二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 29章 海浜 ( No.68 )
日時: 2011/08/02 22:21
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

突如現れた7P(セヴンプラズマ)、アシド。
アシドは科学者らしく白衣を羽織ってはいるものの、その下はGENIUSという文字がプリントされたTシャツを着ている。
「さて、とりあえずは邪魔な奴らを消していこうか。ジバコイル、電磁砲」
ジバコイルというらしいUFOのようなポケモンは電磁力を凝縮した球を作り出し、大砲のようにそれを撃つ。
「プレシオン、サイコキネシス!」
プレシオンは海に向かって放たれた電磁砲を念動力で止め、破壊する。もしプレシオンがそうしなければ、今頃この海にいる人間とポケモンは全て感電していたであろう。
「ああ? 邪魔すんなよ、せっかく面白いものが見れそうだったのに。人間とポケモンが感電に苦しむ阿鼻叫喚の地獄絵図がみれそうだったのにさ」
アシドは恐ろしい事を悪戯がばれたみたいなノリで言う。
「お前ムカつくから、僕が直々にやってあげるよ。出て来な、ダンカンス!」
アシドはジバコイルに乗りながら、ポケモンを繰り出す。
出て来たポケモンは頭が体とは不釣合いなほど大きく、球状になっている。
石頭ポケモン、ダンカンス。水・岩タイプのポケモンだ。
「ダンカンス、ロケット頭突き!」
ダンカンスは頭を縮めるようにして力を溜め込み、溜め込んだ後はロケットのような勢いでプレシオンに頭突きを喰らわせる。
「プレシオン……きゃっ!」
「レイカさん!」
プレシオンはダンカンスの頭突きでひっくり返ってしまい、レイカは海に投げ出される。
「お前も人の心配してる場合じゃないだろ?」
アシドがそう言った瞬間、イリスの乗っていた小型ボートは底から木っ端微塵に砕け散った。そしてボートを破壊したのは、ダンカンス。
「ダンカンスのダイビングだ。目の前にばかり気をとられて、足元がお留守になってるよ?」
アシドの言葉はイリスに届かず、イリスはサザナミ湾へと沈んでいった。



場所は変わってサザナミ湾浜辺。ここにもプラズマ団が攻めてきていた。
「オノノクス、まとめて薙ぎ払え!」
そして浜辺にいたムントは、襲い来るプラズマ団の雑魚を蹴散らしていった。しかしいつまでも雑魚ばかり来るものではなく、今度は大物がやって来る。
「貴様、我々プラズマ団の邪魔をする気か?」
その大物は、7Pのガイアだ。雑魚とは言え任務を遂行する上ではそれなりに役に立つ人材をやられ、耐えかねてムントの元へと来たのだろう。
「いや、お前らの邪魔をする気はない。俺はただ——」
ムントは一拍置き
「お前らを潰すだけだ!」
その言葉が引き金となり、ムントとガイアはそれぞれポケモンを繰り出す。
「行け、トノッパー!」
「出て来い、アギルダー!」
ガイアが繰り出したのはバッタのようなポケモン、トノッパー。
ムントが繰り出したのは忍者のような姿のポケモン、アギルダー。
両者ともに虫タイプのポケモンである。
「アギルダー、撒菱」
アギルダー地面に撒菱を撒き、罠を張る。
「ふん。フォレスのように小癪だな。トノッパー、エアスラッシュ!」
トノッパーは風を切り裂く空気の刃を飛ばすが、アギルダーはそれをヒラリとかわす。
「撒菱」
そして再度撒菱を撒く。
「連続で悪の波動!」
トノッパーは悪意が込められた闇の波動を連続で放つ。だがしかしアギルダーはそれらを全て紙一重で、最小限の動きでかわす。
「これで最後だ。撒菱」
アギルダーは撒菱を撒き、今度は攻撃の姿勢を取る。
「やっとやる気になったか。トノッパー、シグナルビーム!」
「アギルダー、虫のさざめき!」
トノッパーは色彩を束ねたカラフルな光線を放ち、アギルダーに攻撃する。しかしアギルダーは空気を振動させて衝撃波を発生させ、その光線を打ち消す。
「アシッドボム!」
そしてアギルダーは酸性の毒素を濃縮した爆弾を投げつけ、トノッパーを攻撃。
「もう一度アシッドボム!」
「同じ技が何度も通用すると思うな!飛び跳ねる!」
トノッパーは天をも貫くように大きくジャンプし、アシッドボムを回避する。
そして数秒後、トノッパーはアギルダー目掛けて亜音速で落下する。
「今のは当たったな……。アギルダーは速いが、その分打たれ弱い。効果抜群の飛び跳ねるを受ければ、もう立ち上がる事など——」
そこで、ガイアの口は閉ざされる。
トノッパーの飛び跳ねるの落下の衝撃で当たりには砂煙が舞い、視界が悪くなった。しかしその砂煙もすぐに晴れ、そこには倒れたアギルダーがいる——はずだった。
「アギルダー、ギガドレイン!」
アギルダーはトノッパーの体力を吸い取り、少量ながらも自分の体力を回復する。
「馬鹿な……トノッパーの飛び跳ねるを受けて、立ち上がるなど……」
そこでガイアはふと気付く。
「タスキ……? ……!」
「気付いたか」
ムントは言う。
「俺のアギルダーは気合のタスキを持っている。気合のタスキは体力が最大の時、致死量ダメージを受けても耐え切る道具。そしてこの使い捨ての道具は、俺のアギルダーとは相性が良い」
ムントがそう言った瞬間、アギルダーは消えた。
そう思った次の瞬間、アギルダーはトノッパーの目の前に現れ、酸の爆弾をぶつける。
「俺のアギルダーの特性は、通常ではありえない軽業だ」
軽業とは、持っている道具を失ったときに発動する特性で、そのポケモンの素早さが二倍になるのだ。
「……だが、まだ勝負は終わっていない。我々を相手にしたのだ、貴様にはそれ相応の苦しみを与えてやろう!」



今回はアシドとイリス、レイカのバトル(というか、イリス達が一方的にやられた)とガイアとムントのバトルです。ほんとはエレクトロとバトルしても良かったのですが、あの人はなんだか出番が多い気がしましてやめました。レイも考えたのですが、レイカと名前が似ているのでやめました。ドランにしようとも思いましたが、括弧が特殊な上多いのでやめました。フォレスやフレイは、後々出す予定なのでやめました。そういった消去法の末、ガイアがチョイスされたのです。では、次回のアシド、ガイアとのバトルをお楽しみに。