二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 342章 イリスvsアロエ ( No.412 )
日時: 2011/10/29 23:56
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

シッポウシティ、シッポウジム。
この街のジムリーダーは、博物館の館長も勤めるアロエだ。
「やあ、久しぶりだねぇ」
アロエはイリスが尋ねるなり、気さくな態度で接する。
イリスは前置きなどせず、単刀直入にアロエにバトルを申し込むと、流石は心の広いアロエ、快く承諾してくれた。
「アタシもアンタに負かされてから、随分と鍛えたものだよ。新しいポケモンも育てたりしてね。勝負方式は三対三のシングルバトルでいいかい?」
「はい、構いません」
シッポウジムは相手がどんなトレーナーかを見極めるためにちょっとした試練がある。なので書庫の地下にバトルフィールドがあり、書庫の本の一つが、地下へと続く階段を見つけるためのスイッチとなっている。
イリスとアロエはその長い道のりを経て、バトルフィールドへと立つ。
「さあ、早速始めようじゃないか」
「お願いします」
審判は、アロエの夫であるキダチ。しかしかなり地味なので、イリスも今まで忘れていたし、正直審判なんてやることはあまりない。ただ突っ立っているだけのようなものだ。
「それじゃあ、アタシからポケモンを出すとしようじゃないか。行くんだよ、ミルタンク!」
アロエが繰り出すのは、乳牛ポケモンのミルタンク。ピンク色の乳牛のようなポケモンだ。
「ミルタンク、ノーマルタイプか……よし、だったらこのポケモンだ。出て来い、エルレイド!」
イリスが繰り出すのは、格闘タイプのエルレイドだ。
「さあて、成長したアンタをじっくりと研究しようじゃないか。ミルタンク、捨て身タックル!」
ミルタンクはその、何と言うか、ずんぐりとした体型からは考えられないようなスピードでエルレイドに突進、名前の通り捨て身のタックルを浴びせる。
「ぐっ、なんて攻撃力だ……エルレイド、ドレインパンチ!」
エルレイドは拳を淡く発光させ、ミルタンクを殴りつける。効果は抜群でそれなりに効いてはいるようだが、ミルタンクは防御が高いので余裕の表情だ。
「次はこれだよ。ミルタンク、ウッドハンマー!」
ミルタンクは握った拳に樹木の力を込め、エルレイドを殴り飛ばす。
「まだだよ、シャドーボール!」
ミルタンクは吹っ飛んだエルレイドに影の球を放ち、追撃する。
ゴースト技はエルレイドには効果抜群。結構なダメージだ。
「くっ、流石アロエさんは強敵だな……エルレイド、サイコカッター!」
エルレイドは刃に念動力を纏わせ、素早く飛ばしてミルタンクを切り裂く。
「そこだ、ドレインパンチ!」
そしてミルタンクが怯んだ所に、淡く光る拳を叩き込む。
「追加だ、アイスブレード!」
さらにエルレイドは氷結した刃でミルタンクを斬りつける。
だが何故かアイスブレードの効きだけ悪く、ミルタンクはすぐさま反撃に出た。
「ミルタンク、思念の頭突き!」
ミルタンクは頭に思念を集め、エルレイドに強烈な頭突きをかます。
しかもエルレイドは、その頭突きの威力と効果で怯んでしまう。
「ウッドハンマー!」
そこにミルタンクは樹木の力を込めた拳を叩きつけ、エルレイドを吹っ飛ばす。
「くっ、エルレイド!」
エルレイドは砂煙が舞う中、なんとか立ち上がる。しかしかなりのダメージを受けてしまった。
「……それにしても、なんでアイスブレードだけあんなに効きが悪かったんだ……?」
ふとイリスはそんなことを呟く。すると
「残念ながら、ミルタンクの特性は厚い脂肪。この特性は炎と氷タイプの技の威力を半減するのさ。だからアンタのエルレイドのアイスブレードも、このミルタンクには大したダメージはないんだ」
つまりはそういうことらしい。
「これは知識の差か……エルレイド、サイコカッター!」
エルレイドは念動力の刃を、ミルタンクへと飛ばすが
「ミルタンク、捨て身タックル!」
ミルタンクは捨て身のタックルを放ち、サイコカッターを粉砕。エルレイドへと突っ込む。
「なっ……エルレイド、リーフブレード!」
これは避けられないと判断したイリスは、せめて威力を減衰しようと草木の力を宿した刃でミルタンクのタックルを止めようとする。
だがしかし、勿論止まるはずもなく、エルレイドは吹っ飛ぶ。
「追撃だよミルタンク、シャドーボール!」
「くぅ、切り裂けエルレイド!リーフブレード!」
ミルタンクが放つ影の球を、エルレイドは緑色の刃で切り裂く。
「まだまだ、シャドーボール!」
今度は連射してきた。流石にこの量は、捌き切れない。
「くっ、エルレイド、連続でサイコカッター!」
エルレイドは両肘の刃に念動力を込め、とにかく高速で、連続して一閃し、念動力の刃を無数に飛ばす。
刃は飛来する影の球を次々と切り裂くが、勿論漏れもある。
ミルタンクは届いた刃に切り裂さかれ、エルレイドは飛んで来る影の球を喰らって膝をつく。
「さあ、そろそろ終わりにするよ。ミルタンク、捨て身タックル!」
ミルタンクは凄まじい勢いで、捨て身のタックルを繰り出す。
「エルレイド、ドレインパンチで迎え撃て!」
エルレイドも拳を淡く光らせ、ミルタンクを迎撃する構えを取る。
そしてミルタンクのタックルと、エルレイドのパンチがぶつかり合う。
攻撃力では圧倒的にミルタンクに分があるのだが、そこは気力と相性でエルレイドも喰らいつく。したがって、今の所は互角なのだが
「エルレイド、もう一発!」
エルレイドはもう片方の拳を発光させ、ミルタンクに叩き込む。
するとミルタンクはグラつき、体勢を崩す。今がチャンスだとエルレイドは動くが、しかし

「ミルタンク、思念の頭突き!」

ミルタンクがグラついたのはブラフで、エルレイドが刃を振りかぶり、防御が手薄になった所で、ミルタンクは思念を集めた頭でエルレイドに頭突きを喰らわせる。
「エルレイド!」
予想以上の破壊力を持つ頭突きにエルレイドは吹っ飛ばされ、仰向けに倒れる。
そしてその目は完全に回っており、戦闘不能だ。



今回はイリス対アロエです。結局この二人のバトルにしました。久々のアロエ姉さん登場です。地味にアロエは好きです、口調が書きやすいから。いやでもゲームでのアロエは強かったです。ハーデリアもミルホッグも攻撃力高いし、敵討ちとか催眠術とか使ってきますし。まあ今回はゲームでいう所の再戦システムですので、ポケモンは切り札以外そうとっかえしております。最初のポケモンはミルタンク、主婦っぽいアロエにはピッタリです。次回もアロエに見合うポケモンが登場することでしょう。では、お楽しみに。