二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 339章 沈溺 ( No.408 )
- 日時: 2011/10/29 00:48
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「では、これで最後、コーンの切り札をお見せしましょう。散りゆく水よ、ヒヤッキー!」
コーンの最後のポケモンは、放水ポケモンのヒヤッキー。流れるような頭をした猿のようなポケモンだ。
「よし、ならこっちはセオリー通り、行くぞデンチュラ!」
イリスはデスカーンをボールに戻し、そして繰り出すのは、蜘蛛のような電気タイプのポケモン、デンチュラだ。
「デンチュラ、速攻で決めるぞ。雷!」
デンチュラは雷鳴っを轟かせ、激しい稲妻をヒヤッキーに落とす——
「ヒヤッキー、泥遊び!」
その時、ヒヤッキーはフィールドに大量の泥を撒き散らし、フィールドを泥だらけにしてしまう。
「!?」
イリスはこの技を見たことがない。なのでその意味が分からず——ヒヤッキーは雷に打たれた。
しかしヒヤッキーは、思いの外平然としている。
「え? あれ……?」
デンチュラの雷は、相当な威力だ。それも効果抜群なら、その威力は二倍。
耐久型でもない水タイプのヒヤッキーに、耐えられるわけがないのだが
「泥遊びは、そのバトルの間、電気タイプの技の威力を半減する技ですよ。水タイプは弱点が少ない、ヒヤッキーは氷技を覚えさせることで草タイプ対策、そして泥遊びで電気タイプタイプ対策は万全です」
用意周到なコーン。この辺りが、力任せのポッドとは違う。
「では、攻めますよ。ヒヤッキー、冷凍ビーム!」
ヒヤッキーは凍てつく氷の光線を発射する。これが、草タイプ対策だろう。
「デンチュラ、シグナルビーム!」
デンチュラもカラフルな光線を発射して冷凍ビームにぶつける。
互いの技はしばし競り合うと、消滅した。威力は互角のようだ。
「デンチュラ、エナジーボールだ!」
「ヒヤッキー、気合球です!」
デンチュラはヒヤッキーの弱点を突こうと草技のエナジーボールを放つが、ヒヤッキーも気合を凝縮した球を放つ。
エナジーボールと気合球では、断然気合球の方が威力が高く、エナジーボールを打ち消してデンチュラにヒットする。
しかし効果はいまひとつ。大したダメージではない。
「まだですよ。ヒヤッキー、ハイドロポンプ!」
ヒヤッキーは息を大きく吸い込み、超高圧の激しい水流を発射する。
「あれは相殺できないな……デンチュラ、かわして辻斬り!」
デンチュラは姿勢を低くし、地面を這ってハイドロポンプをかわしてヒヤッキーに接近。そして隙を見つけては、その部位を爪で切り裂く。
「雷だ!」
さらに雷鳴轟く稲妻を落とし、さらにダメージ。
だが泥遊びで利欲は半減してしまっているため、戦闘不能には至らない。
「ヒヤッキー、冷凍ビームです!」
ヒヤッキーは氷の光線を発射するが、デンチュラは軽く避ける。
「ならばこれでどうでしょう? ヒヤッキー、飛び上がって気合球を連打!」
ヒヤッキーは猿のように軽快に跳躍すると、上空からやや小振りだが無数の気合球を作り出し、連続で放つ。
それはデンチュラを狙っているわけではないようで、気合球の軌道はデタラメだ。デンチュラに当てるというより、フィールド全てに当てているような攻撃だ。
「……どんな意図があったかは知りませんが、そんな攻撃じゃあデンチュラは倒せませんよ。デンチュラ、シグナルビーム!」
デンチュラはカラフルな光線を発射するが、向こうも素早く、軽くかわされる。
「連続でエナジーボール!」
今度はさっきのヒヤッキーのように、自然の力を凝縮した緑色の球を無数作り出し、連続してヒヤッキーへと放つ。
「ヒヤッキー、全て薙ぎ払うのです。ハイドロポンプ!」
ヒヤッキーは超高圧の激しい水流を発射し、鞭のようにしならせて襲い来るエナジーボールを全て薙ぎ払う。
「冷凍ビーム!」
そして凍てつく光線を発射。
「デンチュラ、かわして辻斬りだ!」
デンチュラは飛び上がってその光線をかわし、落下とともにヒヤッキーを切り裂く。
「ヒヤッキー、気合球です!」
ヒヤッキーは掌に気合球を作り出し、デンチュラに押し付けるようにして放つ。
「デンチュラ、辻斬り!」
デンチュラはヒヤッキーの脇をすり抜けてその攻撃をかわし、また擦れ違い様にヒヤッキーを切り裂く。
「エナジーボール!」
「冷凍ビームで相殺です!」
デンチュラの放つ緑色の球を、ヒヤッキーは氷の光線で相殺する。
「ヒヤッキー、ハイドロポンプ!」
ヒヤッキーは超高圧の激しい水流を噴射する。
「デンチュラ、さっきみたいに回避だ!」
と、デンチュラは姿勢を下げるが
「っ、デンチュラ!?」
デンチュラはボコボコになったフィールドに足を取られ、身動きが取れなくなってしまう。
(これは……さっきの気合球か!)
コーンは気合球をフィールドに連打する事で、フィールの起伏を作った。
そうすることで、姿勢を低くした時の移動はぐんと苦しくなる。
そうやってとろとろしている間に、ヒヤッキーはハイドロポンプの軌道を修正、デンチュラにぶち当てて吹っ飛ばす。
「デンチュラ!」
吹っ飛ばされたデンチュラは大ダメージを受け、かなり体力が削られた。あと一発でやられそうな状態だ。
「さあ、これでフィニッシュです!ヒヤッキー、ハイドロポンプ!」
ヒヤッキーは最後に、止めとして超高圧の激しい水流を噴射する。
「くっ、デンチュラ、雷!」
デンチュラも無駄な足掻きとは思いつつ、轟く稲妻を放ち、ハイドロポンプを押し止める。
だがフィールドは泥遊びで電気技の威力が半減している。きっとデンチュラの雷も押し負けてしまうだろうと、イリスはそう思っていた。
しかし、現実は違った。
「!? ヒヤッキー!」
デンチュラの雷はぐんぐんとヒヤッキーのハイドロポンプを押していき、最後には水流を貫いてヒヤッキーに稲妻を突き刺し、戦闘不能にした。
「な、何故……。……はっ」
コーンは気付いた。そしてイリスも。
コーンはフィールドに気合球をぶつけた時、一緒に地面だけ出なく泥も削ってしまった。
ヒヤッキーはフィールド全てに気合球を当てたので、フィールドは余す所なく泥が吹き飛び、泥遊びの効果も消えた。
そして、デンチュラに雷の威力が元に戻り、ヒヤッキーは敗北したのだ。
「やれやれ、策に溺れるというのは正にこの事ですね。このコーン、一生の不覚です」
サンヨウジムトライアルバトルフルコース、vsコーン戦、通称スープバトルも、イリスの勝利である。
さて、今回は本編が長いのであとがきは短く……というのが、最近多い気がします。今回はイリス対コーンのバトルでして、コーンは泥遊びでデンチュラの雷を弱体化させますが、ハイドロポンプを当てるためにフィールドをふっ飛ばし、泥も一緒に吹き飛ばしてしまったために敗北です。次回は最後、デント戦です。デントの一番手は、この流れで行くと分かる人には分かるでしょう。分からない人は、参照をクリック。コマレオンやバクソウオを探してください。では、次回もお楽しみに。