二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 343章 幸運 ( No.413 )
日時: 2011/10/30 08:34
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「エルレイド、戻ってくれ」
イリスは戦闘不能となったエルレイドをボールに戻す。
「ミルタンクはあのスピードと、攻撃力も厄介だな……スピードはどうしようもないから、ここはこいつで行こう」
そしてボールを一つ構える。
「出て来い、メタゲラス!」
イリスが繰り出すのは、イリスの手持ちの中で一位二位の防御力を誇る、メタゲラス。
「メタゲラス、ストーンエッジ!」
メタゲラスはまず、鋭く尖った岩を無数に浮かべ、それらをミルタンクへ向けて一斉に発射。
「ミルタンク、捨て身タックル!」
ミルタンクはその無数の岩をかわそうとはせず、むしろ自分から当たりに行って猛烈なタックルで粉砕、そのままメタゲラスに激突する。
「ウッドハンマー!」
そこからさらに、樹木の力を込めた拳を叩き込まれる。
「くぅ、メタゲラス、アイアンヘッドだ!」
「ミルタンク、動きを止めるよ。思念の頭突き!」
メタゲラスは体を一歩後退して鋼鉄の頭による一撃を繰り出そうとするが、その前にミルタンクの思念の頭突きが飛び、メタゲラスは怯んで動けなくなってしまう。
接近戦になると、突撃、中距離、遠距離技しか持たないメタゲラスはどうしても不利なのだ。
「まだまだ、ウッドハンマー!」
ミルタンクは再度樹木の力を込めた拳を叩き込む。
「メタゲラス、大地の怒り!」
メタゲラスは地面を踏み鳴らし、大量の土砂を噴射してミルタンクを吹き飛ばす。
「グラビティコア!」
さらにそこに超重力の巨大な黒い球をぶつけ、押し潰す。
黒い球が消えると、ミルタンクは遂に戦闘不能になった。
「よくやったミルタンク、戻って休んでおくれ」
アロエはミルタンクを労い、ボールに戻す。
「ふむ、アンタがどういう成長をしたのか、だんだん分かってきたよ。それじゃあ、次はこのポケモンだ。行くんだよ、ガルーラ!」
アロエの二番手は、親子ポケモンのガルーラ。カンガルーのように腹の袋に子供入れていて、その体は怪獣、恐竜じみている。
「行くよガルーラ、ドラゴンビート!」
ガルーラは息を大きく吸い込むと、次の瞬間、龍の鼓動のような激しい音波を放つ。
そのあまりの威力に、メタゲラスは後ずさった。
「こっちもこっちで、なんて攻撃力だ……メタゲラス、アイアンヘッド!」
メタゲラスは鋼鉄の頭を構えて突進する。
「ガルーラ、迎え撃つよ、アクアテール!」
ガルーラは尻尾に水を纏わせ、突進するメタゲラスにぶつけて動きを止める。
「メガトンパンチ!」
そして拳を握り、強力な鉄槌のようにメタゲラスへと振り下ろす。
効果はいまひとつだが、結構な威力だ。
「くっ、メタゲラス、まだやれるぞ。大地の怒り!」
「炎の牙だよ!」
メタゲラスが地面を踏み鳴らそうとすると、ガルーラは牙に炎を灯してメタゲラスに噛み付く。
メタゲラスは炎の牙の追加効果により、怯んでしまい攻撃が中断される。
「メガトンパンチ!」
さらにガルーラは、メタゲラスに噛み付きながら強力な鉄槌を振り下ろし、メタゲラスを何度も殴りつける。
「やばい……!」
上から乗られているような状況なので、大地の怒りは使えない。アイアンヘッドも距離が近すぎる。ストーンエッジやグラビティコアもダメ。
正に、絶体絶命。
「どうしたんだい? ボーっと突っ立ってたら、このメタゲラスもやられちまうよ?」
分かっている。そんなことは、イリスがよく分かっているのだ。
「くっそ、ここは一か八か……いや、悪足掻きだ。メタゲラス、アイアンヘッド!」
メタゲラスは牙に拘束されながらも無理矢理頭を引き、鋼鉄の頭突きをかます……ということはなかった。

至近距離からでも繰り出せるような、強烈な角の一撃をガルーラに食わせたのだ。

「!? ガルーラ!」
ガルーラは吹っ飛ばされたものの、なんとか踏ん張った。
だがそんなことより、メタゲラスが見せたさっきの技の方が重要だ。
「今の技は……メガホーンか……?」
どうやらメタゲラスは、この土壇場で新しい技を習得したようだ。
「……いや、メガホーンだけじゃないな……」
イリスは図鑑を見ながら、そっと呟く。
「この危機的状況で新しい道を開拓するアンタの底知れない力は賞賛に値する。でもね、そんなラッキーパンチに頼ってちゃ、バトルには勝てないよ。ガルーラ、ドラゴンビート!」
ガルーラは龍の鼓動のような激しい音波を放つ。
「何も僕は、そんな運ばっかりを頼って今までを勝ち抜いてきたわけじゃないですよ。……いや、その運にしたって、僕の力で切り開いたものです。メタゲラス——」
メタゲラスは体をしっかりと支えるよう、構える。そして

「メタルブラスト!」

メタゲラスは口から大量の鋼を発射する。その鋼は物質だが、光線のようでもあり、ガルーラの放った音波を貫いてガルーラ吹っ飛ばす。
「ガルーラ!」
吹っ飛ばされたガルーラは数秒の滞空時間後、地面に落下。その目は完全に回っており、戦闘不能だ。
「……戻っておくれ、ガルーラ」
アロエはガルーラをボールに戻す。
「やれやれ、まさかアタシのガルーラまで倒すとは、恐れ入ったよ。でもね、次のポケモンは正真正銘、本当の難敵だよ。前の二体と同じように倒せるとは思わないことだね」
「望むところですよ。相手が何であれ、僕は戦います」
そうかい、とアロエは呟き、最後のボールを構える。



さて、今回はイリス対アロエ、第二戦。アロエの二番手はガルーラです。これもまた、アロエにはピッタリなポケモンですね。それから今回はメタゲラスが新技を習得しました。アイアンヘッドがメガホーンに、グラビティコアがメタルブラストにです。え?逆じゃないのかって?そこはほら、攻撃のし方が似ているとか、そんな感じで。次回はイリス対アロエ、決着にしようと思います。アロエ姉さんの切り札も登場です。お楽しみに。