二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 362章 野火 ( No.450 )
- 日時: 2011/11/05 18:57
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「出て来い、メタゲラス!」
イリスの二番手は、鋼・地面タイプのメタゲラスだ。
毒は鋼で無効、地面で弱点を突けるため、モアドガスには攻防ともに有利だが
「イリスさん、わたくしのモアドガスの覚える技の一つをお忘れですか? モアドガス、大文字!」
モアドガスは大の字の巨大な炎を放つ。
そう、ミヤマは毒タイプ使い。なので毒技を無効化する鋼タイプへの対策も、当然してあるのだ。
「忘れてなんていませんよ。メタゲラス、大地の怒りだ!」
メタゲラスは大地を踏み鳴らし、地面から大量の土砂を噴出する。
これが当たればモアドガスは大ダメージだろうが、しかし距離が遠くて当たらない。
だがそれでも構わない。何故ならイリスの思惑はモアドガスを攻撃することではないからだ。
「!? 炎が……!?」
メタゲラスが噴出した土砂は襲い掛かる大文字に降りかかり、炎を消していく。
野火に砂をかけて消すのと同じ要領だ。
「そこだメタゲラス、メガホーン!」
メタゲラスは剣のような角を構え、モアドガスに突進する。
「くぅ、ならばモアドガス、サイコバレットですわ!」
モアドガスは銃弾のような念動力を連射してメタゲラスを銃撃するが、メタゲラスの鋼鉄の装甲はそれらの銃弾を弾く。
そしてメタゲラスの強烈な一突きがモアドガスに突き刺さる、モアドガスは悪タイプも持ち合わせているので効果は半減されない。
「メタルブラスト!」
メタゲラスはメガホーンを喰らって怯んだモアドガスを、光線状になった大量の鋼を撃ち出して吹っ飛ばす。
「モアドガス!」
モアドガスは数秒の滞空時間後、地面に落下。三つの顔は全て目を回しており、戦闘不能だ。
「戻ってくださいませ、モアドガス」
ミヤマは慈愛に満ちた表情でモアドガスをボールに戻し、次のボールを構える。
「あなたの鋼は相当硬いようですが、ですがわたくしの鋼もなかなかですよ。それを今からお見せします。おいでませ、アーボスク!」
ミヤマの二番手は、コブラポケモンのアーボスク。顔のある胴体がやけに太い大蛇のようなポケモンだ。
「毒と鋼か。だったらメタゲラスの格好の獲物だ。メタゲラス、大地の怒り!」
メタゲラスは大地を踏み鳴らして大量の土砂を噴射する。
「アーボスク、とぐろを巻く」
アーボスクは太い胴体でとぐろを巻き、降り注ぐ土砂攻撃に備える。
アーボスクは土砂に埋まったものの、とぐろを巻くで物理能力と命中率を上げており、山のように積もった土砂から平然と飛び出す。
「効きませんわよ。アクアテール!」
アーボスクは尻尾に水を纏わせ、大きくジャンプしてメタゲラスの脳天にその尻尾を叩きつける。
「くぅ、メガホーン!」
メタゲラスは乗りかかるような体勢のアーボスクに角を突き出して引き剥がすが、効果は四分の一なので大したダメージはない。
「ストーンエッジ!」
「メタルブラストです」
メタゲラスが放つ無数の尖った岩を、アーボスクは大量の鋼を撃ち出して全て粉砕する。
「ドラゴンダイブ!」
そしてそのまま凄まじい殺気を発しながらメタゲラスに突撃。重量級のメタゲラスを吹っ飛ばした。
「メタゲラス!?」
流石にこれには驚いた。アーボスクも相当重いが、メタゲラスとは100kg以上の重量差があるので、吹っ飛ばすなんて芸当を容易ではないはずだ。
「くぅ、メタゲラス、大地の怒り!」
「アーボスク、とぐろを巻く」
メタゲラスは地面から大量の土砂を噴射するが、アーボスクはとぐろを巻いてその攻撃を耐え切る。
「メタルブラスト!」
メタゲラスは土砂に埋まったアーボスクに向かって大量の鋼を撃ち出す。するとアーボスクを埋めていた山のような土砂は吹き飛んだが、アーボスクは平然としていた。
「ふふ、その程度じゃ効果はありませんわよ。このアーボスクはモアドガス同様、防御方面に特化させております。ですが悪タイプのモアドガスより鋼タイプのアーボスクの方が防御力は上、さらにとぐろを巻くという物理防御を高める技を覚えさせることにより、より一層防御に磨きが掛かりました。今のアーボスクは、少々の攻撃ではやられませんよ」
確かにミヤマのアーボスクは硬い。それはイリス、いやメタゲラスが最もよく分かっている事だ。
「そして勿論、攻撃面もモアドガスより上です。アーボスク、ドラゴンダイブ!」
アーボスクは凄まじい殺気を発しながらメタゲラスに突撃する。
「メタゲラス、大地の怒り!」
メタゲラスは大地を踏み鳴らして地面から大量の土砂を噴出し、アーボスクの攻撃を止めようとするが、アーボスクは止まらない。
「くっそ、だったらメガホーンだ!」
止まらないなら迎え撃つ。ということでメタゲラスは角を構え、突っ込んでくるアーボスクを迎え撃つように突進する。
両者激しくぶつかり合うが、しかし競り合うような事はなく、結果としてメタゲラスが呆気なく押し負けた。
「そこですわ、アクアテール!」
アーボスクは水を纏わせた尻尾を、地面に落下したメタゲラスに振り下ろし、叩き込む。
「これで終了です。メタルブラスト!」
アーボスクは尻尾を叩きつけた反動を利用して上空へと跳び、上からメタゲラスに大量の鋼を放つ。
「メタゲラス!」
メタルブラストの直撃を受けたメタゲラスは、またも吹っ飛ばされ、地面を転がる。
最終的に仰向けになったメタゲラスは、完全に目を回しており、戦闘不能だった。
「くっ、戻れメタゲラス」
イリスはメタゲラスをボールに戻す。
毒タイプ使いのミヤマに対して、攻撃面で有利な地面タイプ、防御面で有利な鋼タイプ、その両方を兼ね備えたメタゲラスを失うのは、大きな損失だ。
「……でも、そんなこと嘆いたってしょうがない。メタゲラスの頑張りを、無駄にせず次に繋げる」
イリスは次なるボールを握り締め、ミヤマとアーボスクを見据える。
今回はイリス対ミヤマ、その二です。イリスの二番手、メタゲラスはモアドガスを下し、アーボスクと奮戦しますが、あえなくアーボスクには敗れてしまいます。モアドガスとのバトルを読めば分かるでしょうが、イリスのメタゲラスは大地の怒りを使うことにより苦手な炎タイプ技を克服しています。具体的には大地の怒りで噴射した土砂を炎に降りかけて炎を消します。今回描写したように、野火を砂で消すのと同じです。では次回はイリス対ミヤマ、その三です。お楽しみに。