二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 360章 思索 ( No.446 )
- 日時: 2011/11/03 21:07
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「出て来て、タテボーシ!」
ベルが繰り出すのは、水・毒タイプを持つ海坊主ポケモン、タテボーシだ。
「タテボーシ、ハイドロポンプ!」
タテボーシ大口を開け、そこから大量の水を噴射する。
初っ端から大技だ。
”ですがそのような単調な技は、私には当たりません”
ビリジオンの言う通り、ビリジオンは草原を吹き通る風のような動きで噴射される水流を回避する。
”舞い狂え、毒の朽葉!”
そして毒が含まれた葉っぱを無数に舞い上がらせ、それらをタテボーシに飛ばし、切り刻む。
”斬り返せ、燕の一閃!”
さらにタテボーシに急接近すると、その液体のような体を幾度の切り裂く。
「タテボーシ、ヘドロ爆弾!」
だがタテボーシは鈍いのか何なのか、特に反応も示さず、ビリジオンに向けてヘドロの塊を複数放つ。
”不浄の物体ですね。そのようなものは、受け付けません。切り結べ、草木の刀!”
ビリジオンはヘドロの塊をかわすと、緑色の刃でタテボーシを切り裂く。
「そんな攻撃じゃ、液体のタテボーシにまともなダメージは与えられないよ!タテボーシ、シグナルビーム!」
タテボーシは口から手から、色彩を束ねたカラフルな光線を発射する。
”切り裂け、正義の刃!”
しかしその光線も、ビリジオンは容易く回避して、光り輝く刃でタテボーシを切り裂く。
そしてその攻撃も厄介なものだ。ビリジオンの攻撃は辻斬りのように通り過ぎて切り裂く斬撃なので、反撃し難い。それが鈍重なタテボーシなら、なおさらだ。
”斬り返せ、燕の一閃!”
ビリジオンは返す刀でタテボーシを切り裂く。
「タテボーシ、連続でシャドーボール!」
タテボーシは口から四つ、両手に一つずつ、計六つの影の球を作り出し、ビリジオンに向けて放つ。
”効きませんよ。切り結べ、草木の刀!”
ビリジオンは一瞬にして六つのシャドーボールを通り過ぎ、それらを全て切り落とす。
「うぅ、せめて一撃でも当たれば……タテボーシ、ヘドロ爆弾!」
タテボーシはヘドロの塊を、複数ビリジオンへと飛ばすが
”舞い狂え、毒朽葉!”
ビリジオンはポイズンリーフでヘドロの塊を切り裂き、残ったものは自分で回避。
”切り結べ、草木の刃!”
さらに今度は緑の刃でタテボーシを切り裂く。
ビリジオンの攻撃は一撃一撃が軽いが、それでも何度も何度も攻撃するので、ダメージが蓄積しやすい。
タテボーシも結構耐久力はあるほうだが、それでもいつかは力尽きる。
「ヘドロ爆弾!」
タテボーシは複数ヘドロの塊を飛ばすも、ビリジオンには当たらない。
「ハイドロポンプ!」
大量の水を噴射しても、当たらない。まるでビリジオンにはどんな攻撃も届かないと感じさせるような、恐るべき回避率だ。
”舞い狂え、毒の朽葉!”
そうこうしているうちに、ビリジオンは毒が含まれた葉っぱを無数に飛ばし、タテボーシを切り刻む。
”止まりませんよ。切り裂け、正義の刃!”
「タテボーシ、シャドーボール!」
ビリジオンが刃を光り輝かせて突っ込んでくるのに合わせ、タテボーシは影の球を口から五つ、両手から二つずつ、計九つ放ち、遂にビリジオンへの攻撃に成功した。
”くぅ、抜かりましたか……”
ビリジオンは素早く体勢を立て直そうとするが
「やったぁ!タテボーシ、このまま行くよ!シグナルビーム!」
そこにタテボーシのシグナルビームが飛び、ビリジオンの体を掠める。
”舞い狂え、毒の朽葉!”
「ハイドロポンプで薙ぎ払って!」
ビリジオンは毒が含まれた葉っぱを無数に飛ばすが、タテボーシが鞭のように放つハイドロポンプにより全て撃ち落とされてしまう。
「ヘドロ爆弾!」
調子付いてきたタテボーシはヘドロの塊をビリジオンへと放つが
”斬り返せ、燕の一閃!”
ビリジオンはいつの間にかタテボーシのすぐ側まで接近しており、タテボーシの液体状の体を切り裂く。
するとタテボーシは、悲鳴のような呻き声をあげる。
「タテボーシ!」
どうやらタテボーシは急所を切り裂かれたらしく、かなりのダメージを負ってしまった。
”ふぅ……一時に猛攻には驚かされましたが、しかしそれも偶然のことですね。あまり長々と戦っていても、私が不利になるだけのようですし、そろそろ決めます。切り裂け、正義の刃!”
ビリジオンは光り輝く二つの刃を構え、タテボーシへと駆け出す。まるで疾風のようなスピードだ。
「あぅ……タテボーシ、ヘドロ爆弾!」
タテボーシはせめてもの足掻きとして、ヘドロ爆弾を放つ。
しかし結果として、ヘドロ爆弾は放たれなかった。
放たれたのは、毒々しい有害な塊だった。
”!?”
ビリジオンは虚を突かれたその攻撃を避けることができず、直撃を喰らってしまう。
「い、今の技って……」
ベルは図鑑をいそいそと取り出し、先ほどの技を調べる。
「危険な毒素……新しい技!?」
ベルの顔が、パァっと明るくなった。
「タテボーシ、新しい技を覚えたんだね!」
タテボーシはコクリと頷く(ような素振りを見せる)。
「よーし、じゃあ行くよ。タテボーシ、危険な毒素!」
タテボーシは毒々しい有害な物質を放つ。その大きさはかなり大きく、しかも複数吐き出し、毒液も飛び散るので完全にかわすのは難しい。
”くっ、不浄ですね……舞い狂え、毒の朽葉!”
ビリジオンは毒を含んだ葉っぱを無数に飛ばすが、有害物質を相殺することはできず、結果としてビリジオンは大ダメージを受けてしまった。
「ハイドロポンプ!」
そこにタテボーシは大量の水を噴射して追撃をかける。
”そう何度も喰らいませんよ。切り結べ、草木の刀!”
ビリジオンは緑色の刃で襲い来る水流を切り裂き、タテボーシに迫る。
”切り裂け、正義の剣!”
そして光り輝く刃を構え、タテボーシに斬り掛かるが
「タテボーシ、危険な毒素!」
ビリジオンは焦って真正面から突っ込んでしまった。なのでタテボーシが吐き出す危険な毒素をかわすことができず、直撃を喰らって吹っ飛ばされる。
”うああぁぁぁ!”
ビリジオンは原っぱに転がり、崩れ落ちる。
「ふぅ……やったね」
ベルはにっこりと笑って、勝利を喜ぶ。
かくして、チェレンは草原の救世主、ビリジオンに勝利したのであった。
今回はベル対ビリジオン、決着でした。なんでかこの回は筆が乗らず、いまいちな出来になった気がするんですよね……まあ、そんなことを言っても詮方なしですけどね。ベルのタテボーシも、チェレンのファマイン同様に新技を習得して救世主に勝利です。これで一応、救世主達の話の、四分の三は終わりです。残りの四分の一は、そのうち出ます。というか、前回の最初の部分を読めば分かるでしょう。次回にもそのことはもう少し詳しく書く予定ですが。では次回は……って、さっき言いましたね。まあこれで第十二幕はほぼ終了。残るは四天王とのバトルです。というわけで、次回もお楽しみに。