二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 347章 結界 ( No.419 )
- 日時: 2011/10/31 20:55
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「出て来てくれ、ハハコモリ!」
アーティの最後のポケモンは、子育てポケモンのハハコモリ。葉っぱのような体色に細身で女性的な体つき。しかし♂だ。
「頼んだぞ、ウォーグル!」
イリスの最後のポケモンはウォーグル。飛行タイプなので、虫・草タイプのハハコモリには非常に有利だ。
「速攻で決めるぞウォーグル、ブレイブバード!」
ウォーグルは全身に燃え盛る炎のようなエネルギーを纏い、ハハコモリに突撃するが
「ハハコモリ、守る」
ハハコモリは自分の周囲に半透明な緑色の結界を張り、ウォーグルのブレイブバードを完全に防御する。
「剣の舞だ」
さらにその場で剣のように鋭く舞い、攻撃力を一気に上昇させる。こちらも短期決戦狙いだろうか。
「シザークロス!」
そしてハハコモリは両手の鋭い葉っぱを交差させ、ウォーグルを十字に切り裂く。
「くっ、ウォーグル、ブレイククロー!」
ウォーグルは切り裂かれてもすぐに体勢を立て直し、力を込めた爪で襲い掛かるが、ハハコモリは流れるような動きでその一撃をかわす。
「リーフブレード!」
さらにすぐさまウォーグルに接近し、鋭い葉っぱでウォーグルを切り裂く。
「もう一度リーフブレード!」
「ビルドアップだ!」
ハハコモリは連続して葉っぱの刃を振るうが、ウォーグルも筋肉を増強してダメージを軽減する。
「鋼の翼!」
さらに翼を鋼鉄のように硬化させてハハコモリに打ちつけるが、ハハコモリは寸前で身を退いて決まりが浅く、大したダメージは与えられない。
「まだだ、ブレイククロー!」
「無駄だよ。ハハコモリ、守る」
ウォーグルはそのまま爪に力を込めてハハコモリに襲い掛かるが、ハハコモリは半透明で緑色の結界を張ってその攻撃を防ぐ。
「攻撃より、防御や回避の方が厄介だな……」
アーティの一番手、ワークロは基本攻撃型だったが、おだてるという補助技を使い、間接的だが自分の身を守っていた。
二番手であるアリンセスも、あまり自分では動かず、指令技で攻撃、防御、回復を行い、必要最低限の動きしかせず危険を避けていた。
さらにこのハハコモリは、守るという防御技と、ハハコモリ独自の独特の動きで攻撃を回避し、こちらの攻撃を受け付けない。
どうやらアーティは、どんな形であれ防御に趣を置いたバトルを行うようだ。
「ハハコモリ、シザークロスだ!」
ハハコモリは守るで攻撃を弾かれて隙ができたウォーグルを、鋭い葉っぱを交差させた十文字斬りで切り裂く。
「リーフブレード!」
そこからさらに葉っぱを振るい、ウォーグルを連続で斬りつける。
一撃一撃の威力は、剣の舞を使用していても効果いまひとつなので大した事ないが、それでも積み重なり、蓄積すれば致命傷だ。
早急に何とかしなくてはならない。
「とりあえず、防御力を上げるか……ウォーグル、ビルドアップ!」
ウォーグルは筋肉を増強し、攻撃力と防御力を高める。
「ブレイククロー!」
そして鋭い爪に力を込め、ハハコモリに襲い掛かるが
「ハハコモリ、かわしてリーフブレードだ!」
ハハコモリは独特の先読みできない動きでウォーグルの爪をかわし、鋭い刃のような葉っぱで斬り掛かる。
「鋼の翼だ!」
ウォーグルは咄嗟に翼を硬化させ、ハハコモリの斬撃を受け止めた。
「そこだ、ブレイククロー!」
一瞬動きの止まったハハコモリを、ウォーグルは力を込めた爪で引き裂く。
ハハコモリは後ろに吹っ飛んだが、空中で体勢を整え、綺麗に地面に着地する。どうやら喰らったは喰らったようだが、致命傷というわけではないようだ。
「ふぅ、今のはちょっと危なかったかな。ハハコモリ、剣の舞だ」
ハハコモリはウォーグルとの距離を確認すると、剣のように鋭く舞う。また攻撃力を上げるつもりらしい。
「だったらウォーグル、ビルドアップからブレイブバード!」
ウォーグルはビルドアップで筋肉を増強し、そこから燃え盛る炎のようなエネルギーを身に纏って突撃するブレイブバードへと繋げる。
「どんなに強力な攻撃でも、喰らわなければ効果はないよ。ハハコモリ、守る」
だがハハコモリは結界を張り、ブレイブバードを完全に防御。さらに
「シザークロスだ!」
結界を解くと葉っぱの刃をクロスさせ、ウォーグルを切り裂く。
「くっ、ウォーグル、鋼の翼!」
「リーフブレード!」
ウォーグルが鋼鉄のように硬化させた翼を振るうと、ハハコモリはそれに葉っぱの刃をぶつけて弾いた。
「もう一度リーフブレードだ!」
ハハコモリは弾いた葉っぱとは違うもう片方の葉っぱを振るい、ウォーグルを切り裂く。
「鋼の翼!」
「守る!」
ウォーグルのカウンター気味に繰り出した鋼の翼は、ハハコモリの守るで防御されてしまう。
「あー、もうウジウジやってられないな!ウォーグル、ブレイククロー連打!」
イリスは吹っ切れたかのようにそう指示を出す。
ウォーグルは鋭い爪に力を込め、ハハコモリに突っ込む。
「ハハコモリ、守る!」
しかし案の定、ハハコモリは守るでブレイククローを防御するが、それでは終わらなかった。
ウォーグルは攻撃を弾かれながらも必死で喰らいつき、ハハコモリの結界に何度も何度も爪を叩きつけるように振るう。
「くっ、ハハコモリ……!」
すると、次第に結界に亀裂が走り、何回目だろうか、ウォーグルの力強い爪が結界にぶち当たり、結界を引き裂いてハハコモリを吹っ飛ばした。
「今だウォーグル!ブレイブバード!」
守るは大抵の攻撃を防御する無敵の結界だが、弱点がないわけではない。
守るは連続で使用するとその効果が薄まり、やがては消える。継続しての使用もまた然りだ。
ウォーグルは全身に燃える炎のようなエネルギーを纏い、さながら流星のように一直線にハハコモリに向かって突っ込み、凄まじい勢いで突撃する。
「ハハコモリ!」
ビルドアップ三回掛けに、効果抜群が二つで威力四倍のブレイブバード。防御技を覚えていても、回避が上手くても、ハハコモリ自体の耐久力は低い。なのでハハコモリはその強烈な一撃を喰らい、戦闘不能となった。
「……よくやったよ、戻ってくれハハコモリ」
アーティはハハコモリをボールに戻し、ウォーグルとともに喜び合っているイリスを見据える。
「……そうだね、良いインスピレーションを得られたよ」
そして、そっと呟く。
「タイトルは、『英雄と大鷲』かな……」
今回はイリス対アーティ、決着でした。アーティの切り札は例によってハハコモリ。ウォーグルとは相性がかなり悪いですが、それでも結構ウォーグルを追い詰めていました。ゲームじゃこうはいきません。ウォーグルに先制されてブレイブバードを決められてジ・エンドです。次回もジム戦、次はカミツレです。いつまで続くんだよこれ、とか思うかもしれませんが、もうすぐちゃんとストーリーを進めますので、それまでご辛抱を。では次回はさっき言ったとおり、再戦シリーズその四、vsカミツレです。お楽しみに。