二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 17章 変貌 ( No.43 )
日時: 2011/08/01 11:49
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

イリスは白い階段を駆け上がり、町の中で割と高い場所に出る。
ここカゴメタウンは立体的な構造をしているため、小さな町とは言え人一人探すのにも苦労する。
「もう少しだと思うんだけどな……」
イリスは走る。正直当て所などないが、とにかくこの規模での強襲なら、十中八九プラズマ団の幹部——7P(セヴンプラズマ)が絡んでいるはずだ。
イリスは今度は階段を駆け降り、十字路に出る。
すると、懐かしき人物に出会う。
「イリス君!」
「キリハさん!」
出会ったのは、一年前にいろいろと世話になったPDO——プラズマ団壊滅組織のヒウン支部統括補佐、キリハだった。
「どうしたキリハ……って、お前かよ」
そしてキリハの後ろから出てきた赤い髪の青年。彼もPDOのセッカ支部統括、そしてミキの実兄、ザキだ。
「ザキさんも……なんでここに?」
「それはこっちの台詞……と言いたい所だが、一応言うよ。僕らPDOはプラズマ団の動向を探るために三人編成で各町にに潜伏しているんだ。そして僕らはここ、カゴメタウンに潜伏している」
「そこでプラズマ団の強襲があって、俺達は行動してるわけさ」
「そうなんですか……。……あれ? でも三人編成なら、もう一人の人は?」
イリスは周りを見つつ問う。
「もう一人はリオなんだ。でも、プラズマ団が襲ってきたと知ると、一目散に駆け出して、僕らは今探しているところだ」
キリハは嘆息しつつそう言う。相変わらず苦労してるようだ。
「お前も良いタイミングで現れてくれたもんだ。リオを探すのと、プラズマ団の殲滅、手伝え」
完全命令口調でザキは言うが、言われるまでもなくそうするつもりだった。
「それじゃあ、僕とザキはこっちの北側を探す。イリス君はまだ探してない東側へ向かってくれ」
「分かりました」
そうして、イリスは十字路を右へと走っていく。



イリスがカゴメタウンの東側——その出口付近まで来ると、そこにはやられたプラズマ団の死体(注:これは比喩です)が積み重なっていた。
そしてそのプラズマ団が散らばる中、一人立っている女性——いや、少女がいた。
少女は背中ほどの長さの金髪を一部三つ編みにしており、上は白いワイシャツに黒いネクタイ、下は赤地に黒いチェックのスカートを履いていて、腰にはベルトとともにいくつかポーチが付いている。
イリスは見たことない人——しかしどこかで知り合っていて、知っているような奇妙な感覚に襲われる。
「あ……イリス」
少女は振り向き、イリスを見つけるとその名を呼ぶ。まるで当然の如く知り合いであるように。
「え……あ、えっと……」
イリスは上手く言葉を返せない。奇妙な感覚に襲われ、脳の情報処理が追いつかない。
「久しぶりだね……一年振りか。元気だった?」
「ええと……」
イリスは口ごもる。まず目の前の少女が誰なのかも分からず、そして質問内容も答え難いものだった。イリスは一年間無気力に過ごし、元気にしているとは言い難いからだ。
「あ……。久しぶりの再会に感動してる場合じゃないみたい」
少女は言うと、ボールを手にとって後ろを向く。そこには、大勢のプラズマ団。
プラズマ団は次々とポケモンを繰り出してくる。その一体一体がそれなりに鍛えられているのが分かる。ただの下っ端ではないようだ。
「連戦だけど頼むよ。シャンデラ!」
少女が繰り出したのは青紫色の炎を灯すシャンデリアのようなポケモン、誘いポケモンのシャンデラだ。
そして、イリスはこのシャンデラを見た事がある。
「……リオさん?」
「なに?」
イリスの頬はひくひくと痙攣している。
「リオさん、ですか?」
「だからなに?」
「PDOヒウン支部統括、住所は電気石の洞穴前、デスクワークを嫌い、バトルを好み、仕事をサボって、バトルサブウェイでは単身でマルチトレインに挑み、駆け込み乗車してノボリさんに注意され、自由奔放で相当な実力を持つリオさんですか?」
「なんでそんな説明口調で個人情報とプライベートと汚点を流出するの……。確かに私はリオよ、それ以外の何者でもないわ」
「…………」
イリス、硬直。復活まで三秒。三……二……一……零

「えぇええええええええええええええええええええええええええ!?」

イリスは人生最大の声量で絶叫する。鼓膜が破れそうだ。
「ちょっ……そんなに驚く事?」
少女——リオは耳を押さえつつイリスに問う。ちなみに今の絶叫でプラズマ団の下っ端の四分の一ほどが戦闘不能になった。
「僕からしてみればキャラの変化は絶叫するに値するものです。それが中身であろうと、外見であろうと」
「キャラの変化って……」
軽くメタ発言である。イリスは小説だけでなく、漫画本も嗜んでいるのだ。
「ま、リオさんだと分かった所で疑問払拭です。手伝いますよ」
「ありがとう、助かるわ」
そうして、イリスとリオは力を合わせてプラズマ団の下っ端を薙ぎ倒していった。
そして二人がプラズマ団を一掃し終えた後、新たなプラズマ団が来る。
しかし、一人で。だが、強大な。

「おやおや、まさかもうやられてしまうとは。完全に予想外です。下っ端はもう使い物にならなさそうなので、あなた方のお相手は、この私。エレクトロが務めさせていただきましょう」

そのプラズマ団は、黄色い髪に執事服を着たプラズマ団。7Pの一人、エレクトロだった。



今回はPDOの方々が登場です。そして霧火さんのオリキャラ、リオも登場しました。霧火さん、キャラ崩壊などの不備があれがお申し付けください。では、次回は再度登場した7P、エレクトロとのバトルになるか。お楽しみに。