二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 454章 蝙蝠 ( No.654 )
- 日時: 2013/02/01 22:23
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「ペンドラー、地震!」
直後、ペンドラーは地面を揺るがす衝撃波を放ち、メタゲラスを攻撃した。効果抜群の直撃を受け、メタゲラスは一瞬だけ動きを止めてしまう。その一瞬でペンドラーは一気に距離を詰めてくる。
「しまっ——メタルブラスト!」
「遅いね! ペンドラー、メガホーン!」
メタゲラスが鋼の砲撃を発射するよりも先にペンドラーの角がメタゲラスの装甲に突き刺さり、吹っ飛ばす。
地面を削りながら横転し、メタゲラスは横倒しの姿勢で戦闘不能となった。
「戻れ、メタゲラス。よくやってくれたよ」
イリスはメタゲラスをボールに戻し、すぐに次のボールを構えた。
「もっと削っておきたいとこだったけど、しょうがないな。後は頼んだ、ウォーグル!」
イリスの二番手はウォーグル。ペンドラーの弱点を突けるだけでなく、毒菱の影響も受けない。
このイリスのチョイスに、ホミカは予想的中と言わんばかりのしたり顔を見せる。
「やっぱり飛行タイプで来たね。ペンドラーが毒菱を撒けば、大抵の相手はその影響を受けず、弱点を突ける飛行タイプを出す。言っとくけど、あたしのペンドラーは今まで何体もの飛行タイプを屠ってる。そう簡単に勝てると思わない方がいいよ」
「当然です。タイプの相性なんて、今まで何度も引っくり返したり引っくり返されたりしています。それでも、僕のウォーグルは負けません」
イリスの強気な態度に、ホミカは嬉しいそうな笑い声をあげる。
「ははっ。いいねぇ、その姿勢。こっちもめっちゃ燃えてきた! ペンドラー、アクアテール!」
ペンドラーは大きく跳躍し、水流を纏った尻尾を振り上げるようにしてウォーグルに叩きつける。
「ビルドアップ!」
ウォーグルはその攻撃をかわさなかったが、筋肉を増強させて攻撃力と防御力を上げ、ダメージを軽減させる。
「叩き落とせ! 鋼の翼!」
直後、ウォーグルは鋼のように硬化させた翼を振るってペンドラーを地面に叩き落とす。
「ブレイククロー!」
「メガホーンだ!」
続いて屈強な爪を構えて特攻をかけるが、ペンドラーも二本の角を勢いよく突き出して反撃に出る。
しかしウォーグルは機動をずらしてペンドラーの一撃を回避。毒々しい色合いの胴体を切り裂く。それにより、ペンドラーは空中で態勢を崩してしまった。
「今だウォーグル、ブレイブバードで決めろ!」
ウォーグルの全身に、燃え盛る炎のようなエネルギーが纏われる。
空中では身動きが取れない、態勢を立て直すことも難しいその状況のペンドラーに向かって、ウォーグルは突撃する。当然ペンドラーがその一撃をかわすことなどできず、直撃を受けて吹き飛ばされた。
「ペンドラー!」
壁に激突してずるずると地に落ちたペンドラーは、明らかに戦闘不能だ。
「戻りなペンドラー。あんたのパフォーマンス、今日もカッコよかったよ。あとは後続に任せな」
ホミカはメタゲラスを倒したペンドラーを称賛し、ボールに戻す。その後、軽くベースを鳴らし、次のボールを構えた。
「さーて、あたしのペンドラーを倒したのは、流石イリゼの息子っていったとこかな。でもあたしのポケモンたちはまだまだやる気十分、本気度マックスだ。ナンバー2のペンドラーを倒したって、他のポケモンが簡単に倒せるとは思わないことだよ」
そして、ホミカはボールを高く放り投げる。
「次の爆裂ッ! クロバット!」
ホミカの二番手は蝙蝠ポケモン、クロバット。紫色の体に四枚の羽を生やしており、足は極端に小さい。
ウォーグルと違い、クロバットは四枚の羽を素早くを羽ばたかせている。ウォーグルよりも小回りが利きそうだ。
「手数で攻める作戦か……? ならウォーグル、ビルドアップだ!」
ひとまず能力を上げて下準備を整えようと、ウォーグルは筋肉を増強させようとするが、
「させないよ! クロバット、クロスポイズン!」
クロバットは予想通り、ペンドラーを超えるスピードでウォーグルに急接近。二枚の羽の先端でウォーグルを十字に切り裂く。それによって、ビルドアップは中断されてしまう。
「な、くっ……ウォーグル、一旦距離を取るんだ!」
「逃がさないって、追いかけなクロバット!」
ウォーグルは羽ばたいてクロバットから離れようとするが、クロバットはウォーグルに張り付き、引き剥がせない。
「クロスポイズン!」
思うように距離調整が出来ず、ウォーグルが四苦八苦しているところにクロスポイズンが繰り出される。ウォーグルはその攻撃を避けられないだけでなく、運の悪いことに毒状態になってしまった。
「やりぃ! 毒の追加効果!」
嬉々としてガッツポーズをするホミカ。毒タイプ使い相手に毒状態になってしまえば、かなり苦しくなる。
「どんどん攻めるよクロバット、アクロバット!」
クロバットはウォーグルとの距離を詰めたまま、ウォーグルの周囲を回るように次々の攻撃をぶつけていく。
「振り払えウォーグル! 鋼の翼!」
ウォーグルも鋼のように硬化させた翼を振り回し、運よくクロバットに直撃させ、地面に叩き落とした。
「今だ! ビルドアップ!」
クロバットが離れているうちに筋肉を増強させ、攻撃と防御を上げるウォーグル。毒のダメージもあるので、一気に決めたいところだ。
「もう一度!」
「させてらんないよクロバット! 思念の頭突き!」
地面付近からロケットのような勢いで飛び出したクロバットは、頭に思念を集め、ウォーグルに頭突きをかます。思念の頭突きの効果でウォーグルは怯んでしまい、またしてもビルドアップは中断される。
「お返しだよ! 鋼の翼!」
そこにクロバットは鋼の翼を叩き込む。さっき落とされた仕返しのようだ。
「ぐっ、でもウォーグルの攻撃と防御は二段階上がってる。だったらまだ戦えるはずだ。ウォーグル、ブレイククロー!」
「クロバット、かわしてアクロバット」
ウォーグルは頑強な爪を構えて羽ばたくが、クロバットを捉え切れず、アクロバットによる連続攻撃を浴びてしまう。
「クロスポイズン!」
続けてクロバットは毒を帯びた羽の先端を十字に構え、ウォーグルへと突っ込んで行くが、
「鋼の翼で迎え撃て!」
そこにウォーグルの鋼の翼が繰り出され、クロバットは吹っ飛ばされる。素早さは高いが、防御面はそれほど高くないようだ。
「ビルドアップ!」
ウォーグルは隙を見て筋肉を増強させようとするが、そう上手くはいかない。
「これ以上能力は上げさせないよ! クロバット、思念の頭突き!」
すぐに態勢を立て直したクロバットは高速でウォーグルへと特攻し、思念を集めた頭突きを喰らわせる。
「続いて鋼の翼!」
「こっちも鋼の翼だ!」
クロバットとウォーグルの鋼の翼がぶつかりあうが、元々の攻撃力とビルドアップで能力が上がっているウォーグルの方に分があり、クロバットは吹っ飛ばされこそしなかったが、態勢を崩される。
「ブレイククローで追撃だ!」
「クロバット、かわすのよ!」
力を込めた爪を振りかざすウォーグルだったが、寸でのところでクロバットにかわされる。
「アクロバット!」
そしてクロバットはすぐ攻撃に移行し、ウォーグルの全身を回るように高速で攻撃を当てていく。
「このままじゃキリがない、まともに攻撃が入ればな……」
しかしクロバットのスピードに対抗できるポケモンは、イリスの手持ちでもそういないだろう。毒菱もあるので、無暗に交代もできない。かといって持久戦になれば、毒で削り落とされる。
(しかも、毒状態にかかわらずガンガン攻めてくる。毒状態を追加攻撃として使うなんて、なんて発想だ)
このクロバットを見て、ホミカのスタイルは理解した。
ポケモンはおそらく、アタッカーがメインなのだろう。とにかく攻撃を連発して攻め、毒のダメージでも削る。非常に攻撃を重視した戦術だ。
「となると、やっぱあれしかないか……ウォーグル、ブレイブバード!」
ここでウォーグルは、全身に燃え盛る炎の如きエネルギーを纏う。そして勇猛果敢にクロバットへと突っ込んでいった。
「ワォ、すっごい迫力! でもあたしのクロバットには当たらないね!」
ホミカの言うとおり、クロバットは持ち前の機動力でウォーグルから離れているし、小回りも利くのでかわすのは簡単だろう。しかし、イリスもただこの技を指示したのではない。
「ウォーグル、急降下!」
「はぁ?」
イリスの指示に、ホミカは意味不明と言わんばかりの声を上げる。
それはそうだろう。クロバットは上空にいるのに、ウォーグルは下降した。まったく真逆の方向に進んでいるのだから。しかし直後、ホミカはウォーグルの行動の意味を理解する。
「これは……!?」
ウォーグルは一気に降下していき、地面を削りながら大量の砂煙を巻き上げた。
よってクロバットは視界不明瞭になり、ウォーグルを見失う。しかしウォーグルの特性は鋭い眼。砂煙が立ち込めていても、クロバットの姿ははっきり見える。
直後、砂煙の中に断末魔が響き渡った。
ホミカ戦その三、次の相手はクロバットです。書いてて気付きましたが、アクロバットってアを抜くだけでクロバットになるんですよね。クロバットにはおあつらえ向きの技です。さてホミカ戦も中盤に差し掛かってきました。ホミカの次なるポケモンは何か。次回をお楽しみに。