二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 353章 錐揉み ( No.439 )
- 日時: 2011/11/02 19:03
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「ふん、戻れボンバット」
ヤーコンはボンバットをボールに戻し、最後のボールを構える。
「まさかこの俺様に、こいつを使わせるとはな。気は進まんが、だがしかし、全力でやると決めた以上、出さないわけには行かんな。さあ行け俺様最後のポケモン、ドリュウズ!」
ヤーコンの最後のポケモンは、地底ポケモンのドリュウズ。巨大なモグラのようなポケモンで、両手と頭に鋼の刃物が付いている。
「速攻で決めるぞ。ドリュウズ、メタルクロー!」
ドリュウズは両手の鋼の爪を構え、リーテイルに突っ込む。
「リーテイル、リーフブレードで迎え撃て!」
リーテイルも鋭い尻尾の刃を振るって迎え撃つが、ドリュウズの爪は巧みな動きでリーテイルの刃を止め、もう片方の爪でリーテイルを引き裂く。
「リーテイル!」
するとボンバット戦で体力がピークに達していたリーテイルは、戦闘不能となる。
「戻れリーテイル、よくやった」
イリスはリーテイルをボールに戻し、もう決まっている最後のボールを構える。
「相手はドリュウズ。だったらこいつで行くっきゃない。出て来い、ズルズキン!」
イリスの最後のポケモンは、悪・格闘タイプのズルズキンだ。
「一気に行くぞズルズキン、諸刃の頭突き!」
ズルズキンは頭を突き出し、自身をも傷つけるほどのエネルギーを纏って突進する。
「ドリュウズ、岩雪崩で止めろ!」
ドリュウズは虚空より無数の岩石を降り注ぐが、ズルズキンは落ちてくる岩石を砕き、進行方向を塞ぐ岩石も砕きで、全く止まる気配はない。
「だったら瓦割りだ!」
ドリュウズは爪を揃え、手刀を突っ込んでくるズルズキンの頭に叩き込む。
だがそれでもズルズキンは止まらず、しかし勢いは減衰されたようで、ドリュウズは大きく吹っ飛ばされることはなかった。
「ズルズキン、マグナムパンチ!」
ズルズキンの大砲のような拳が飛ぶ。
「ドリュウズ、かわしてメタルクロー!」
ドリュウズは素早い動きでその拳をかわし、鋼鉄の爪でズルズキンを引き裂く。
「これくらいで怯むなズルズキン、マグナムパンチ!」
ズルズキンはメタルクローを喰らいながらも大砲のような拳を放ち、ドリュウズに叩き込む。
「ブレイズキック!」
そこに炎を灯した足での回し蹴りを決め、ドリュウズは吹っ飛ばされる。
「むぅ、ドリュウズ、小生意気なガキどもを蹴散らせ!ドリルライナー!」
ドリュウズは頭と両手の鉄片を合わせ、ドリルの形状となる。ドリル形態となったドリュウズは超高速で錐揉み回転をしながら、ズルズキンへと突っ込む。
「ズルズキン、マグナムパンチで迎え撃て!」
ズルズキンも拳を大きく振りかぶり、ドリュウズが突っ込んでくるのに合わせて大砲のような拳を突き出す。
しかし拳の力は回転により流されてしまい、ドリュウズには全く届かない。どころか完全に無防備な状態でズルズキンはドリルライナーを喰らった。
「ズルズキン!」
ズルズキンは大きく吹っ飛ばされたものの、なんとか立ち上がる。
「ふん、休む暇など与えぬぞ。ドリュウズ、瓦割り!」
ドリュウズは手刀を構え、ズルズキンへと向かって来る。
「くっ、ズルズキン、噛み砕く!」
ズルズキンは振り下ろされる手刀を鋭い歯で噛んで止め、グイッとドリュウズを引き寄せる。
「ブレイズキックだ!」
引き寄せて体勢の崩れたドリュウズに、ズルズキンは炎を灯した強烈な膝蹴りを喰らわせ、ドリュウズを吹っ飛ばす。
「諸刃の頭突きで追撃だ!」
さらにズルズキンはドリュウズに落下点を狙い、諸刃のエネルギーを纏って突進するが
「ふん、ドリュウズ、岩雪崩だ!」
ドリュウズは虚空より無数の岩を降り注ぐ。しかしその岩はズルズキンを攻撃するためではなく、その岩を足場に、ドリュウズはズルズキンの真上へと移動した。
「喰らえ、ドリルライナー!」
丁度ズルズキンの動きが停止した所に、ドリュウズは超高速錐揉み回転しながらズルズキンへと突撃する。
ズルズキンは何もできず、回避行動も防御反応もできずに、その攻撃の直撃を喰らう。
「ズルズキン!」
砂煙が舞う。するとその砂煙の中からズルズキンが飛び出した。全身ズタボロではあるが、なんとか戦闘不能は免れているらしい。
「ふん、まだ耐えていたのか。だったらすぐに止めを刺してやる。ドリュウズ、岩雪崩!」
「ズルズキン、諸刃の頭突き!」
ドリュウズは虚空より無数の岩石をズルズキンに降り注ぐが、ズルズキンは真上に向かって諸刃の頭突きをし、その膨大なエネルギーで岩石を全て砕いた。
しかし、ドリュウズの攻撃は終わらない。
「ドリュウズ、ドリルライナー!」
ドリュウズはズルズキンが着地した直後、さながらドリルのように超高速回転しながらズルズキンへと突撃する。
この攻撃を喰らえばズルズキンは間違いなく戦闘不能。しかし迎え撃つことは不可能、どんな力も回転が流してしまう。回避も難しい、ドリュウズの攻撃はかなり速い。
ならズルズキンは
「ズルズキン、受け止めろ!」
ズルズキンは両手を前に突き出し、突っ込んでくるドリュウズを受け止めた。
しかし勿論ドリュウズのパワーの方が圧倒的に高いので、ズルズキンはどんどん後退していく。
しかしその動きは不自然だった。ズルズキンが擦った地面の跡は、何故だか斜めになっている。
それは
「今だズルズキン、側面からマグナムパンチ!」
ズルズキンはギリギリまでドリュウズを引き寄せると、片足を軸に一回転するようにドリュウズの側面へと出る。
するとドリュウズは一瞬だけ隙だらけ。ズルズキンはその隙を狙い、大砲のような拳を突き出し、ドリュウズをぶん殴る。
「ドリュウズ!」
ドリュウズは大きくぶっ飛び、壁に激突し、壁に大きな凹みを作って、戦闘不能となった。
「……俺様はまた、同じ手でやられたか」
ヤーコンはドリュウズをボールに戻しながら、一人呟く。
「ふん、やっぱりいけ好かないガキだ。たった一年で、こんなに強くなりおってからに」
そしてその言葉とは裏腹に、その顔は笑っていた。
はい、今回はイリス対ヤーコン、決着でした。ヤーコンの切り札は例のドリュウズです。ちなみにドリュウズとモグルトンは同じタイプです。まあ、なんか似てますしね、二体とも。今更気付きましたが、カミツレとヤーコンの決着の最後の方の描写が似ています。まあ、二人は微妙に接点がありますから、別にいいでしょう。それとヤーコンの同じ手でやられたというのは、前作のホドモエシティジム戦をお読みください。大体分かります。では次回は再戦シリーズを一旦止め、かの救世主様たちの話に入ります。救世主と聞いて、分かる人は分かるでしょう。まあ、詳しくはまた次回。ということで、お楽しみに。