二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 20章 援軍 ( No.50 )
- 日時: 2013/03/02 03:36
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: u.mhi.ZN)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「テッカニン、燕返し……」
テッカニンは連続切りでリーティんを切り刻んだ後、鋭い爪で再度リーティンを切り裂く。
「くっ、リーティン、燕返し!」
「見切り、そしてシャドーパンチ……」
テッカニンは燕返しの軌道を見切ってかわし、ヨノワールがその際にできた隙を突いてシャドーパンチを喰らわせる。
「イヴ、瞑想」
そしてイヴ(エーフィ)は瞑想をしている。
イリス達の作戦は、まずイヴが能力を上げ、その間はリーティンが二体を引き付ける。そしてイヴの能力が十分高まった所で、一気に攻めるのだ。しかし
「テッカニン、メタルクロー……」
テッカニンは爪を鋼鉄のように硬化させてリーティンを切り裂く。そのスピードは残像すら残らないほどで、以前戦ったメイルというトレーナーのアーケオスも相当速かったが、それを遥かに超え、さらに加速していくスピードだ。
「ヨノワール、ダイヤブラスト……。テッカニン、連続切り……」
ヨノワールは宝石のように輝く白色の光線を撃ち出し、テッカニンはリーティンを光速で切り刻む。
「くっそ……かまいたち!」
「影討ち……」
リーティンは空気の渦を作り出し、そこから風を切り裂く真空の刃を放つ。しかしテッカニンは影に入り込んでそれをかわし、リーティンを背後から襲う。ヨノワールには効果がないので効いていない。
「ヨノワール、サイコキネシス……。テッカニン、連続切り……」
ヨノワールは念動力でリーティンの動きを封じる。そしてそこへテッカニンが無防備のリーティンを光速で切り刻む。一撃一撃は軽いものの、それが積み重なってくると、かなり大きなダメージになる。
「リーティン、マジカルリーフ!」
「テッカニン、見切り……」
リーティンは必中技を放つが、テッカニンは見切りでそれを回避し、ヨノワールは堅くダメージがほとんどない。
「流石に、ヤバイな……!」
リーティンはもともと耐久型のポケモンではない。なのにこれだけ攻撃を喰らって立っているのがもう奇跡のようなものだ。
「まあ、相手の攻撃力がさほど高くないのが、幸いだな……」
そう、テッカニンもヨノワールも、それぞれ素早さと防御系統に特化にしているが、実はそれ以外の能力は大した事がない。なので持久力の低いイリスのリーティンも、まだ戦い続けることができるのだ。
「リーティン、グラスミキサー!」
リーティンは葉っぱを高速で回転させ、木の葉の渦を作り出し、テッカニンとヨノワールを巻き込もうとする。
「テッカニン、かわして燕返し……。ヨノワールはシャドーパンチよ……」
テッカニンはもう視認できない動きで瞬間移動の如く渦をかわし、リーティンを切り裂く。それによって体勢を崩したリーティンに、ヨノワールは拳に込めた影をロケットパンチのように撃ち出す。
「ぐぅ……」
イリスは呻き、チラリとイヴの方を見る。イヴはまだ瞑想中で、能力を上げているところだ。
「もうちょっとかな……リーティン、燕返し!」
「影討ち……。ダイヤブラスト……」
リーティンは葉っぱを振ってテッカニンを切り裂こうとするが、テッカニンは影に潜ってそれをかわし、背後からリーティンを襲う。それだけならすぐに燕返しで反撃できたが、そこでヨノワールが宝石のように輝く白色の光線を発射し、リーティンを吹き飛ばす。
「そろそろ終わり……テッカニン、メタルクロー……」
テッカニンは爪を鋼鉄のように硬化させてリーティンに迫る。恐らくそれを受ければ、リーティンはやられるだろう。その時だった。
「イヴ、スピードスター!」
無数の星がテッカニンに襲い掛かり、切り刻む。
「……!?」
レイはいきなりのスピードスターとその威力に驚いている。それもそうだろう、たった一回の攻撃でテッカニンが戦闘不能になったのだから。いくら防御力の低いテッカニンといえど、効果抜群でない限り一撃でやられるというのはそうそうない。
「くっ……ヨノワール、放電……!」
ヨノワールはイヴも攻撃対象に決めたのか、バチバチと弾ける電撃を放出する。
しかし、その直前にヨノワールは何かの攻撃を受け、倒れる。
「イヴの未来予知……言わば、時間差攻撃です」
これでレイのポケモンは戦闘不能イリス達の勝利……と思ったのも束の間だった。
「コクジャク、電磁波!」
どこからか弱い電磁波が放たれ、イリスとユウナはその場に倒れ伏してしまう。体が麻痺したのだ。
「がっ……!」
「うぅ……」
どこから攻撃されたのかとイリスは頑張って首を上げる。すると上空には、翼に眼があり、体が壺のようなポケモン。そしてそれに掴まっている緑色の髪の男。男は迷彩柄の服の上に真っ黒なコートを羽織っていて、ベルトにはプラズマ団の紋章がある。。
「7P(セヴンプラズマ)が一人、フォレス」
男——フォレスは短く名乗ると、あまり恐くはないが怒りの形相で叫ぶ。
「おいお前ら!俺のレイさんにこれ以上手出ししてみろ!明日から義手義足ないと生活できない体にすんぞ!」
フォレスはやけにハイテンションで叫んでいる。
「フォレスうるさいー」
そしてフォレスの背後——というか背中から少女がニョキッと顔を出す。
「そんな近くで叫ばないでよー」
少女はいかにもやる気がない、眠たげで無気力なオーラをかもし出しつつ言う。
「黙っとけ。レイさんがやられているのに、指をくわえて見ていられるか!」
「黙るのはフォレスだよー。……ああ、自己紹介しなきゃねー。あたしはフレイ、7Pだよー」
少女は長く赤い髪をロングポニーテールにしており、格好は淡いピンク色の浴衣だ。背中に差してある団扇に、プラズマ団の紋章がある。
「…………」
レイは援軍が来たというのに、まるで気に入らないとでも言うような顔をしている。
「さあレイさん、掴まって下さい」
フォレスはレイに向かって手を伸ばす。どうもこのフォレスという男、レイに対する態度だけが随分と違う。
「ああ、いや。まず先にこいつらを始末しましょうか」
そう言うとフォレスは地面に降りてイリス達を睨み付ける。
「さあ、レイさんに手を出した罪は大きいぜ。お前らはここで影も残さず消してやるよ」
フォレスはイリス達に迫ってくる。
イリス、絶対絶命のピンチである。
微妙な終わりな気もしますが、文字数の関係上、こうなってしまうのです。今回は7Pが三人も出てきました。まずはルーに相等するレイ、リンに相等するフォレス、そしてレドに相等するフレイ。……見事に全員性格が全く違いますね、フレイとレドに至っては真逆ですし……。では、今回ラストはイリス達が大ピンチ。次回どう切り抜けるのか、お楽しみに。