二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 363章 頑強 ( No.451 )
- 日時: 2011/11/04 20:00
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「出て来い、ディザソル!」
イリスの三番手はディザソルだ。
素早い動きで撹乱しつつ、怒りの炎で弱点を突く作戦だ。
「行くぞディザソル、まずは神速だ!」
ディザソルは神の如きスピードでアーボスクに突撃する。しかし硬い鋼タイプのアーボスク、それもとぐろを巻くで防御が上がっているアーボスクに、ノーマルタイプの技はほとんど効いていない。
「ツヴァイテール!」
ディザソルは激突した衝撃を利用して空中に跳ぶと、硬化させた刃のような二又の尻尾をアーボスクに叩きつける。
これも、効果は薄い。
「その程度では、アーボスクは倒せませんよ。アーボスク、アクアテール!」
アーボスクは尻尾に水を纏わせて薙ぎ払うが、ディザソルは俊敏な動きでその攻撃をかわす。
「怒りの炎!」
ディザソルはアーボスクに接近したまま怒り狂ったように燃え盛る炎を出現させ、アーボスクを包み込む。
「アーボスク、お気になさらず。ドラゴンダイブですわ!」
アーボスクは燃え上がったまま凄まじい殺気を発し、ディザソルに向かって突っ込む。
「かわして怒りの炎!」
ディザソルはアーボスクの単調な突撃を事も無げにかわすと、再度憤怒の炎を放ってアーボスクを攻撃。
いくら防御の高いアーボスクでも、この炎は堪えるだろう。
実際、炎が消えたアーボスクの顔は、疲弊で満ちていた。
「もう一押しか……ディザソル、神速!」
ディザソルは超高速でアーボスクに突撃する。
「辻斬り!」
そしてそこから頭の二つの刃、尻尾の二つの刃、合計四つの刃でアーボスクの急所を四度切り裂く。
「くっ、アーボスク、アクアテールですわ!」
アーボスクは水を纏った尻尾を振り回してアブソルを引き剥がそうとするが、ディザソルはアーボスクに接近したままだ。
「メタルブラスト!」
アーボスクは口から光線状になった大量の鋼を撃ち出すも、ディザソルには当たらない。
「そろそろ決めるよディザソル、怒りの炎!」
ディザソルは怒り狂ったように燃え盛る憤怒の炎を放ち、アーボスクを炎で包み込む。
「アーボスク!」
するとアーボスクは遂に力尽き、その場に崩れ落ちて戦闘不能となる。
「……戻ってくださいませ、アーボスク」
ミヤマはモアドガスの時と同じように、慈愛に満ちた表情でアーボスクをボールに戻し、次のボールを構える。
「それでは、わたくしの次のポケモンをお見せしましょう。おいでませ、ニドキング!」
ミヤマの三番手は、紫色のゴツゴツした鎧のような体を持ち、背中には無数の棘、額にも一本の長い棘が生えている、怪獣のようなポケモン。ドリルポケモンのニドキングだ。
「行きますよ。ニドキング、ファイターショック!」
ニドキングは拳を握り、思い切り拳を振り抜いて衝撃波を飛ばす。
「懐かしい技が出たな……ディザソル、かわしてツヴァイテール!」
ディザソルは跳躍して衝撃波をかわし、ニドキングに硬化させた尻尾の二連撃を喰らわせる。
「怒りの炎だ!」
ディザソルは一旦ニドキングから距離を取ると、憤怒の炎を出現させ、ニドキングへと放つ。
「ふふ、効きませんよ。ニドキング、大地の怒り!」
ニドキングは大地を踏み鳴らし、地面から大量の土砂を降り注いで怒りの炎を消し去ってしまう。
「これは……!」
「お分かりですよね。あなたの戦法、真似させて頂きましたわ」
相手の炎に噴射した土砂を降りかけて消す。イリスのメタゲラスが使う戦法だ。
ミヤマはたった一度それを見ただけで、完全に真似てしまった。
「一回でも見れば、十分すぎますわ。ニドキング、アイアンテール!」
ニドキングは太い尻尾を鋼鉄のように硬化させ、ディザソルに近づき振り回す。
「くっ、ディザソル、かわして怒りの炎!」
ディザソルは後ろに跳んで鋼鉄の尻尾をかわし、憤怒の炎を放つが
「大地の怒り!」
ニドキングは地面から大量の土砂を噴射し、炎に降りかけて消火する。
「お次はファイターショック!」
ニドキングは素早く拳を振り抜き、闘魂の衝撃波を飛ばす。
「ディザソル、神速!」
ディザソルは神の如き超高速で衝撃を回避し、そのままニドキングに突撃。しかしニドキングは、眉一つ動かさない。
「残念ながら、このニドキングも防御を重点的に育てていますの」
このニドキングも、先ほどのモアドガスやアーボスクのように硬いようだ。
「ですから、何度も言うように生半可な攻撃は効きませんよ。ニドキング、アイアンテール!」
「そうですか、ディザソル、ツヴァイテール!」
ニドキングが薙ぎ払うような軌道の鋼鉄の尻尾を、ディザソルがそれを突き上げるような軌道の硬い二又の尻尾をそれぞれ繰り出す。
しかしニドキングの尻尾は予想以上に重量があり、ディザソルは突き上げられず吹っ飛ばされてしまった。
「なっ……ディザソル!」
ディザソルは地面を激しく転がり、体勢を大きく崩してしまう。
「今ですわニドキング、ファイターショック!」
ニドキングは拳を振り抜いて強烈な衝撃波を飛ばし、ディザソルを攻撃。
まだ戦闘不能ではないようだが、大ダメージだ。もうほとんど体力は残っていないだろう。
「さて、これで止めですわ。ニドキング、ポイズンスピア!」
ニドキングはそのゴツイ体にしては素早い動きでディザソルに接近し、猛毒を帯びた長い角を突き刺す。
「ディザソル!」
ディザソルは痙攣したように大きく仰け反ると、バタリとその場に崩れ落ちる。
「遂に戦闘不能か。戻ってくれ、ディザソル」
イリスはディザソルをボールに戻す。
「さて、ニドキングか。毒と地面タイプ……」
イリスはしばし考え込み、次のボールを手に取る。
「やっぱここは、定石どおりに行くか。出て来い、エルレイド!」
イリスの四番手はエルレイド。エスパー技だけでなく、氷技も覚えているので地面タイプの弱点を突ける。
「ふふ、これはまた華奢なポケモンが出てきましたわね。……いいえ、見た目で判断してはなりませんわ。厳しさの中に優しさ、穏やかさの中に激しさを持ち合わせている……」
ミヤマは思い出すように呟く。
「それでは今度こそ本当の、激しい毒の嵐、とくと味わってくださいまし!」
「善処しますよ」
燃えているミヤマの言葉を、クールに返すイリス。
なにはともあれ、ここからが、ミヤマの本領発揮ということとなる。
今回はイリス対ミヤマ、その三です。ミヤマの三番手は懐かしきニドキング。そして懐かしき技、ファイターショックを使用します。ミヤマのポケモンはここまで全て防御が高い設定ですけど、こうなると他のポケモンも全て硬いような気がしますね。まあ、どうなるかは次回以降のお楽しみです。では次回はイリス対ミヤマ、その四ですね。僕の見立てでは、次回、その次、そのまた次くらいで決着にすると思います。ですからあと三回ですね。では、次回もお楽しみに。