二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 374章 嵐 ( No.469 )
- 日時: 2011/11/18 01:00
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「リーテイル、ドラゴンビート!ダイケンキ、ハイドロカノン!」
イリスは状況処理が追いつかない現状をどうにかしようと二匹に大技を指示するが、龍の鼓動のような音波は難なくかわされ、水を超圧縮した弾丸は発射する前に崩された。
「オノノクス、アイアンテール!」
オノノクスSは尻尾を鋼鉄の如く硬化させ、ダイケンキに叩きつける。
「オノノクス、燕返し!」
オノノクスAは顎の斧を器用に、そして素早く振るってリーテイルを切り裂く。
「くぅ、ダイケンキ、シェルブレード!」
ダイケンキは手に持つ仕込み刀、アシガタナに水のエネルギーを纏わせ、オノノクスSに斬り掛かる。
「シャドークロー!」
対するオノノクスSは両手の爪に影を纏わせ、ダイケンキが振るう刀と切り結ぶ。
「リーテイル、リーフブレード!」
ダイケンキとオノノクスSがいがみ合っている隙に、イリスはリーテイルへと指示を出す。
リーテイルは尻尾の鋭い葉っぱでオノノクスAの腹をざっくりと切り裂く。見た目は派手だが、効果いまひとつなのでダメージはそうでもないようだ。
「オノノクス、シザークロス!」
「もう一度リーフブレード!」
オノノクスAは両手の爪を交差させて振り下ろすが、リーテイルの背中の葉っぱがその爪を全て受け止める。
「さらに、リーフブレード!」
リーテイルは爪を受け止めた状態でバク宙をするように体を回転させ、その際にオノノクスAの体を下から上にかけて大きく切り裂く。
だがやはり、効果いまひとつなのでダメージは少ない。
「オノノクス、反撃行くよ!ドラゴンクロー!」
オノノクスAは爪に龍の力を込め、反撃の一撃を繰り出すが、リーテイルは後ろに跳び退ってかわした。
「ドラゴンビート!」
そして龍の鼓動のような激しい音波を咆哮として放つ。音波は視認できないが、まっすぐオノノクスAに向かって行く。
「悪いけど、当たらないよ。かわして辻斬り!」
オノノクスAは普通のオノノクスよりも遥かに速い。なのでその素早さを生かして音波を避け、リーテイルとの距離を詰めて爪で切り裂く。
「ドラゴンクロー!」
「くっ、ロイヤルバーン!」
オノノクスAが龍の爪を薙ぐように振るう瞬間、リーテイルは自然の力を爆発させて衝撃波を放ち、オノノクスAを引き剥がすが
「もう一度ドラゴンクロー!」
「なっ……!くっ、ならリーフブレード!」
オノノクスAは素早く切り返し、龍の爪を振るう。リーテイルは振るわれた爪を尻尾の葉っぱで受け止め、またも拮抗状態となる。
そしてそれと同時に、ダイケンキの方にも変化が現れた。
「オノノクス、瓦割り!」
今までアシガタナと切り結んでいたオノノクスは突然身を引き、すぐに前進して手刀を振り下ろす。
「くっ、メガホーンだ!」
手刀を叩き込まれたダイケンキは、反撃にと一歩後退し、すぐさま勢いよく角を突き出す。
「オノノクス、逆鱗!」
しかしオノノクスSは突き出される角など意にも介さず、反撃に出る。
オノノクスSが繰り出す憤怒の一撃がダイケンキにクリーンヒットし、ダイケンキはリーテイルの後方へと吹っ飛ばされた。
「オノノクス、ドラゴンクロー!」
オノノクスSがまだ収まらない怒りを剥き出してダイケンキらに突っ込むのと同時に、リーテイルとの拮抗状態が解けたオノノクスAも、両手の爪に龍の力を込めてリーテイルへと突貫する。
「やばっ……!」
オノノクスAの攻撃を避けるのはそんなに難しくはないが、その攻撃をかわせば後方で倒れているダイケンキにその爪が向かうだろう。さらにオノノクスSの逆鱗もあるため、リーテイルはオノノクスAを止めたとしてもそのままオノノクスSが進路を変えてリーテイルに矛先が向くかもしれない。勿論そのままダイケンキに突っ込む可能性もあるが、それはそれでまずい。
八方塞というか、絶体絶命。
「くぅ……あー、やるだけやってやる!リーテイル、二体とも吹き飛ばせ!ロイヤルバーン!」
無茶な注文をしながら、イリスはリーテイルに指示を出す。
リーテイルは今、特性深緑が発動しているが、しかしそれを利用しても、どちらのオノノクスも止まるとは、ましてや吹き飛ばすなんてことは不可能だろう。
だが二体のオノノクスは吹っ飛んだ。
しかしそれは爆発によるものでも、衝撃波によるものでもない。
無数の、嵐のような怒涛の勢いで放たれた葉っぱによるものだった。
「……っ!」
「オノノクス!」
吹っ飛ばされた二体のオノノクスに、シャガは驚愕、アイリスは叫喚。
「なんだ、今の技……?」
イリスは図鑑を開き、検索をかける。
出て来たのは、リーフストームという技名。
「リーフストームっていうのか……それにしても、物凄い威力だな……」
いくら深緑で威力が増大されているとはいえ、ドラゴンタイプであるオノノクス二体をまとめて吹き飛ばすふどの威力は、驚嘆に値するだろう。
「むぅ、驚いたが、しかしオノノクスはまだ力尽きん!逆鱗!」
「そうそう、まだあたしもオノノクスも負けてないよ!ドラゴンクロー!」
二体の龍はそれぞれ憤怒の気を飛ばしながら、龍の力を爪に込めながら、突貫してくる。
「よし、一気に決めるぞ。リーテイル、リーフストーム!」
リーテイルは背中の葉っぱを羽ばたかせ、大量の葉っぱを嵐の如き怒涛の勢いで放つ。
無数の葉っぱは突っ込んでくるオノノクス達を軽く飲み込む。これでしばらくは動けないだろう。
そして
「ダイケンキ、ハイドロカノン!」
葉っぱの嵐に呑まれて動けない二体の龍に、ダイケンキは水を超圧縮した、荒波のような巨大な弾丸を射出する。
「行っけえぇぇぇ!」
水の弾丸はまっすぐに荒れ狂う葉っぱの渦に向かう。
そして、数多の葉っぱを散らしながら、二体の龍を沈めた。
今回はソウリュウシティジム再戦、決着となりました。リーテイルは新技、リーフストームを習得して勝機を見出しましたが、最後の最後はダイケンキがいいとこ取りです。さて次回はそろそろ伏線張ってた最後の救世主様を出そうと思いますが、まあ、その過程で色々あったほうがいいかなぁ……とか思ったり思わなかったり。とかそんなわけで、次回もお楽しみに。