二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 370章 イリスvsハチク ( No.465 )
- 日時: 2011/11/14 21:27
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
セッカシティ、セッカジム。
ジムリーダーは氷タイプ使い、ハチクだ。
「使用ポケモンは三体、入れ替えは自由。先に全てのポケモンが戦闘不能となった方の負け……で、良いか?」
「はい、かまいません」
イリスはハチクの提示するルールを了承。バトルが開始される。
「ではまず、私から行こう。大雪樹氷、ユキノオー!」
ハチクの一番手は、樹氷ポケモンのユキノオー。
分類通り手足に顔と、人型の樹氷のようなポケモンだ。
そして
「……? 氷……?」
イリスは空から降り注ぐ氷の粒に、目を細める。
「これはユキノオーの特性、雪降らし。天候を変化させる特性は数あれど、雪降らし……即ち天候を霰に変化させることができるのは、ユキノオーをおいて他にいない」
ハチクはそんな事を言うが、正直イリスは話半分に聞いていた。
「ま、天候が変わっても大差はない。あっても覆せば済む話……よし、出て来いディザソル!」
イリスが繰り出すのはディザソル。攻撃用の炎技を覚えている唯一のポケモン。そして炎技は、草と氷タイプのユキノオーにはかなり有効だ。
「さて、それじゃあ一気に行くか。ディザソル、怒りの炎!」
ディザソルは怒り狂ったような憤怒の炎を出現させ、ユキノオーへと放つ。
「ユキノオー、吹雪」
しかしユキノオーは霰も相まって強力な吹雪を吹き荒ばせ、怒りの炎にぶつける。吹雪の勢いは凄まじく、タイプ一致でもないディザソルの炎は簡単に掻き消され、ディザソルに届く。
「ぐっ、ディザソル!」
ディザソルは吹雪に吹っ飛ばされるが、なんとか体勢を立て直して着地。
「ウッドハンマー!」
そこにユキノオーは、大きな拳を握りって接近してくる。
振り下ろされた拳は簡単に避けられる。ユキノオー自体の素早さが低いので、ディザソルは簡単に見切った。
「もう一度怒りの炎!」
ディザソルは再度、怒りの炎を放つが
「吹雪だ!」
ユキノオーも炎が迫ると同時に吹雪を放ち、憤怒の炎を消し飛ばしてディザソルを攻撃。
これで分かった。真正面からの怒りの炎は、ユキノオーには通じない。
「だったら少しずつ削り取ってやる……ディザソル、辻斬り!」
ディザソルはユキノオーに素早く接近し、樹氷のような体の各所を切り裂く。
だがユキノオーは堪えた風もなく、平然としている。
「残念だが、ユキノオーは防御の高いポケモン。効果抜群の技でないと、そう効果的なダメージは与えられまい。ユキノオー、ウッドハンマー!」
雪のーが振り下ろす樹木の鉄槌を、ディザソルは大きく跳び退って回避する。
「攻めの手は止めんぞ、気合球!」
ユキノオーは遠距離から気合を凝縮した球を放つ。ディザソルは横に体をずらし、その攻撃をかわす。
「地震だ!」
ユキノオーは間髪入れず、今度は激しく地面を揺さぶって衝撃波を放ってくる。
「かわして神速だ!」
ディザソルはその衝撃を跳躍してかわし、そのまま神の如き速度でユキノオーの体に激突する。
体格差もあり、当然のことながらユキノオーはビクともしない。
「ウッドハンマー!」
ユキノオーはtッ対を振り下ろしてディザソルを引き剥がす。
「くっ、やっぱり普通の攻撃は通じないか……」
恐らく怒りの炎を当てれさえすれば、ユキノオーは倒れる。流石にそこまで耐久力は高くないだろう。
なら問題は、どう当てるかだ。
普通に当てようとすれば吹雪で掻き消されてしまう。接近しながらではウッドハンマーが邪魔。かといって遠くからちまちまとやろうとすれば、気合球が飛び地震が迫る。
「立ち止まっていて良いのか? 地震!」
イリスが思考を巡らせる中、ユキノオーは無慈悲にも攻撃を繰り出す。
「とりあえずはやるっきゃないか……ディザソル、かわしてツヴァイテール!」
ディザソルは跳躍して地震を回避し、硬化させた刃のような二枚の尻尾をユキノオーに叩きつける。
ツヴァイテールは鋼技なので効果抜群。大ダメージとはいえないが、そこそこ効いているようだ。しかし
「ウッドハンマーだ!」
ユキノオーは怯む事無く樹木の拳を振り回す。ディザソルは咄嗟に後ろに身を引くが間に合わず、拳はディザソルの体を掠め、ディザソルは吹っ飛ぶ。
「ディザソル!」
ディザソルは地面を擦りながら転がるが、ある程度勢いが弱まるとすぐさま起立し、体勢を整える。
「逃がさんぞ、気合球!」
だがユキノオーはディザソルを休ませる事は無く、気合を凝縮した球を放って攻撃を続ける。
「辻斬り!」
ディザソルは向かって来る球体に突っ込み、漆黒の二枚の刃で切り裂き、そのままユキノオーへ突進。
「神速だ!」
突進の途中、ディザソルは一気に速度を上げ、神がかったスピードでユキノオーに激突する。
「効かぬ、ウッドハンマー!」
ハチクの言う通りユキノオーはディザソルの激突程度では全く堪えず、樹木の拳を振り下ろしてディザソルを遠ざけた。
「吹雪!」
そしてユキノオーは雪降らしによる霰で規模が大きくなった吹雪を吹き荒ぶ。
客観的に見ればディザソルはただ追撃を受けるだけのように見えるが、しかしイリスはこの時、勝機を見出していた。
(……ここだ!)
ユキノオーはバトル開始から、ディザソルへの攻撃目的だけで吹雪を使用したことが一度もない。どんな時でも怒りの炎に対する対抗策として使用し、その余波でディザソルはダメージを受けているだけだ。
だがここに来てハチクは勝負を急いだのか、攻撃範囲が広く威力も高い吹雪を放ってきた。
これはディザソルにとって好都合な事だ。なにせディザソルは回避に特化している。いくら威力が高かろうが範囲が広かろうが、それは避ければ済む話だ。
そして攻撃を避けた後は、吹雪を放って隙だらけのユキノオーを燃やせばいいだけ。
「ディザソル、かわせ!」
ディザソルは刃のような二又の尻尾をバネのように使って天井付近まで一気に跳躍し、吹雪を回避する。
ここからなら、ユキノオーを狙い放題だ。
「っ……しまった!」
ハチクは己の失態に気付いたようだが、もう遅い。
「怒りの炎!」
ディザソルは怒り狂ったように燃え盛る憤怒の炎を出現させ、手遅れながらも吹雪を止めたユキノオーの体を包み込む。
ユキノオーは怒れる業火に燃やし尽くされてしまい、全身黒焦げになってその場に倒れた。
「戦闘不能か……戻れ、ユキノオー」
ハチクはすぐに冷静さを取り戻し、慌てず騒がずユキノオーをボールに戻す。
「ふむ、やはり以前より遥かに強くなっているな」
そう呟き、ハチクは次のボールを手に取った。
今回は再戦シリーズその七、対ハチク戦です。ハチクの一番手は雪降らしで有名(かどうかは知らない)ユキノオーです。まあ雪降らしの特性は進化前であるユキカブリも持っているんですけどね。ちなみにベガでのユキノオーの特性は雪降らしではなく、厚い脂肪か防音になっているようです。防音はともかく、あの樹氷の体のどこに脂肪があるのやら。不思議です。では次回も再戦シリーズ、対ハチク戦です。お楽しみに。