二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 31章 渚 ( No.70 )
- 日時: 2011/08/03 09:30
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「カモドッグ、濁流!」
カモドッグはどこからか濁った大波を発生させ、アーボスクを押し流さんとする。
「アーボスク、メタルブラスト!」
対するアーボスクは多量の鋼を撃ち出して濁流を消し去ってしまう。
「電磁砲!」
そしてカモドッグに向けて、電磁力を凝縮させた球体を大砲のように発射。
「カモドッグ、かわして辻斬りだ!」
カモドッグは電磁砲をかわし、アーボスクの隙を突く爪の一撃を繰り出すが
「アーボスク、噛み砕く!」
アーボスクには全く効かず、カモドッグはアーボスクの牙に捕らえられてしまう。
「くっ、カモドッグ、アクアテール!」
カモドッグは口でくわえられた状態で体を捻り、水を纏った尻尾をアーボスクの顔面に叩きつける。
「無駄だ」
しかしアーボスクには全く効果がない。ダメージゼロとまではいかないだろうが、そのダメージも極々少量だろう。
「アーボスク、投げ飛ばしてメタルブラスト!」
アーボスクはカモドッグを空中に投げ飛ばし、身動きが取れないところに多量の鋼を撃ち出して攻撃。カモドッグは大きく吹き飛ばされるが、なんとか着地した。
「……なかなか、しぶといな」
「当然だ。我がカモドッグの秀でているのは攻撃でも素早さでもない、防御だ。その耐久力こそ、カモドッグの真骨頂。本来ならば相手を毒状態にしてから持久戦に持ち込むのだがな」
しかし、アーボスクは毒・鋼タイプなので毒状態になる事はない。
「カモドッグ、濁流!」
「アーボスク、電磁砲!」
カモドッグの濁流を、アーボスクの電磁砲が貫く。
「!これは……!」
Nがイリス達に追い着いた時には、もう手遅れと言ってもよかった。
イリスとレイカは海に沈み、ブイゼルはほぼ勝ち目のないダンカンスと奮闘している。
「おお? 新しい奴が来たな。お前はすぐに沈まないでくれよ。ダンカンスはブイゼルを嬲ってもらってるから、お前の相手はこいつだな。ジバコイル」
アシドは今まさに乗っているジバコイルの名を呼ぶと、ジバコイルは臨戦態勢となった。
「ジバコイル、シグナルビーム!」
ジバコイルは色彩を束ねたカラフルな光線を発射し、Nのポケモンを攻撃。しかし今のは威嚇だったのかなんなのか、Nのポケモンにはヒットしなかった。
「ドサーモン、まずはこいつを倒すよ。それからブイゼルの援護に行く。だから頑張ってくれ」
Nが乗っているのは紅鮭ポケモンのドサーモン。その体4m以上あり、かなりの巨体だ。そしてタイプは水・地面タイプ、どこに地面の要素があるかは不明。
「ドサーモン、大地の怒り!」
ドサーモンは尾びれを水面に叩きつけ、地面を揺るがす。そして地面から大量の土砂が噴出し、ジバコイルに襲い掛かる。
「ジバコイル、磁力線だ」
しかしジバコイルは慌てず騒がず、電磁波を放って強力な磁力の波を発生させ、その磁力の波で降り注ぐ土砂をシャットアウトする。
「トライアタックだ!」
ジバコイルの両肩(?)の目と中央の目が光り、そこから赤、青、黄の三色の光線が三角形を作りながら放たれる。
「ドサーモン、かわして竜の波動!」
ドサーモンはその光線をかわしつつ、ジバコイルに龍の力を波動として放つ。
「無駄だよ、磁力線!」
ジバコイルはまたも強い磁力を発生させ、龍の波動を打ち消す。
「どうしたのかな? そんな遠くからちまちまと攻めてたら、海に沈んだあいつらは溺死しちゃうぜ?」
「くっ……!」
アシドは自分の事を棚上げにして言うが、そんな事に口を挟む余裕はNにはない。
ドサーモンはNを乗せているため、物理技を使う事ができない。というか、そもそもジバコイル自体が高い所にいるため、そこまで攻撃が届かないので遠距離から攻撃するしかないのだ。
そしてジバコイルは高い特攻を活かして遠距離からの攻撃を連発している。特に軌道の見えない磁力線は、防御に使われても厄介だが、攻撃に使われたらもっと厄介だ。その上体も硬いので、攻撃がなかなか通らない。
「ジバコイル、連続でシグナルビーム!」
ジバコイルは色彩を束ねたカラフルな光線を連射する。しかしドサーモンやNに直接当てる気はないのか、ドサーモンやNの体を掠めるようにして放っている。たぶん嬲りたいだけが目的の行為だろう。
「ドサーモン、龍の波動!」
「ジバコイル、磁力線!」
ドサーモンは隙を見つけては龍の波動を放つが、ドサーモンの攻撃はことごとくジバコイルの磁力線にシャットアウトされてしまう。
「ぐっ……イリス、無事でいてくれ……!」
ブイゼルは、もう瀕死寸前で満身創痍といった状態だ。
しかし、まだ倒れていない。
何故なら、敵のダンカンスはブイゼルを倒す気がないからだ。
ダンカンスは主人と似て、敵を嬲りいたぶるのが趣味なのだ。
だから、ブイゼルはまだ倒れていない。
しかし、ブイゼルはもう負けも同然だ。
ここまでボロボロにされ、なおかつまだ嬲られているのだ、この状態から逆転するなど、ブイゼルには不可能だ。
それだけではない。
ブイゼルの主人は海に沈んだ。
主人なくしては、ポケモンは力を十分に発揮できない。
ブイゼルは自分の無力さを悔やむ。
自分が弱いばかりに主人を助ける事ができないと、後悔する。
奇跡は、起きないものだ。
ブイゼルはそう思う。
しかし、奇跡は起きるものだった。
今回はムントとガイアのバトルからですね。その次にNとアシド、最後はブイゼルの思いです。最後だけ一風変えてみたのですが、どうでしょうか。ちなみにブイゼルとその進化系統はかなり好きです。伝説以外の水タイプは基本嫌いな僕ですが、ブイゼル進化系統とダイケンキは別です。あとキングドラとかルンパッパとかホエルオーとかも好きです。ベガポケにも好きな水タイプはそこそこいます。……あれ?僕って本当に水タイプ嫌い?まあ、そんな事はさて置き、次回は遂にブイゼルが……!?まえのあとがきでも言いましたね、これ。そんなわけで、次回をお楽しみに。