二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 340章 イリスvsデント ( No.409 )
- 日時: 2011/10/29 19:59
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
サンヨウジムトライアルバトルフルコース、最終戦。
相手は草タイプ使い、デントだ。
「君と戦うのは、これで二回目。以前は君に敗れた僕だが、今回も同じように勝てるとは思わないことだよ」
開口一番、伝とはそう言った。
しかしイリスにしてみればそんなこと、言われるまでもない。
「僕でこのバトルフルコースはメインディッシュ。さて、無駄話もこの辺にして、早速始めようか」
デントはボールを構える。
「まずは僕から。行け、バジリール!」
デントが繰り出したのは、小型の恐竜のようなポケモンで、体は草のような緑と花のような紫、尻尾はイルミネーションのような花に電気は迸っている。
電気草ポケモン、バジリール。草・電気タイプのポケモンだ。
「選定ならとっくに終わってる。さあ出て来い、ウォーグル!」
イリスが繰り出すのは、あろうことか飛行タイプのウォーグル。相手が草タイプとはいえ、電気タイプも持つバジリールには不利なポケモンだ。
「折角です、以前戦った時と同じメンバーで、また戦いたいと思いましてね」
「……そういうことか。でも、ポッドやコーンを倒したトレーナーはいれど、僕をも倒した者は未だいない。そう余裕ぶってられるはずもないと思うけどね」
デントは言う。確かにその通りだが、イリスは聞き耳持たない。
「それでは、バトル開始!」
最後の審判はコーン。バトルが開始される。
「さて、まずはフィールド、シルバーを整えなくては。バジリール、日本晴れ!」
バジリールは小型の太陽を打ち上げ、周囲の天候を晴天にする。
「雨乞いの次は日本晴れか。ここの二人は天候技が好きなのか? ウォーグル、鋼の翼!」
ウォーグルは翼を鋼のように硬化させ、バジリールに突っ込み、打ち付ける。
「ブレイククロー!」
そしてウォーグルは宙返りをするように、力を込めた爪でバジリールを引き裂く。
「甘いテイストだね。バジリール、サイコバーン!」
バジリールは至近距離で念動力の爆発を起こし、衝撃波でウォーグルを吹っ飛ばす。
「まだだよ、電磁砲!」
さらに電磁力を凝縮した球を作り出し、ウォーグルへ向けて一直線に発射する。
「ウォーグル、かわしてビルドアップ!」
電磁砲は直線的な攻撃なので、飛行するウォーグルにとってかわすのは容易い。ウォーグルは電磁砲を避けると、筋肉を増強して攻撃、防御力を高める。
「ブレイククローだ!」
そして爪に力を込め、バジリールへと突っ込む。
「バジリール、ソーラービーム!」
だがそこへ、バジリールは強力な太陽光線を発射する。
ソーラービームは基本、攻撃するのに溜めが必要なのだが、今は晴天で、その溜め時間も短縮できるのだ。
ウォーグルはソーラービームに迎撃され、大きく後退する。
「くっ、ウォーグル、ソーラービームも直線的な攻撃だ!次はかわすぞ、鋼の翼!」
ウォーグルは翼を鋼のように硬化させ、再度バジリールに突っ込む。
「バジリール、ソーラービーム!」
バジリールも再度ウォーグルを迎撃しようと強力な太陽光線を発射するが、今度の攻撃は当たらず、ウォーグルの鋼の翼をヒットした。
「サイコバーン!」
「かわせウォーグル!」
バジリールはすぐさま攻撃に転じ、念動力の爆発を起こすが、ウォーグルはすぐに飛び立ってその爆発をかわした。
「ブレイブバード!」
そしてウォーグルは全身に燃える炎のようなエネルギーを纏い、バジリールへと急降下。
「バジリール、サイコバーンだ!」
バジリールは迎撃するつもりなのか、念動力の爆発を起こすが、ビルドアップで攻撃力が高められたウォーグルのブレイブバードをサイコバーンで止める事はできず、バジリールは吹っ飛ばされる。
「くっ、だがまだバジリールはやられてないよ。電磁砲だ!」
バジリールは吹っ飛ばされ、地に足を着けて体勢を整えると、電磁力を凝縮した球を撃ち出す。
「ウォーグル、かわしてブレイククロー!」
ウォーグルはサッと電磁砲をかわし、バジリールに接近しては力を込めた爪で引き裂く。
「鋼の翼!」
さらに硬化させた翼も叩きつけ、追撃。
「バジリール、サイコバーンで引き剥がせ!」
バジリールは素早く念動力の爆発を起こし、ウォーグルを攻撃しつつ引き剥がす。
「ソーラービーム!」
そして強力な太陽光線を発射。ウォーグルはかわし切れず、その光線を喰らってしまう。
「ウォーグル!」
効果はいまひとつだが、急所に当たったらしくウォーグルは結構なダメージを受けた。
「ウォーグル、ここは長引かせず、一気に決めよう。ビルドアップ」
ウォーグルは筋肉を増強し、決定力を高める。
「バジリール、電磁砲連射!」
バジリールはウォーグルを意図を察したのか、電磁力を凝縮した球を無数に作り出し、とにかく連射する。
「ウォーグル、無理矢理でも突っ切るんだ!ブレイブバード!」
ウォーグルは全身に燃える炎のようなエネルギーを纏い、凄まじい勢いでバジリールへと突っ込んでいく。
ウォーグルは襲い来る電磁砲を次々と粉砕していき、遂にはバジリールへと到達、バジリールを吹っ飛ばす。
「バジリール!」
吹っ飛ばされたバジリールを見ると、戦闘不能になっていた。
「ふぅ、まさかこんなにも早くバジリールがやられるなんてね。戻ってくれ、バジリール」
デントはバジリールをボールに戻す。それと同時に、イリスもウォーグルをボールに戻す。
「……さて、次で最後か。正直今まで挑戦者は皆、バジリールで倒していたからね。ここまで辿り着いたのは君が初めてだ」
「それは光栄ですね」
イリスは適当に返す。
「でも、ここから先は誰も成し得ない、秘境にして難関のバトル。もう一度言うが、このバトルフルコースを最後まで完遂した者は、未だかつて、一人もいない」
「!」
一人もいない、という単語にイリスは反応する。
久々の、一年振りの、あの台詞。
「……今まで誰一人として成し得なかったなら——」
久しぶりの台詞に心躍らせ、イリスは言う。あの久しき決め台詞を。
「その一人目が、僕ですよ!」
その言葉を引き金に、お互いボールを構える。
サンヨウジムトライアルバトルフルコース、イリスの通算成績は五勝、あと一戦で、イリスは偉業を成し遂げる。
さて、何故だかこのバトルはやけに文字数を浪費してしまいます。別に悪い事ではないですが、不思議です。今回は一年振りとなるイリス対殿とのバトル。イリスは以前、デントの一番手、ヤナップにワシボンで挑んだのですが、まあ詳細は>>0の参照から前作に飛んで読んでくださいな。そういえば、僕もここで執筆を始めてから、ちょうど一年くらいになりますか。ということは、この二人のバトルは本当に一年振りになるのでしょうか?だとすれば面白いですね。次回はイリス対デント、決着。そしてサンヨウジムトライアルバトルフルコース……長いですね。まあそれも終わりを迎えます。では、次回もお楽しみに。