二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 337章 脂肪 ( No.406 )
日時: 2011/11/04 20:11
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「よっしゃ、そんじゃあ次行くぜ、俺のエース!燃え上がれ、バオッキー!」
ポッドの最後のポケモンは、火の粉ポケモンのバオッキー。燃える猿のようなポケモンだ。
「戻れ、フローゼル」
イリスもフローゼルをボールに戻す。
一体も戦闘不能にしてはいけないなら、一戦ごとにポケモンを交代するべきであり、交代禁止のルールもない。なのでイリスは、ポケモンを入れ替える。
「次はお前だ、頼むぞ、チラチーノ!」
イリスが次に繰り出すのは、スカーフポケモンのチラチーノ。チンチラのような姿で、分類通り白いスカーフを首に巻いている。
「なんか女々しいのが来たな……だが!俺は燃えるぜ!バオッキー、気合パンチ!」
バオッキーは拳を握り、気合を込めてチラチーノに突っ込んでくる。
「チラチーノ、正面から向き合うな。スイープビンタ!」
チラチーノはバオッキーの攻撃を受け流し、その体に硬化させた尻尾を連続で叩きつける。
「十万ボルト!」
さらにそこに強力な電撃をぶつけ、追撃。
「くっ、思ったよりやるな!バオッキー、アイアンテール!」
バオッキーは電撃を喰らいながらも尻尾を鋼のように硬化させ、チラチーノに叩きつける。
「気合パンチ!」
「チラチーノ、回避だ!」
バオッキーは拳を握って気合を込めた拳を突き出すが、チラチーノは流れるような動きでそれをかわす。
「奮い立てる!」
そして自身を鼓舞し、奮い立てることで攻撃能力を増加させる。
ちなみにこの技は、サンヨウジムジムリーダーの十八番だったりする。
「よし、これなら……バグノイズ!」
チラチーノは大口を開け、狂ったように大音量の音波を放つ。
「ぐっ、バオッキー、怯むな!穴を掘る!」
バオッキーはチラチーノのバグノイズに耳を塞ぎながらも、穴を掘って地面に潜り、ひとまずノイズからは逃れる。
「逃げられたか……」
イリスは注意深く辺りを探っていると

ボゴッ

という音がした次の瞬間、バオッキーはチラチーノの真下の地面から現れ、チラチーノを殴り飛ばす。
「よっし、バオッキー、次は大文字!」
バオッキーは大きく息を吸い込み、大の字の巨大な炎を放つ。
「避けられるか……? いや、無理か……だったらチラチーノ、バグノイズ!」
チラチーノは狂ったように大音量の音波を発し、大文字にぶつける。こうすることでこの巨大な炎を打ち消そうとしているのだが、これが上手く行かない。どうやらチラチーノの攻撃力不足のようだ。
結果、チラチーノは威力が多少なりとも弱まった大文字を喰らい、体の一部が焼け焦げた。
「チラチーノ、大丈夫か?」
イリスがそう尋ねると、チラチーノは焼け焦げた部分を名残惜しそうな顔で見ていた。
なんだかんだ言って、このチラチーノは♀なのだ。
「チラチーノ、奮い立てる!」
チラチーノは自身を鼓舞し、奮い立たせて攻撃能力を高める。
「十万ボルト!」
そして強力な電撃を放つが
「穴を掘る!」
バオッキーは穴を掘って地面に潜ってしまい、電撃は当たらない。
「行け、バオッキー!」
そして次の瞬間、バオッキーはチラチーノの背後の地面から出て来て、チラチーノを攻撃。
「チラチーノ、反撃だ!スイープビンタ!」
チラチーノはバオッキーの攻撃を受けながらも、振り向き様に硬化させた尻尾をバオッキーに連続で叩き込む。
「もう一度、スイープビンタ!」
「そう何度も喰らうか!アイアンテール!」
チラチーノは再度硬化させた尻尾を振り回すが、それをバオッキーが鋼の尻尾で弾いてしまう。どちらも硬化させた尻尾で攻撃するが、やはりそうなるとバオッキーのアイアンテールの方が強い。
「気合パンチだ!」
バオッキーは気合を込めたこぶしを突き出すが、間一髪、チラチーノはその拳をかわす。
「スイープビンタ!」
そして硬化させた尻尾を連続して叩き込む。
そしてバオッキーの隙ができると
「バグノイズだ!」
チラチーノは狂ったような大音量の音波を発し、バオッキーを攻撃。
ポッドやバオッキーはこういう内面的、精神的な攻撃は辛いのか、苦しそうな顔をしている。
「だー!バオッキー、このやかましい音を焼き尽くせ!大文字!」
イリスはポッドの方がやかましいと思ったが、口には出さない。
バオッキーはチラチーノから一旦離れて、大の字の巨大な炎を放つ。
「チラチーノ、バグノイズ!」
チラチーノは続けて狂乱の音波を放つが、大文字は消せない。奮い立てるで攻撃力は二倍ほど膨れ上がっているだろうが、それでもバオッキーの大文字は掻き消せない。
「バオッキー、気合パンチ!」
チラチーノは大文字に焼かれながらもバグノイズを発し続けるが、そこにバオッキーが気合を込めた拳でチラチーノを殴り飛ばした。
「チラチーノ!」
チラチーノは吹っ飛ばされ、砂煙が舞う。
「ふぅ、なかなか熱いバトルだったぜ。俺のバオッキーもかなり消耗して、攻め疲れちまったが、まあなんとか——」
と、ポッドは言葉を中断した。
それもそうだろう。何故なら
チラチーノが、砂煙の中から飛び出したからだ。
「なっ、嘘だろ!? 俺のバオッキーの気合パンチを喰らって耐えるなんて——」
ちなみにこれは、チラチーノのスカーフのお陰である。
チラチーノのスカーフは、チラチーノの特殊な脂肪がコーティングされており、あらゆる衝撃を受け流せるのだ。
だから効果抜群の気合パンチを喰らっても、全ては受け流せなかったが、威力は大分緩和された。
「くっ、だが、だったらまだバトルは終わっちゃいねえ!バオッキー、大文字!」
ポッドは最後の技を指示するが、しかしバオッキーは動かない。
「バ、バオッキー……!?」
見れば、バオッキーの目はハートマークと化していた。
「こ、これは……」
「チラチーノの特性、メロメロボディですよ」
イリスは言う。
特性、メロメロボディとは、名の通り相手をメロメロ状態にする体である。
この特性を持つポケモンに直接攻撃を仕掛けると、仕掛けたポケモンは稀にメロメロ状態になってしまうのだ。
「チラチーノ、これで終わりだ!スイープビンタ!」
チラチーノの尻尾が、バオッキーに幾度も叩きつけられる。
そしてバオッキーは崩れ落ち、戦闘不能となった。
サンヨウジムトライアルバトルフルコース、vsポッド戦、通称オードブルバトルは、イリスの勝利である。



今回はイリス対ポッド、決着です。本編が長いので、あとがきは短めで行きます。今回は久々のチラチーノ登場で、技も少し変更しています。まあ、ズルズキンほど変わっちゃいないですけど。さて次回はコーンとのバトルになります。お楽しみに。