二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 329章 吉凶 ( No.398 )
- 日時: 2011/10/27 19:34
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
イリスとオーバはそれぞれ戦闘不能となったポケモンをボールに戻し、新たなボールを構える。
「次は静かに燃えるぜ、コーシャン!」
「行くぞ、ディザソル!」
オーバが繰り出すのは、紫色の猫のようなポケモン、吉凶ポケモンのコーシャンだ。
イリスが繰り出すのは、コーシャンと同じ悪タイプを持つディザソル。
「コーシャン、まずは瞑想だ」
コーシャンは目を瞑って精神を統一し、特殊能力を高める。
「サムラダケみたいにオーバーヒートを連発するのか……? だったら厄介だな、早めに決めよう。ディザソル、メガホーン!」
ディザソルは二枚の刃を角のように突き出し、コーシャンに突っ込む。
「コーシャン、かわしてスピンテールだ!」
コーシャンは跳躍してデザソルの一撃をかわし、回転を掛けた尻尾を叩きつける。
「辻斬り!」
さらにそのまま落下するように鋭い爪でディザソルの胴体を切り裂く。
「くっ、ディザソル、ツヴァイテール!」
ディザソルは刃のような尻尾を振るい、コーシャンを切り裂くように攻撃。
「辻斬りだ!」
そしてディザソルはコーシャンが怯んだ隙に素早く方向転換、コーシャンの脇をすり抜けつつその体を切り裂く。
「コーシャン、一旦退いて瞑想」
コーシャンは下手に反撃せず、ディザソルから距離を取って瞑想する。
「ディザソル、怒りの炎!」
ディザソルは怒り狂ったような炎を出現させ、コーシャンへと放つ。
「コーシャン、突っ切れ!スピンテール!」
コーシャンは炎タイプなので、炎技である怒りの炎にも物怖じせず突っ込み、勢いのまま突っ切る。
そして体を捻って回転力をつけた尻尾をディザソルに叩き込む。
「ディザソル、突き上げろ!メガホーン!」
ディザソルは滞空中のコーシャンを、漆黒の刃のような二つの角で突き上げる。
「怒りの炎!」
そして怒り狂った炎を放ち、追撃を掛ける。
しかしコーシャンには炎技は効果が薄く、特に大したダメージも受けずに地面へと着地。
「コーシャン、瞑想」
さらにコーシャンは、隙あらば瞑想で特殊能力を上げてくる。
今のところは物理技しか使っていないが、瞑想を覚えているという事はほぼ確実に特殊技も覚えている。ならその技を使う時が来れば、ディザソルは追い詰められることとなるだろう。
「なら、やっぱり早めに決めないとな……」
だがそう簡単には行かない。
イリスのディザソルは多彩な技を覚えているのだが、炎・悪タイプのコーシャンに有効な技はなく、むしろ威力が半減する技ばかりだ。
まともにダメージを与えられるのはメガホーンくらいなもので、決定打に乏しい。だから早期決着に結びつかない。
「またチョイスをミスったか……ディザソル、辻斬り!」
ディザソルはコーシャンの元まで一気に駆け込み、漆黒の刃を振るって切り裂く。
「コーシャン、こっちも辻斬りだ!」
コーシャンも素早くディザソルの方へと向くと、目にも止まらぬスピードで接近。鋭い爪でディザソルを切り裂く。
(そういえばこのコーシャン、スピンテールで素早さも上がってるんだよな……)
イリスは面倒なことになった、と言わんばかりの表情をする。
「ディザソル、ツヴァイテール!」
ディザソルは刃のような二つの尻尾を硬化させ、コーシャンに飛び掛かる。
「コーシャン、瞑想」
イリスはてっきり、回避行動を起こすと思っていたのだが、コーシャンは瞑想するだけで、動かなかった。
「行け、ディザソル!」
真意はつかめないが、とりあえずディザソルは尻尾による二連撃をコーシャンに叩き込む。
「もう一度ツヴァイテール!」
ディザソルは再度ツヴァイテールを繰り出し、コーシャンを吹っ飛ばす。
「まだまだ行くぞ、メガホーン!」
ディザソルの猛攻は止まらず、ディザソルは漆黒の刃を突き出してコーシャンに突進。
「コーシャン、かわして瞑想」
コーシャンは軽やかな動きでディザソルの攻撃をかわすと、攻撃せずに瞑想する。
(一撃で決めるつもりなのか、それとも他に目的があるのか……何にせよ、早めに決めないと)
「ディザソル、辻斬り!」
ディザソルは素早くコーシャンに接近し、コーシャンを切り裂く。
「コーシャン、スピンテール!」
コーシャンは体を捻り、回転力をつけた尻尾をディザソルに叩きつけて反撃。
「もう一度だ!」
コーシャンは今度は逆回転で体を捻り、再度尻尾を叩き込み、その反動で空中に飛ぶ。
「ディザソル、逃がすな!辻斬り!」
ディザソルはコーシャンを逃がすまいと、跳躍して漆黒の刃を突き出し、コーシャンに斬りかかる。
しかし
「コーシャン、オーバーヒート!」
コーシャンは全身から激しく燃え盛る業火を放つ。
「ついに来たか……!」
コーシャンはバトルが始まってから、合計五回もの瞑想で特殊攻撃力は相当上昇している。なので炎の威力も範囲も勢いも、ホムロソクやサムラダケとは比較にならないほど高く広く、そして強い。
「ディザソル、かわせ!」
だがそれでもディザソルはその業火の回避を試みるが、業火はフィールド全体を覆いつくしてしまい、ディザソルは抵抗虚しく焼かれていく。
「ディザソル!」
業火が消えると、そこには焦土と化したフィールド、そして焼け焦げ倒れたディザソルの姿があった。
今回はイリス対オーバのバトル、その三です。オーバの三体目はコーシャンで、瞑想をしまくってオーバーヒートで止めを刺しに来ました。ホムロソク、サムラダケと来てコーシャンもオーバーヒートを習得していれば、当然次に使うポケモンが覚えている技の一つくらいは思いつくはずです。別に引っ掛けなどではないので、ご安心を。まあ僕がオーバーヒートに固執する理由は、オーバの事を少し深く知っている人なら分かりますか。気が向けばそのうちあとがきで書くとします。では次回はイリス対オーバ、第四バトル。なんだかあっと言う間に過ぎている気がしますね。次回もお楽しみに。