二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 330章 滑空 ( No.399 )
- 日時: 2011/10/27 21:42
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「出て来い、エルレイド!」
イリスは戦闘不能となったディザソルをボールに戻すと、次に格闘タイプを持つエルレイドを繰り出した。
「エルレイド、リーフブレード!」
エルレイドは草木の力を刃に宿し、コーシャンに斬り掛かる。
「コーシャン、かわして辻斬りだ!」
コーシャンはエルレイドの一閃を跳躍してかわすと、鋭い爪を構え、エルレイドに襲い掛かる。
だが
「エルレイド、ドレインパンチ!」
エルレイドはコーシャンに切り裂かれながらも、淡い光を纏った拳でコーシャンを殴り飛ばす。
「コーシャン!」
吹っ飛ばされたコーシャンは、効果抜群の攻撃にディザソルから受けた傷もあって、戦闘不能となった。
「戻れ、コーシャン」
オーバはコーシャンをボールに戻す。
「さあて、次はこのポケモン、散らすぜ火の粉、ヒササビ!」
オーバが繰り出したのは、火ネズミポケモンのヒササビ。燃える炎のような体色を持つ、モモンガのようなポケモンだ。
「ヒササビ、滑空!」
ヒササビは大きく跳躍すると、足と手の間にある膜を広げ、文字通り大空を滑空する。
空中を滑るように動くヒササビは、エルレイドに横から突撃して攻撃する。
「くっ、エルレイド、アイスブレード!」
エルレイドは両肘の刃を氷結させ、ヒササビに斬り掛かる。しかしヒササビには当たらない。
「無闇に振り回しても当たんないぜ、アイアンテール!」
ヒササビは滑空しながらエルレイドに接近し、硬化させた尻尾を叩きつける。
「アイスブレード!」
エルレイドはカウンターに氷結した刃を振るが、ヒササビの尻尾を少し掠めただけに終わった。
「ヒササビ、ドラゴンダイブだ!」
ヒササビはエルレイドから距離を取り、全身に凄まじい殺気を纏って龍の如き勢いでエルレイドに突っ込む。
エルレイドはその突撃を真正面から喰らってしまい、吹っ飛ばされる。
「エルレイド、立ち直せ!サイコカッター!」
エルレイドは素早く立ち上がると、刃に念動力を纏わせ、一閃して飛ばす。
だがその斬撃も、ヒササビには当たらない。
「あの滑空が厄介だな……!」
ヒササビは空中を滑るように移動している。この移動は独特なもので、イリスは今までに見たことがなく、だからこそどう対応すればいいのかが分からない。
「でも、とりあえずは攻撃するしかないよな。エルレイド、もう一度サイコカッター!」
エルレイドは刃に纏わせた念動力を、一閃、いや何度も二閃三閃して無数に飛ばす。
すると下手な鉄砲もなんとやら、無数に飛ばした刃のうち数発が、ヒササビを切り裂いた。
「よし、そのまま行くぞ!アイスブレード!」
エルレイドは切り裂かれて怯んだヒササビに急接近し、氷結させた刃で切り裂く。
「ヒササビ、アイアンテール!」
ヒササビは鋼鉄の如く硬化させた尻尾を振り、エルレイドを攻撃。
「オーバーヒートだ!」
さらに過剰な熱量により発生した激しい火炎を放出し、エルレイドの体を焼いていく。
「くぅ、エルレイド、退け!」
エルレイドは指示通り、激しい炎に焼き尽くされる前に、炎から脱する。
「逃がさないぜ、ドラゴンダイブ!」
ヒササビは自分で発生させた炎を突っ切り、凄まじい殺気を発しながらエルレイドへと突進。
「エルレイド、迎え撃て!ドレインパンチ!」
エルレイドは拳を淡く発光させ、突っ込んでくるヒササビにタイミングを合わせて突き出す。
だが結果、ヒササビの方がパワーは上だった。元々の攻撃力はエルレイドの方が上だろうが、技の威力や相性も合わせるとエルレイドはヒササビに負けてしまう。
「どんどん行くぜ、オーバーヒート!」
ヒササビはさっきよりも威力が大分減衰しているが、強大な炎を放つ。
「エルレイド、突っ切ってサイコカッター!」
ヒササビは最後の一撃や、能力増加での連発などは狙っていないらしく、二発目のオーバーヒートはエルレイドでも突っ切れるほどだった。
エルレイドは炎の壁を突き破ると、念動力を纏った刃でヒササビを切り裂く。
「追加だ、アイスブレード!」
「弾き返せ、アイアンテール!」
エルレイドは追撃にと氷結させた刃でヒササビにと斬り掛かるが、ヒササビは鋼鉄のように硬化させた尻尾を振るい、エルレイドの刃を弾く。
「オーバーヒート!」
そして最初よりも大分威力が弱まった火炎を放つ。しかしそこ腐っても炎タイプの大技、威力が四分の一になったもののエルレイド一体を包み込むことくらいはできた。
そしてその隙に、ヒササビはエルレイドから距離を取る。
「くっ、逃がしませんよ。エルレイド、サイコカッター!」
「ヒササビ、かわしてオーバーヒート!」
ヒササビはエルレイドが飛ばした念動力の刃を滑空でかわし、もはや火の粉のような炎を口から発射して攻撃する。
「もう一発、オーバーヒート!」
「エルレイド、リーフブレード!」
ヒササビが放つ火の粉にもならないような炎(いやもう火だ)を、エルレイドは草木の力を宿した刃で斬る。
「エルレイド、サイコカッター!」
「ヒササビ、ドラゴンダイブ!」
エルレイドは刃に念動力を纏わせて斬り掛かり、ヒササビは凄まじい殺気を発しながら勢いよくエルレイドへと突っ込む。
両者が激突し、互いにせめぎ合う。
しばらく膠着状態が続くと、次第に体力のあるエルレイドが押し始めた。
ヒササビは必死で抵抗するが、エルレイドには敵わない。
最終的に、エルレイドは右の刃でヒササビの突撃の威力を打ち消し、左の刃を一閃して切り裂き、ヒササビを地面に落とす。
戦闘不能だ。
「よくやったヒササビ、戻れ」
オーバはヒササビを戻し、最後のボールを手に取る。
「こいつで最後か……さあ、最高に燃えるぜ、ベタデーム!」
オーバの最後のポケモンは、統御ポケモンのベタデーム。
直方体に近い体つき、上部は黒で他は赤色という体色、そして水・炎というこれまた珍しい混合タイプを持つポケモンだ。
「エルレイド、たぶんあのポケモンは強敵だ、気合入れていくぞ……サイコカッター!」
エルレイドは念動力を刃に纏わせ、一閃してその刃を飛ばす。
そして
「ベタデーム、ダイヤブラスト!」
ベタデームは宝石のように輝く光線を発射し、サイコカッターを粉砕、エルレイドを吹き飛ばした。
「っ、エルレイド!」
吹っ飛ばされたエルレイドは、完全に目を回していて戦闘不能だ。
「先に言っておくと、このベタデームを甘く見てると火傷するぜ」
オーバは言う。
「こいつは俺の手持ちの中で、最も攻撃能力が高いからな」
イリス対オーバ、第四バトルです。エルレイドはコーシャンを速攻で下し、相性で劣るヒササビをも倒しました。ヒササビはたぶん、オーバの手持ちの中で一番多くオーバーヒートを使っています。ちなみに、オーバは炎技のオーバーヒートが自分の名前と似ているから炎タイプ使いになったそうです。僕がオーバーヒートに固執するのもそのためですね。さて、次回は熱血アフロことオーバとのバトル、決着になると思います。では、お楽しみに。