻斬りを喰らっても平然としており、反撃の構えを取っていた。
「ワラガシラ、シャドークロー!」
ワラガシラは掌にある三つの黄色い点からそれぞれ棘のような影の爪を生やし、ネクロシアに襲い掛かる。
「ネクロシア、シャドークローで受け止めろ!」
ネクロシアは突くようなシャドークローを、同じく両手に影の爪を作り出し、絡め取る。
「アイスブレード!」
そしてその状態で下半身の鎌を氷結させ、一回転するようにしてワラガシラを切り裂く。
「さっすが歪な隙間ポケモン、動きも歪だねぇ……ワラガシラ、炎のパンチ!」
ドランは焦った様子は微塵も感じられない軽い口調でそう言い、ワラガシラは拳に炎を灯してネクロシアを殴り飛ばす。
「ギガスパーク!」
そこに、ワラガシラは巨大な電撃の球を作り出し、ネクロシアに向けて放つ。
「ぐぅ……!」
ネクロシアはその球体の直撃を喰らい、大ダメージだ。
「ネクロシア、反撃だ!シャドークロー!」
ネクロシアはすぐさま両手に影の爪を作り、ワラガシラに接近して藁のような体を引き裂く。
「ワラガシラ、ニードルアーム!」
ワラガシラは両腕に無数の棘を生やして、ネクロシアに叩きつけようとするが
「クロスチョップ!」
ネクロシアは手刀を交差させ、素早く振り下ろしてワラガシラの両腕を弾く。
「辻斬りだ!」
そして先のアイスブレードと同じようにその場で宙返り、もしくは側転のように一回転し、ワラガシラを切り裂く。
「うーん……流石にそろそろきついかな……それにしてもあのネクロシア、半端ないなぁ……」
ドランは愚痴るように言う。
「まあでも、なかなか楽しめるし、ドラン的にはいいかな。……っと、ワラガシラ、ニードルアーム!」
ドランはやや慌ててバトルを再開。ワラガシラは棘をびっしりと生やした腕でネクロシアに襲い掛かるが、やはり弾かれてしまった。
「……龍の香りがするなぁ……」
ボソリと、誰にも聞こえないような声で、ドランは呟いた。



「……使用ポケモンは三体。一対一を三セットマッチで、先に二勝した方が総合的に勝利、というのはどうでしょうか?」
レイはザキとバトルをする際に、そうバトル方式を提案してきた。
「いいぜ、なんでも。俺は今世紀最大にイラついてるんだ。それが紛れるなら、なんでもいい」
そう言いながら、二人はボールを構える。
「お出でなさい、テッカニン!」
「行ってこい、ヘルガー!」
レイが繰り出すのは、蝉のような姿の忍ポケモン、テッカニン。
ザキが繰り出すのは、狼のような姿のダークポケモン、ヘルガー。
「ヘルガー、ダークロアー!」
先に動いたのは、ヘルガーだ。
ヘルガーは雄叫びをあげ、闇の咆哮を放つ。
「テッカニン、影分身」
しかしヘルガーの咆哮は、テッカニンには届かない。テッカニンは無数の分身を作り出すことで、咆哮を回避した。
「燕返し!」
そして無数のテッカニンは一斉にヘルガーへと突っ込み、薄い翅で黒い体を切り裂く。
「連続斬り!」
さらに両手の爪を構え、文字通り連続でヘルガーを切り裂く。いや、分身の攻撃はノーダメージだが。
「ちっ、ヘルガー、アイアンテールだ!」
ヘルガーは鋼鉄のように硬化させた尻尾を振り回し、時間差をつけて突っ込んでくるテッカニン(とその分身)を攻撃しようとするが、これが当たらない。
「特性、加速でテッカニンの素早さはじきに光速を超えます。そうなれば、あなた程度では絶対に捉ええられませんよ」
「うるせえ。ヘルガー、煉獄!」
ヘルガーは燃え滾る地獄の業火を放つが、命中率が低い技だ、テッカニンには当たらない。
「だったらこれでどうだ!ヘルガー、飛び上がって煉獄!」
ヘルガーは一息で天井付近まで跳躍すると、地面(床)に向けて地獄の業火を放つ。
床や家具が燃えるのと同じく、テッカニンの分身も炎で焼かれ、消えていく。これだけ広範囲の攻撃だ、きっと本物も焼け焦げているだろう。
と、ザキは思っていたが、しかし

床から本物のテッカニンが飛び出し、ヘルガーを攻撃する。

「!? ヘルガー!」
ヘルガーはその予想だにしない一撃で大きく吹っ飛ばされるが、ギリギリ戦闘不能ではない。
「今のは穴を掘る……いや、違う」
穴を掘るにしては、地中にいる時間が短かった。だからこの技は
「テッカニン、潜る!」
テッカニンは素早く床に穴を開けながら潜り、ヘルガーの視界から姿を消す。
「やっぱり潜るか……ヘルガー、攻撃が来たら雷の牙だ」
ザキはヘルガーに指示を出し、牙に電流を流して構えさせる。そして
「今だ、ヘルガー!」
ヘルガーは素早く振り向き、背後から現れたテッカニンを雷の牙で噛み付く。テッカニンは防御力が低いので、この攻撃で戦闘不能なってもおかしくない。

そう、それが本物だったなら。

「残念でしたね。テッカニン!」
ヘルガーが攻撃したのは、影分身で作り出した偽者。
本物のテッカニンは振り向いたヘルガーの背後から現れ、ヘルガーに爪の一撃を叩き込む。
「ヘルガー!」
そしてヘルガーは、戦闘不能となった。



今回は前半にムントとドランのバトル。いやあ、解放したドランって、書きやすいですね。まあそれは置いてといて、今のところは若干ドランが苦戦中、ですがそれでも一進一退、ほぼ互角ですね。後半はザキとレイのバトル。一応、この章の山場はこの二人のバトルです。ちなみにテッカニンが使用している技、潜るは、地面タイプ技で、穴を掘るとは違います。1ターン待ったりはせず攻撃し、素早さを下げたりする効果があります。では、次回はイリスとフォレス、シルラとサーシャのバトルを予定しております。次回もお楽しみに。