二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 456章 毒蛙 ( No.658 )
- 日時: 2013/02/03 15:56
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
ハブネークの攻略法は理解した。確証こそないが、まず間違いないだろう。
「ハブネーク、アイアンテール!」
ハブネークは刀のような尻尾を鋼鉄のように硬化させ、薙ぐように振るう。
「かわしてマグナムパンチ!」
エルレイドは一度下がって斬撃をかわし、すぐに前進。固めた拳を大砲のような勢いに乗せて突き出し、ハブネークを殴り飛ばす。
「火炎放射で反撃しな!」
だがハブネークもただではやられない。空中で態勢を整えると、燃え盛る火炎を放ち、反撃に出る。
「サイコバレット!」
エルレイドも同時に念力を固めた銃弾を連射し、火炎放射を打ち消す。さらに銃弾は炎を突き破り、一部ハブネークにヒットした。
「攻めるよエルレイド。アイスブレード!」
「! ハブネーク、アイアンテール! エルレイドを寄せつけるな!」
エルレイドは凍てつく刃を構えて突貫するが、そこにハブネークの尻尾による斬撃が繰り出され、攻撃は失敗。
ハブネークの厄介な点は、やはりアイアンテールだ。伸縮自在のリーチに加え、薙いだり突いたりといった様々な攻撃パターンがあるので、対応が難しい。
さらにヘドロウェーブ、火炎放射、噛み砕くの三つの技も、それぞれその場その場に応じた距離で攻撃を行えるため、隙がない。
近、中、遠の全ての距離で自在に戦え、しかもその距離を変える芸当をも持ち合わせているのがこのハブネークの強み。決まった間合いをメインとするポケモンにとっては、厳しい相手だ。
「影討ち!」
エルレイドは影の中に潜り込み、すぐさまハブネークの背後に現れるが、
「後ろだよ、噛み砕く!」
ハブネークもすぐに振り向き、鋭い牙でかぶりつく。
「アイスブレードだ!」
ハブネークを引き剥がそうと、エルレイドは刃を氷結させる。そして今まさに振り下ろそうとした瞬間に、ハブネークは口を開き、エルレイドから距離を取った。
(間合いを自由に調整できるってことは、こっちが攻撃を仕掛けても簡単にかわせるってことだよね……弱点は分かったけど、これは当てるのが難しそうだ)
こっちの攻撃が通らなければ、ダメージも与えられない。エルレイドは猛毒状態で体力もあまり残っていないので、早めに決めたいところだ。
「エルレイド、サイコバレット!」
「ハブネーク、ヘドロウェーブ!」
エルレイドは念力の銃弾を乱射して攻撃を仕掛け、ハブネークは大量の毒液を大波のように放つ。銃弾は毒液に飲み込まれて相殺されてしまった。
「そろそろエルレイドの体力も尽きる頃、一気に決めるよ! ハブネーク、アイアンテール!」
ハブネークは一気に高く跳び、落下の勢いも合わせた渾身のアイアンテールを繰り出す。
ここでエルレイドがこの斬撃を防御しても、受け切ることは難しいだろう。なのでエルレイドは、別の道を取る。
「影討ち!」
エルレイドは影の中に潜り込んだ。直後、ハブネークの鋼鉄の如き尻尾が地面を抉ったが、エルレイドには当たらない。そして次の瞬間、エルレイドはハブネークの背後に現れ、刃の一撃を叩き込む。
「行くよ、アイスブレード!」
さらにエルレイドは両肘の刃を氷結させ、影討ちを受けて怯んでいるハブネークに一閃する。するとハブネークは目を見開き、声にならないような呻き声をあげ、よろよろと地面に倒れる。まだ戦闘不能ではないようだが、見るからに弱っている。
「やっぱり」
そこに、イリスの声が響いた。
「そのハブネークは、寒さ……冷気に弱いんですね。エルレイドがアイスブレードを使うと、病的なまでに避けていたものですから、変だと思いましたよ」
「ちぇ、やっぱバレたか」
イリスの指摘に、ホミカは口を尖らせた。
なにはともあれ、ハブネークはアイスブレードの冷気に当てられ、上手く動けないようだ。体が温まるのを待っているのか、地面に這いつくばったまま動きが見られない。
「これで決める! エルレイド、サコバレット!」
そこにエルレイドは、念力を固めた銃弾を連射し、ハブネークを撃ち抜いた。
サイコバレットは威力が高い技、加えてタイプの弱点を突かれたハブネークは、その攻撃に耐えられず戦闘不能となった。
同時にエルレイドも、猛毒のダメージが重なり、地面に倒れて戦闘不能。
「お疲れ、ハブネーク。苦手なタイプ相手に、よくやってくれたよ」
「戻れ、エルレイド。猛毒状態の中、よく頑張ってくれた。一体倒しただけでも上出来だよ」
お互いポケモンをボールに戻す。これで残るは二体。
「にしても、やるねぇ、イリス。イリゼから話は聞いてたけど、正直ここまでとは思わなかった。あたしも今までにないくらいガチで行ってるのに、敵わないや。でもあたしにもジムリーダーとしてのプライドくらいはある。まだまだ負けてらんないよ!」
一際強く弦を弾き、ホミカは四体目のポケモンが入ったボールを構える。
「じゃあ行くよ、あたしの四体目! めっちゃ爆裂ッ! ドクロッグ!」
ホミカの副将は毒突きポケモン、ドクロッグ。
直立した蛙のような姿で、目を引くのは首元の赤い毒袋と、四指のうち一つだけ赤く、爪のように長く鋭い指。
毒・格闘という珍しい複合タイプを持っているが、この時イリスは、内心でガッツポーズをしていた。
(来た!)
今までホミカに対してやることなすこと裏目になりがちだったが、ここに来て温存していたポケモンの出番がやって来た。
「さあ、ここからはお前の独壇場だ。頼んだよ、リーテイル!」
イリスの四番手はリーテイル。飛行タイプなので毒菱の影響は受けないが、草タイプなので今まで出し難かった。しかし格闘タイプを併せ持つドクロッグになら、ある程度は有利に戦える。
「へぇ、リーテイルか。もう飛行タイプは尽きたのかと思ったけど、少しでも有利な相手が出るまで待ってたのね。でも、あたしのドクロッグは弱点を突いたくらいじゃ、そう簡単には倒せないよ」
ビシッとピックを突き出し、ホミカは言う。そして直後、ドクロッグが動き出した。
「ドクロッグ、ストーンエッジ!」
ドクロッグは周囲に鋭く尖った岩を多数浮かべ、それらをリーテイルへと一斉に発射する。
「リーテイル、エアスラッシュだ!」
リーテイルも空気の刃を連射して岩を全て撃ち落とし、そのままドクロッグも切り裂いた。
「やるねぇ。だったらドクロッグ、バレットパンチ!」
今度は拳を構え、弾丸のようなスピードで跳び上がってリーテイルに接近。ドクロッグはそのまま拳を突き出すが、
「リーフブレード!」
リーテイルはすぐに尻尾の葉っぱを振るい、拳を弾いてしまう。
「続けてドラゴンビートだ!」
そこに龍の鼓動のような音波を放ち、ドクロッグを地面に落とす。至近距離からまとも喰らったので、ドクロッグの受けたダメ—ジは大きいだろう。
「ストーンエッジ!」
「エアスラッシュだ!」
ドクロッグはすぐに立ち直って尖った岩を無数に発射するが、リーテイルの飛ばした空気の刃によって全て相殺されてしまう。
「ストーンエッジが通じないと、やっぱ戦いにくいね……ドクロッグ、バレットパンチ!」
地面を蹴り、弾丸のように一直線にリーテイルの下まで跳び上がるドクロッグ。固く拳を握り締め、勢いよく突き出すが、
「リーフブレード!」
またしてもリーフブレードで弾かれる。が、ドクロッグも負けてはいなかった。
「毒突きだよ!」
弾かれたのは右手。ドクロッグはもう片方の左手——その鋭い指に猛毒を含ませてリーテイルへと突き出した。
「っ! ドラゴンビートだ!」
咄嗟にリーテイルは激しい音波を放つが、少し遅い。結果的にドクロッグは地面まで吹っ飛ばされたものの、リーテイルは毒突きを掠めてしまい、毒状態になってしまった。
「やりぃ! あたしのドクロッグの特性は毒手。だから接触攻撃に限り、通常よりも毒状態になりやすいのさ」
得意げになるホミカ。猛毒よりはマシだが、それでも毒状態になってしまったのは、ホミカ相手には大きな失態になるだろう。
「……一気に決めるよ、リーテイル。エアスラッシュ!」
リーテイルは背中の葉っぱを羽ばたかせ、無数の空気の刃を飛ばす。
「かわしてバレットパンチ!」
ドクロッグも弾丸のようなスピードで空気の刃をかわし、そのまま跳び上がって拳を繰り出す。
「リーフブレード!」
ドクロッグの拳は、再三尻尾の葉っぱで弾くが、やはりドクロッグはまた次の手に出る。
「クロスチョップ!」
弾かれた手ともう片方の手を手刀のように構えて掲げ、交差させてリーテイルへと振り下ろした。
「間に合え……! ドラゴンビート!」
リーテイルは龍の音波を放ち、ドクロッグを攻撃。運よく手刀が届くよりも早く、音波がドクロッグを吹き飛ばしたので、リーテイルにダメージはない。
「これで決める! リーテイル、エアスラッシュ!」
リーテイルは思い切り背中の葉っぱを羽ばたかせ、空気の刃を飛ばしてドクロッグを切り刻む。
「ドクロッグ!」
効果抜群の攻撃を受け、ドクロッグはそのまま戦闘不能となった。
ホミカ戦その五、ドクロッグがやられるのが早すぎますね。ちなみにハブネークの弱点については、ハブが沖縄=熱い所にいるのが理由です。はい、適当ですね。そもそも蛇は変温動物なので、極端な暑さにも弱いです。では次回は遂にホミカのエース登場です。お楽しみに。