二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 394章 安定性 ( No.523 )
日時: 2012/07/04 17:22
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: QpE/G9Cv)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「さあ行くぞ、我がポケモンよ——キノガッサ、押して参る!」
 レンブが二番手に繰り出したのは、キノガッサ。草と格闘タイプのポケモンだ。
「キノガッサか。少し意外だけど……草タイプ持ちなら、ズルズキンにも分がある。行くぞ、ブレイズキック!」
 ズルズキンは自らの足に炎を灯し、キノガッサに向かって跳躍する。
「キノガッサ、種爆弾!」
 キノガッサはズルズキンの蹴りが届く寸前に、種子の爆弾を炸裂させ、その攻撃を停止させる。
「続けてスカイアッパー!」
 さらに一歩前に踏み出し、今度はズルズキンの顎に強烈なアッパーカットを叩き込む。効果抜群なので、かなりのダメージだろう。
「ズルズキン!」
 ズルズキンは数秒の滞空時間の後、強かに地面に落下するが、すぐさま起き上がった。まだまだズルズキンは戦えるようだ。
「よし、いいぞズルズキン。マグナムパンチだ!」
 拳を構えたズルズキンは、地面を蹴り、再びキノガッサへと突貫する。
「キノガッサ、種爆弾!」
 キノガッサはブレイズキックの時と同じように、種子の爆弾を投げ、ズルズキンの正面で炸裂させる。爆発音が響き、そのまま辺りは煙に包まれる。
 しかしそのままではなかった。突如として煙の中から一つの拳が飛び出し、キノガッサを捉え吹き飛ばしたのだ。
「なにっ、キノガッサ!」
 キノガッサは空中で一回転し、辛うじて地面に着地するが、虚を突くような攻撃に大ダメージを受けてしまった。
「むぅ、なかなかやるな、そのズルズキン」
「当然です。一年前からの仲間ですから。それに、飛びながら蹴り飛ばすブレイズキックと違って、マグナムパンチは地面に足をつけたまま殴り飛ばしますからね。安定性では、マグナムパンチの方が優れているんですよ」
 つまり、同じ種爆弾による迎撃でも、ブレイズキックは空中で喰らったために姿勢が崩れてしまい、そこに追撃を入れられたが、マグナムパンチは地に足をつけて放ったために種爆弾程度では止まらず、そのまま突っ込めたわけだ。
「さあ、どんどん行きますよ。諸刃の頭突き!」
 ズルズキンは姿勢を低くし、頭を突き出すような態勢をとると、物凄い勢いと気迫で、キノガッサに突撃していく。
「迎え撃つぞ、スカイアッパー!」
 キノガッサも拳を低く構え、ズルズキンが突っ込んで来るのを待つ。
 やがてズルズキンがキノガッサの拳の射程内に入ると、キノガッサはやや下を向いているズルズキンの顔面に、強烈なアッパーカットを決める。
 だが、強靭な防御力を誇るズルズキンだ。如何に効果抜群の攻撃を顔面に受けたとしても、それですぐに態勢を崩したりはせず、踏ん張って持ち堪えている。そして、
「ズルズキン! 飛び上がってブレイズキックだ!」
 ズルズキンは諸刃の頭突きを解除し、アッパーの力を逆手にとって、その場で宙返りをするかのように体を動かす。そしてそのまま、炎を灯した足による踵落としを、キノガッサの脳天に叩き込んだ。
「追撃だ! マグナムパンチ!」
 さらに大砲のような拳もキノガッサの腹にめり込ませ、吹っ飛ばす。この連撃は、四天王のポケモンといえども効いただろう。
「ぬぅ、キノガッサ、やれるか?」
 キノガッサはかなりダメージを負っているが、なんとか立ち上がる。しかし、それでもあと何発が撃ち込むだけで倒れるだろう。
「速攻で決めるよズルズキン。噛み砕く!」
 ズルズキンは頑丈な歯をガチガチと鳴らし、大口を開けてキノガッサへと走り出す。
「吹き飛ばせ。キノガッサ、アイアンテール!」
 キノガッサは尻尾を鋼鉄のように硬化させると、それを思い切りスイングし、接近しつつあったズルズキンを大きく吹っ飛ばす。
「光合成だ!」
 さらにキノガッサはズルズキンが離れた隙を狙って、その身に光を浴びる。キノガッサが吸収した光エネルギーは、巡り巡って、キノガッサの傷を癒す。
「ここに来て回復技か……これは本格的に早く決めた方がよさそうだな。ズルズキン、諸刃の頭突き!」
「種爆弾!」
 ズルズキンは腰を屈めて物凄い気迫でキノガッサへと突撃し、キノガッサはそんなズルズキンを止めようとしてか、いくつもの種爆弾を放ち、炸裂させている。
「そんなことをしても無駄ですよ。突っ込めズルズキン!」
「キノガッサ、アイアンテール」
 キノガッサは尻尾を鋼鉄のように固め、少しだけ体を位置をずらす。
 ズルズキンは種爆弾をものともせずに突貫していく——が、途中で転んでしまった。
「えっ?」
 イリスは困惑する。何故、ズルズキンが転んだのかと。このバトルフィールドは鋼鉄でできているため、破壊は難しい。水でぬかるませることもできない。ならば、何故——
「簡単なことだ」
 レンブが、イリスの心情を察してか、言葉を発する。
「そう、至極簡単なことなのだ。わたしのキノガッサが、アイアンテールでズルズキンの足を払っただけのこと。とはいえ、屈強なズルズキンにそのような小細工は早々通じるものではない。だから、事前に種爆弾で足を疲れさせておいたがな」
 どうやらあの種爆弾は、ズルズキンに無理矢理突っ切らせて、疲労させるためだったようだ。流石は四天王、よく考える。
「さて、では決めるぞ。キノガッサ、アイアンテール!」
 キノガッサは鋼鉄の尻尾を振るい、ズルズキンを空中へと打ち上げる。さらに、
「スカイアッパー!」
 空中へと投げ出されたズルズキンの腹に、アッパーカットを炸裂させ、リングの上空へと吹っ飛ばす。
 数秒後、ズルズキンがリングに落下する。その姿は、見るまでもなく戦闘不能だった。



さて、テストの結果が半ば未来予知できてしまっている白黒です。今回はレンブ戦その二ですね。レンブの二体目はキノガッサ。確かキノガッサって、再戦時に使ってましたよね。実は僕、結構キノガッサ好きなんですよね。攻撃力高いですし、身代わりとコンボで気合パンチぶっ放すのも中々爽快です。では、次回はレンブ戦その三となります。レンブの三番手にご期待ください。次回もお楽しみに。