二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 333章 棚上げ ( No.402 )
- 日時: 2011/10/28 00:48
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「いつつ……アカリさん、無事ですか?」
「はい、なんとか……」
イリスとアカリは夢の跡地地下へと続く大穴に向かって突き飛ばされ、盛大に転がって全身を強く打ち付けていた。
「ここは、夢の跡地の地下……研究所っぽいですね」
「噂には聞いていましたけど、本当にあったとは……」
イリス達は辺りを見回すが、しかし見学の時間はなかったようだ。
「レイから連絡を受けて来たが、本当に英雄が来るとはな」
「すっげーグッドタイミングだもんねー。ま、あたし達としてはバッドタイミングだけどー」
二人の前に現れたのは、7Pのガイアと、同じく7Pのフレイ。
「さて、貴様らは偶然居合わせただけなのだろうが、我らは今、重大な任務中だ。正直邪魔されたくはない」
ガイアは率直に言う。
「だが貴様らは我らの敵、その逆もまた然り。だから貴様らは、何が何でも我らの任務を邪魔するだろうが——」
「ガイアって回りくどいなー。つまり今は重要な任務中で、邪魔されたくないから君らの相手はあたし達がするって言いたいんだよねー」
ガイアの言葉を遮って言うフレイ。
だが確かにガイアは回りくどい。
「……まあそういうわけだ。覚悟してもらうぞ英雄。出撃、ハサーガ!」
「ノコウテイ、出番だよー」
ガイアが繰り出すのは黄土色の蛇のような体に五つの頭を持つナーガポケモン、ハサーガ。
フレイが繰り出すのは巨大な黄色と水色のツチノコのような土蛇ポケモン、ノコウテイ。
「……ここは、やるしかないな」
「ですね」
イリスとアカリは視線を合わせ、それぞれボールを取り出す。
「出て来い、リーテイル!」
「お願いします、フー!」
イリスが繰り出すのは、エース、リーテイル。
アカリが繰り出すのは、オコジョのような姿の武術ポケモン、フーことコジョンドだ。
「アカリさん、あの五首は僕がやります」
「では私は、あの巨大なツチノコですね」
イリスはガイアに、アカリはフレイに、それぞれ向き合う。
まずはアカリとフレイ。
「へぇ、そっちも随分とキャラが豊富だねー」
フレイはバトルが始まるなり、そんな事を言い出す。
「この前の妹ちゃんもなかなか良かったけど、今度はロリで来たかー」
アカリはその言葉に反応したが、しかしバトル中なので何も言わない。
というか、フレイは自分のことを棚上げしている気がしてならない。
「フー、ヨガのポーズ」
フー(コジョンド)は瞑想に似たポーズを取り、攻撃力を高める。
「ノコウテイ、スピンテールだよー」
ノコウテイは飛び上がり、体を捻って尻尾に回転を掛け、フーに叩きつけるが
「フー、見切りです」
フーはノコウテイの攻撃の軌道を見切り、最小限の動きでその尻尾をかわす。
「ドレインパンチ!」
そしてすぐさま拳に淡い光を纏い、ノコウテイの巨体に叩き込む。
「ノコウテイ、潜るだよー」
だがノコウテイは効果抜群の技にも動じず、地面に潜り、すぐさま地上に出て来てはフーを吹っ飛ばす。
「まだまだ行くよー。ドラゴンダイブだー」
ノコウテイは凄まじい気迫を発しながら、龍の如き勢いでフーに突撃する。
「フー、見切りで回避。ドレインパンチです」
フーはノコウテイの攻撃を見切りでかわし、脇腹にドレインパンチを叩き込む。
「むむぅ、これまた強敵っぽいなー……よーし、ノコウテイ、怒りの炎だよー」
ノコウテイは口から、怒り狂ったように炎を吹き出す。
フーは燃え盛る炎をかわし切れず、体毛は徐々に焼かれていく。
「ドラゴンダイブだー」
そこに凄まじい殺気を放ちながらノコウテイが突っ込む。ノコウテイは炎を消し飛ばしながら、フーをも吹っ飛ばす。
「くっ、フー、大丈夫ですか?」
フーは結構なダメージを受けたようだが、まだ戦闘不能ではない。
「ここは一旦戻すのが賢明ですね……フー、とんぼ返り!」
フーは物凄い勢いでノコウテイに突っ込むと、突撃の反動を利用して後ろに大きく後退——かと思えば、アカリのモンスターボールへと戻っていく。
「とんぼ返りは使用したポケモンをボールに戻し、次のポケモンを出す技。では、お願いします、イーグル!」
アカリが交代で繰り出すのは、勇猛ポケモン、イーグルことウォーグルだ。
「イーグル、爪とぎです」
イーグル(ウォーグル)は地面に降り立つと、硬い地面で爪を研ぎ、攻撃力と命中率を増していく。
「まずは能力アップかー……ノコウテイ、スピンテールだよー」
ノコウテイは飛び上がり、体を大きく捻って回転力をつけた尻尾を振るう。
「イーグル、燕返し!」
ノコウテイの一撃はイーグルにあっさりとかわされ、またズバッとその巨体を切り裂かれる。
「切り裂く攻撃!」
さらにもう一撃。今度は爪を使い、文字通りノコウテイは切り裂かれた。
「うーん、思ったより強いなー……解放するべきだったかなー? まーいいやー、ノコウテイ、怒りの炎だー」
ノコウテイは怒り狂ったように口から炎を吹き出す。炎は上空にいるイーグルに向かっていく。
「イーグル、突っ込みなさい!」
イーグルはその炎をあえて回避せず、むしろ自ら突っ込む。
するとイーグルは最終的には怒りの炎を突っ切り、ノコウテイの真正面へと到達する。
「今です、燕返し!」
そこでイーグルは翼を鋭く振るい、ノコウテイの巨体を切り裂く。
そしてノコウテイは崩れ去った。
「あー、ノコウテイやられちゃったかー」
フレイは特に悔しがることもなく、ノコウテイをボールに戻す。
「さーて、第二戦はガイアの戦況次第かなー」
間延びした口調でそう言いつつ、フレイはイリスとガイアの方を見遣る。
今回はイリスとガイアのバトルフラグ、そしてアカリとフレイのバトルです。二人のバトルは結構早めに終わらせました。フレイとノコウテイって、結構出番がある割にはバトル回数が少ないんですよねー。というわけで、今回はそんな移動にばかり使われるノコウテイをバトルに出しましたが、見事やられてしまいました。では次回はイリスとガイアのバトル。ちなみにハサーガはガイアの切り札です。お楽しみに。