二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 350章 神速 ( No.422 )
日時: 2011/11/01 00:09
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「轟け、ゼブライガ!」
「頼んだぞ、ディザソル!」
カミツレの最後のポケモンは、シマウマのような姿に、雷型の鬣を持った雷電ポケモン、ゼブライガ。
対するイリスが繰り出すポケモンはディザソルだ。
「ここに来て、遂に空を飛べるポケモンが尽きちゃった?」
「まあ、そうなんですが……それ以外にもありますよ」
「へえ、じゃあその何かに期待しようかな……ゼブライガ、ニトロチャージ!」
ゼブライガは燃焼する炎を身に纏い、高速でディザソルに突進。
「ディザソル、かわして辻斬り!」
ディザソルは不安定な足場でもバランスを崩す事無くニトロチャージを回避し、すぐさま接近して漆黒の刃で切り裂く。
「ツヴァイテール!」
さらに二又の刃型の尻尾を硬化させ、ゼブライガに叩き込む。
「ゼブライガ、突き飛ばして。二度蹴り!」
ゼブライガはまず前足の蹴りでディザソルの体勢を崩し、次の後ろ蹴りで吹っ飛ばす。
「電撃波!」
そしてディザソルの体が流れた所に波状の電撃を放って追撃する。
「くっ、ディザソル、怒りの炎!」
ディザソルは怒り狂ったような炎を出現させ、ゼブライガへと放つ。
「ゼブライガ、ニトロチャージで突っ切って!」
ゼブライガは燃える炎を身に纏い、怒りの炎に突っ込んでいき、その炎を自分の炎に上乗せしてディザソルに激突する。
「追撃よ、電撃波!」
上空へと飛ばされたディザソルにゼブライガは、波状の電撃を放って追撃。
「ディザソル、メガホーンだ!」
レールに着地するとディザソルは、二本の刃を角のように構え、ゼブライガに突撃。
「ゼブライガ、ワイルドボルト!」
するとゼブライガは全身に激しい雷電を纏い、こちらもディザソルに突撃。
両者と攻撃が激突し、互いにせめぎ合う。
しかしどうやらゼブライガもディザソルも攻撃力は互角のようで、互いに大きく後退り、レールから落ちそうになったりなんだり。
「ゼブライガ、ニトロチャージよ!」
ゼブライガ燃える炎を身に纏って突進。そのスピードは、最初の頃より断然速い。
「ニトロチャージの効果で素早さが上がってるのか……ディザソル、ツヴァイテール!」
突っ込んでくるゼブライガに対し、ディザソルは硬化させた二又の尾で迎え撃つ。
「二度蹴り!」
だが互いの力が拮抗している所にゼブライガの二度蹴りが繰り出され、ディザソルは大きくバランスを崩す。
「そこよゼブライガ、ワンモア、二度蹴り!」
ゼブライガは再度二度蹴りをディザソルに決め、ディザソルは飛ばされる。
「ワイルドボルト!」
そしてゼブライガは激しい雷電を身に纏い、跳躍するようにディザソルに突撃する。
「ディザソル!」
ディザソルはなんとかレールの上に着地するが、もう既にかなりのダメージを受けていた。
「まだまだ行くわよ。ゼブライガ、ニトロチャージ!」
ゼブライガはそんなディザソルに構う事無く燃える炎を身に纏って爆走する。そのスピードは、もはや視認が難しいほどだ。
「くぅ、ディザソル、メガホーン!」
ディザソルは真正面から突っ込んでくるゼブライガに対し、二つの刃を突き出して突撃する——と、思いきや。

ディザソルの姿が消えた。

「!? ゼブライガ!」
そして気付けば、ゼブライガ吹っ飛ばされたいた。
ゼブライガはなんとか空中で体勢を整え、レールの上に着地するが、何が起こったのか理解できていない様子。
「い、今のは……?」
イリスも何が何だか分からず、とりあえず図鑑を開く。
するとディザソルのメガホーンが新しい技、神速に差し代わっていた。
「神速……」
神速とは、文字通り神の如き速度で相手に突撃する技。
そしてこの技があれば、ゼブライガのスピードに対抗できる事は、イリスにも分かった。
「よし、流石はディザソルだ。こうも相手に合わせた技を覚えてくれるなんてな。そんじゃあ、行ってみますか。ディザソル、神速!」
突如、ディザソルの姿が消え、ゼブライガは再度吹っ飛ばされる。
「くぅ、ゼブライガ、電撃波!」
ゼブライガは空中から、波状の電撃を放つが、ディザソルは華麗な動きでその電撃を回避する。
「辻斬りだ!」
そしてディザソルは素早くゼブライガに接近し、頭の二つの刃、尻尾の二つの刃、計四つの刃を使い、ゼブライガの急所を四度切り裂く。
「ツヴァイテール!」
さらに硬化させた二又の尾を叩きつけ、ゼブライガをレールに落とす。
「まだだ!怒りの炎!」
ディザソルの猛攻はまだ止まらず、燃え盛る憤怒の業火を放ってゼブライガ包み込む。
灼熱の業火の中で、ゼブライガは燃え上がる。
「ゼブライガ、脱出よ!ニトロチャージ!」
ゼブライガは火を消そうとせず、むしろ自分から炎を纏って周りの炎も上乗せし、ディザソルに突っ込むが
「神速!」
ディザソルは瞬間移動のようなスピードでゼブライガの横にあるレールに移動し、そこからカクッと直角に折れ曲がって突撃する。
だがゼブライガは辛うじてレールの上に乗り、大きく後ずさっていく。
「くぅ、こうなったら大技で決めるしかないようね」
カミツレは意を決し、強弱のあるゼブライガの技の中で、最も強力な技を指示する。
「ゼブライガ、ワイルドボルト!」
ゼブライガは激しく轟く雷電をその身に纏い、暴走する列車のような凄まじい勢いでディザソルに突っ込む。
「ディザソル、神速!」
ディザソルもその攻撃に対し、神の如き速度でゼブライガに突っ込み、互いに激突する。
ゼブライガからは激しくスパークする電撃が近くの壁やレールを削り、ディザソルからは溢れ出る神々しいエネルギーがなびいている。
一進一退もせず、互いに一歩も進まず退かずの攻防が展開されていく中、それは起こった。

ゼブライガから放出される電撃が、レールの一本をへし折ったのだ。

レールが折れれば勿論その上に乗っているディザソルやゼブライガも落ちるわけで、二匹のポケモンは下にネットへと落下する。
このまま同時に落ちれば引き分けになる。が、しかし
「ディザソル!」
イリスがそう叫ぶと、ディザソルは空中で体を一回転させ、ゼブライガに二枚の刃のような尻尾を押し付け、バネのように跳躍した。
跳躍したディザソルはそのままレールの一本にスタッと立ち、ゼブライガはそのままネットへと落下。
最後のポケモンがネットに落ちた場合は、そのポケモンの敗北。それがここ、ライモンジムのルールだ。
一年前、イリスはそのルールを使ってカミツレに勝利したのだ。
そして、今回も。
「……あーあ、また同じ轍を踏んじゃった」
その言葉とは逆に、しかしカミツレは楽しそうな表情だった。



今回は冗談抜きで本編が長くなってしまったので、あとがきは短くします。えーっと、では簡潔に。ディザソルが神速を覚えました。そしてイリスはカミツレに勝利しました。次回も再戦シリーズは続きます。ですが次回の再戦シリーズが終わったら、ちゃんとストーリーを進めます。……とまあ、こんな感じですか。では次回もお楽しみに。