二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 328章 単純 ( No.397 )
- 日時: 2011/10/26 23:43
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「出て来い、メタゲラス!」
イリスの二番手はメタゲラス。鋼タイプだから炎に弱いが、地面タイプも併せ持っているので攻撃面では有利だ。
「メタゲラス、ストーンエッジ!」
先に動いたのはメタゲラス。
メタゲラスは鋭く尖った岩を無数に浮かべ、ホムロソクへと一斉に放つ。
「ホムロソク、神通力で全部粉砕だ!」
ホムロソクは神々しい念動力で飛来する岩を全て砕き散らす。
「だったらこれだ、グラビティコア!」
メタゲラスは超重力の黒い球体を頭上に作り出し、ホムロソクへと振り下ろすように放つ。
「やっべ……ホムロソク、かわせ!」
ホムロソクは素早い動きでその球体をかわそうとするが、グラビティコアは重力の塊、周囲の重力は狂い、ホムロソクは上手く動けない。
「くっ、ホムロソク!」
最終的にホムロソクは超重力の球に押し潰され、戦闘不能となった。
「戻れ、ホムロソク」
オーバはホムロソクをボールに戻し、次のボールを構える。
「ホムロソクは燃え尽きちまったが、次のポケモンはそう簡単にはやられねえ。轟々と燃え盛ってやるぜ。出て来い、サムラダケ!」
オーバの二番手は、赤い頭と青い体の人型のキノコのようなポケモンで、先端にキノコが付いた刀を携えている。
キノコポケモン、サムラダケ。草・炎という珍しい混合タイプのポケモンだ。
「サムラダケ、まずは成長!」
サムラダケは全身の細胞を活性化させ、成長して攻撃能力を高める。
「成長か、積まれると厄介だな……メタゲラス、速攻で決めるぞ。アイアンヘッド!」
メタゲラスは鋼鉄の頭を突き出し、サムラダケに突進する。
「サムラダケ、成長!」
しかしサムラダケは特に構えもせず、成長して、突っ込んでくるメタゲラスなど見向きもしない。
「舐められてんのか……? まあ、いいや。行け、メタゲラス!」
メタゲラスは思い切りサムラダケに突進する。サムラダケは決して重量級ではないので、吹っ飛ばされるかと思ったが案外そうでもなく、メタゲラスのアイアンヘッドを押し止めた。
「さあ、初っ端から飛ばすぜ!オーバーヒート!」
サムラダケは全身から激しい火炎を放ち、メタゲラスを覆うように焼き燃やしていく。
「やばい……メタゲラス、大地の怒りだ!」
メタゲラス炎に焼かれながらも地面を踏み鳴らし、土砂を噴出して炎を消火。ついでにサムラダケも攻撃する。
「くっ、まさかこんな序盤からオーバーヒートを使ってくるなんて……」
オーバーヒートは炎タイプの技で一位二位を争うほどの威力だが、反動で自らの特攻が下がってしまう。なのでさっきのホムロソクのように、後半の止めの時や、絶体絶命のピンチの時に使うのが定石で、サムラダケのように序盤から使ってくることは珍しいのだ。
「なーに言ってんだ。俺が何のためにサムラダケに指示を出したと思ってんだよ。ほら行くぞ、サムラダケ、成長」
サムラダケは細胞を活性化させ、成長する。
「成長……。……!」
イリスはそこで気付く。
成長は自らの攻撃、特攻を強化する基本的な補助技で、オーバとサムラダケの作戦も、至極単純だった。
「成長で威力を高め、大技をぶっ放す。または大技をぶっ放して下がった能力を、成長で元に戻す。それが俺とサムラダケの戦術さ」
オーバはな何と言う事無く言った。
単純だが、それ故に扱いやすく、強力なコンボ技だ。
「まあつっても、大技ばっかじゃないぜ。サムラダケ、リーフブレード!」
サムラダケはメタゲラスに接近すると、刀を振るってメタゲラスを切り裂く。成長で攻撃力も上がっているため、結構な威力だ。
「くぅ、メタゲラス、アイアンヘッド!」
メタゲラスは角で突き上げるように頭を振るい、サムラダケを吹っ飛ばす。
「ストーンエッジ!」
さらに鋭く尖った岩を発射。サムラダケに追撃する。
「サムラダケ、こっちも行くぞ!瓦割り!」
サムラダケは落下のスピードも合わせ、メタゲラスの額(っぽい部位)に手刀を叩き込む。これは効果抜群なので、リーフブレードよりもダメージが大きい。
「メタゲラス、まだ行けるか?」
メタゲラスは体のあちこちに傷や焼け焦げた痕があるが、力強く頷く。
「よし……メタゲラス、アイアンヘッド!」
メタゲラスは、今度は正面に突き飛ばすよう頭を突き出し、サムラダケを吹っ飛ばす。
「グラビティコア!」
そこに超重力の黒い球体をぶつけ、サムラダケを押し潰す。
「くっ、なかなかの猛攻だが、サムラダケ、オーバーヒート!」
サムラダケは激しい膨大な炎を放つ。
「その技はもう見切りましたよ。メタゲラス、大地の怒り!」
メタゲラスは地面を踏み鳴らし、土砂を噴射する。
炎はその土砂を掛けられ、消えていく。
「アイアンヘッド!」
炎の勢いが弱くなった所に、メタゲラスは鋼鉄の頭を突き出して突進。
「サムラダケ、瓦割りだ!」
サムラダケは威力を相殺しようとしたのか、手刀を繰り出すが、メタゲラスの勢いは思いの外強く、サムラダケは吹っ飛ばされこそしなかったものの、威力を相殺しきれず数歩後ろによろめく。
「もう一度アイアンヘッド!」
「させるか、リーフブレード!」
メタゲラスは再度突き飛ばすように角を突き出そうとするが、それより早くサムラダケが刀をメタゲラスに突き刺し、押し止める。
だが、それでもイリスとメタゲラスは諦めない。
「メタゲラス、大地の怒り!」
メタゲラスは大地を鳴動させるほど強く地面を踏み鳴らし、土砂を噴出する。勢いよく噴き出した土砂はサムラダケをふっ飛ばし、数秒の滞空後、サムラダケは地面に落ちる。
「サムラダケ!」
落下したサムラダケを見れば、目を回して戦闘不能。そして
「メタゲラス……よくやった」
メタゲラスも大地の怒りの反動を受け、戦闘不能になった。
イリス対オーバのバトル、その二です。今回登場したのはサムラダケ。いや、武器を持ってるポケモンっていいですよね。エルレイドとか、ダイケンキとか、リーティンとか。こういうポケモンって、攻撃に武器を使うことが多いから、描写が楽なんですよね。ああ、リーテイルにも攻撃用の葉っぱがあったらな……まあ、愚痴るのはこの辺にしておきますか。次回もイリスとオーバのバトルです、お楽しみに。