二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 372章 破片 ( No.467 )
- 日時: 2011/11/15 23:37
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「これで最後だ。氷雪猛獣、ツンベアー!」
「頼んだ、チラチーノ!」
ハチクの最後のポケモンは、強靭な体を持つ白熊のようなポケモン。凍結ポケモンのツンベアー。
そしてイリスのポケモンは、ノーマルタイプのチラチーノだ。
「こっちか行くぞ。チラチーノ、バグノイズ!」
チラチーノは大きく息を吸い込むと、次の瞬間、狂ったような大音量の大声を放つ。
「むぅ……!」
あまりの音量に空気は激しく振動し、ツンベアーにも効いているのが分かる。
「よし、このまま行くぞ。十万ボルト!」
次のチラチーノは高電圧の強力な電撃を放つ。
「ツンベアー、氷柱落とし!」
しかしツンベアーは虚空よりいくつもの巨大な氷柱を落とし、それを盾として十万ボルトを防ぐ。
「気合パンチだ!」
そして目の前の氷柱を、力の限り思い切り殴る。そんな事をすれば当然、氷柱は粉砕される。
そして粉砕された氷柱——鋭い氷の破片が、チラチーノに襲い掛かった。
「なにっ……チラチーノ!」
突然だったのでチラチーノは反応が遅れ、氷の破片に体の各所を切り裂かれた。氷を砕いただけなので、ダメージが少ないのが幸いか。
「チラチーノ、奮い立てる!」
チラチーノは自身を鼓舞し、奮い立たせて攻撃能力を高める。
「スイープビンタ!」
そして尻尾を硬化させ、ツンベアーに飛び掛かるが
「ふむ。ツンベアー、ストーンエッジ!」
ツンベアーは地面から鋭く尖った岩を真上に向けて無数に飛ばし、飛び掛かって尻尾を叩きつける寸前だったチラチーノ突き刺した。
「辻斬り!」
さらにチラチーノの脇をサッと通り過ぎたかと思ったら、その間際に鋭い爪でチラチーノを切り裂く。
「チラチーノ、大丈夫か!?」
チラチーノは思わぬ連続攻撃に大ダメージを受けるが、特殊な脂でコーティングされた白い体毛が、ダメージを幾分流してくれたようで、まだ戦える。
「よし、十万ボルト!」
「氷柱落とし!」
チラチーノは強力な電撃を放つも、虚空より落下した氷柱に防がれてしまう。
「粉砕せよ、気合パンチ!」
ツンベアーは気合を込めた拳を突き出して目の前の氷柱を粉砕。粉砕された氷の破片は、チラチーノへと飛んでいく。
「バグノイズ!」
チラチーノは襲い来る氷の破片を音の振動で粉砕しようとしたが、バグノイズは攻撃前に大きく息を吸い込む予備動作がある。そのため攻撃するよりも早く氷の破片がチラチーノを襲った。
「思いの外、砕かれた破片というものは速いだろう? ツンベアー、ストーンエッジ!」
ツンベアーは自分の周囲に鋭く尖った岩を無数に浮かべ、それらを一斉にチラチーノへと飛ばす。
「叩き落せ、スイープビンタ!」
チラチーノは自分に向かって来る岩だけを見極めると、その岩を全て、硬化させた尻尾で叩き落す。
「バグノイズ!」
そして大きく息を吸い込み、狂乱的な大音量の声を放つが
「無駄だ、氷柱落とし!」
ツンベアーが虚空より落とした氷柱で、バグノイズもシャットアウト。
だが十万ボルトよりは効果があったのか、少しひびが入っている。
「気合パンチ!」
ツンベアーは三度気合の拳を突き出して氷柱を砕き、その破片をチラチーノに飛ばす。
「落とせる奴だけ落とせ!スイープビンタ!」
チラチーノは尻尾を硬化させ、襲い来る氷の破片を、叩き落とせるだけ叩き落す。そのため、ダメージも今までで極少量だ。
「ツンベアー、辻斬り!」
ここに来てツンベアーは攻める気になったのか、四つん這いになりチラチーノへと駆ける。
「スイープビンタで迎え撃て!」
チラチーノは硬化させた尻尾でツンベアーの体を滅多打ちにするが、七発目がヒットした辺りでツンベアーの爪がチラチーノの急所を捉え、切り裂いた。
「もう一度辻斬り!」
ツンベアーはチラチーノの背後に回り、脇を通り過ぎてその間際に再度急所を切り裂く。
「チラチーノ!」
チラチーノは元々相手の攻撃を避けながら攻めるトリックスター。なので防御力は低く、体力もかなり減ってきている。
「くっ、もう迂闊に前に出て攻められないな……」
かといって遠距離からの攻撃はツンベアーの氷柱落としに防がれ、しかもその後、飛び散る氷の破片を喰らう。さらに言えば、最悪そのままツンベアーが突っ込んで来て接近戦になる可能性もある。接近戦、肉弾戦になれば、強靭な肉体を持つツンベアーの方が有利になり、攻め落とされる恐れもある。
「どうする、どうすれば……」
イリスは現状を打破するための策を考えるが、ハチクはそんなことを考慮してはくれない。
「ツンベアー、ストーンエッジだ!」
「くっそ、チラチーノ、スイープビンタで叩き落せ!」
チラチーノは飛来する尖った岩を硬化させた尻尾で叩き落していく。
その際に、砕かれた岩の破片が散った。
(破片……。……そうだ!)
そしてイリスは思いついた。この状況の打開策を。
「チラチーノ、奮い立てる!」
その作戦を実行するためには、まず攻撃力が必要。なのでチラチーノはただひたすら、自らの攻撃能力を高める。
「何を考えているかは知らぬが、そろそろ幕は下りる。ストーンエッジ!」
「バグノイズ!」
ツンベアーが尖った岩を発射するのとほぼ同時に、チラチーノは大きく息を吸い込んで、狂乱的な大音量の声を放つ。
音と言えど、奮い立てるで強化された音だ。飛来する岩を難なく粉砕し、ツンベアーに迫るが
「氷柱落とし!」
ツンベアーは虚空よりいくつもの氷柱を落下させて壁を作り、バグノイズを防御する。
「どのような攻撃が来ようとも無駄だ。我がツンベアーの氷柱を砕くのは、我がツンベアーの拳だけ——」
ペキペキッ
と、氷柱からそんな音が、バグノイズとともに聞こえてくる。
「!? まさか……!」
そう、そのまさかだ。
バグノイズは氷柱の盾を粉砕し、氷の破片をツンベアーへと飛ばした。
「これで幕引きだ。チラチーノ、スイープビンタ!」
氷の破片を喰らって怯んだツンベアーに急接近したチラチーノは、硬化させた尻尾をツンベアーの体に何度も何度も叩きつける。
「ツンベアー!」
そして尻尾の乱打を受けたツンベアーは、全身に殴打の痕を残し、崩れ落ちた。
今回はイリスvsハチク、決着でした。今までスランプ気味で執筆意欲が萎えてしまい、更新が停滞していた白黒ですが、脱スランプ。即ちスランプから脱け出せたっぽいです。いや、アニメって凄いですね。最近ポケモンのアニメはあまり観ていなかったんですけど、久々に見たらインスピレーションを得て、スランプから脱せました。最近のポケモンは、結果は王道ですけどそれまでの過程がそこそこ凝っていて面白いです。ニーズでしょうか?では次回は再戦シリーズ、ジムリーダー編最後、ソウリュウジムとなります。どのようなバトルになるかは、次回をお楽しみに。