二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 18章 強化 ( No.46 )
日時: 2011/07/31 22:49
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「さてはて、どちらから参りますか? 私はどちらからでも、もっと言えば両方一遍に掛かって来ても構いませんが?」
エレクトロは余裕の表情で不敵に笑う。ちなみにエレクトロは現在、トロピウスに乗っている。
「リオさん、僕は前に一度だけ、あいつに会った事があるんですが……どうにも、他の奴らとは雰囲気が違いますよ。たぶん、7Pの中でもトップクラスの実力者です」
「言われなくとも分かるわ。強者の気がビンビンする」
リオはエレクトロを見上げつつ言う。
「来ないのですか? 一応言っておきますが、私はあなた方を足止めする役割があります。恐らく、仲間の一人が今交戦中——もしくは計画を遂行している所でしょう。あなた方が攻めてこないのは、私にとっても好都合な事です」
エレクトロは丁寧な口調だが、重圧を感じる。バトルも強そうだが、話術にも長けているらしい。さすが7P(セヴンプラズマ)、底が知れないと言った所か。
「ですが、私も戦いたくないと言えば嘘になります。そちらが来ないのであれば、こちらから行きますよ」
エレクトロとトロピウスが臨戦態勢に入る。その時だった

「変な叫び声が聞こえたから来てみれば、お前かよ」
「リオ、ここにいたのか。探したよ……」

PDOメンバー、ザキとキリハが現れた。
「ザキさん、キリハさん……何でここに……?」
「言ったろ。変な叫び声が聞こえたから来たって」
イリスの叫び声である。意外なところであの絶叫は役に立ったというわけだ。
「で、どうやらこっちにも幹部クラスの大物がいるらしいな」
ザキが呟く。
「予期せぬ援軍ですか。四人で私に挑むのですか? 少々きつそうですが、私は構いませんが?」
エレクトロは四対一という絶望的にも思える状況にありながら、まだ余裕がある。
「ケッ、お前なんかに四人がかりで挑むこたぁねえ」
「イリス君、今すぐ北へと向かってくれ。実はそこにも幹部クラスのプラズマ団がいて、僕らに協力してくれたトレーナーが戦ってる。救援に行ってくれ」
どうやら北側にも7Pがいたらしい。
「分かりました。キリハさん達も、お気をつけて」
そう言ってイリスは階段を駆け上がっていく。その途中、PDOメンバーとエレクトロの会話が聞こえてくる。
「四人ではなく三人で来ますか。それならこちらも三体のポケモンを出させて頂きましょう。行きなさい、ハッサム、ファントマ」
エレクトロが繰り出したのは、はさみポケモンのハッサムと幻影ポケモンのファントマ。
ハッサムは赤い光沢のある体に両手のハサミ、背中には飛べなさそうだが羽がある。タイプは虫・鋼タイプ。
ファントマは紫色の火の玉のようで、周りには小さな炎の破片が纏わり付いている。タイプは炎タイプ。
「僕らだって、この一年、暇を見つけつつトレーニングを積んできたんだ。如何に相手が7Pでも、そう簡単には倒されないよ。出て来い、ペガーン!」
「そうだ。妹ばっかりいいとこみせて、俺はほとんど出番がなかったからな。その雪辱を糧にして強くなった。行け、テペトラー!」
若干一名言っている事がおかしいが、二人ともそれぞれ新たなポケモンを繰り出す。
キリハのポケモンは神話に出てくるペガサスのようなポケモン。跳ね馬ポケモンのペガーン。エスパー・飛行タイプ。
ザキのポケモンは腹に×マークの付いている直立した河童のようなポケモン。河童ポケモンのテペトラー。水・格闘タイプ。
そしてリオは場に出ているシャンデラに引き続き戦ってもらう。
イリスはいかにも屈強そうなポケモン達を見て、ここは大丈夫だと思い、カゴメタウンの北を目指す。



「確かに強力なポケモン達ですね。しかし、それでも制限ありで十分戦えるレベルですか」
「あぁ? てめえ、意味不明な事言ってんなよ。俺達三人を相手にした瞬間、お前の負けは確定してんだ」
ザキの挑発交じりの言葉に、エレクトロは軽く微笑む。
「笑ってしまいましたが、失笑ですね。あなた方がいくら気張った所で、私に敵うはずないですよ。何故なら——」
エレクトロは一拍置き、言い放つ。
「私は7P最強ですからね!」



イリスはカゴメタウン北の、一番高い場所へと来た。そこでは誰かが戦っているようで、爆発音が聞こえる。
「げっしゃ!」
イリスが階段を上り終えてすぐ、目の前に全身真っ黒で黄色の輪っか模様があるポケモンが転がってくる。
(げっしゃ……月紗?)
イリスはげっしゃというのが、目の前に転がっているポケモンだと理解する。
そして不謹慎なのは重々承知の上、そのポケモンを図鑑で調べる。
「ブラッキーっていうのか……」
そこでイリスは顔を上げる。そこには二十歳を迎えていないくらいの二人の女性がいた。
片方の女性は茶色いセミロングの髪に、黒い瞳。白いブラウスの上に蒼い上着を着ていて、下のスカートも蒼色。そして右手首には金色のブレスレットをつけている。
もう片方は地面に着きそうなほど長い青色の髪、氷のように冷たい水色の瞳に、簡素な水色のワンピースを着ている。
そして、プラズマ団の紋章が入ったヘアピンをつけている。
「7P……!」
イリスはプラズマ団の方を睨む。するとプラズマ団も目線を合わせてきた。
その眼は氷のように冷たく、氷柱のように鋭く心に突き刺さる眼だった。



今回はいろいろありました。PDOメンバーズとエレクトロの戦い。新たな7Pの登場……あれ?そんなにいろいろない?……まあよしとします。今回は黒影さんのオリキャラも登場しましたが、名前までは出てきてなく、ほとんど容姿だけですね。では、次回はオリキャラと敵キャラを使いつつ、話を進めましょう。お楽しみに。