二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 34章 イリスvsミクリ ( No.77 )
- 日時: 2011/08/03 23:48
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
プラズマ団の強襲があった海上レースの後日。
イリスはサザナミタウンに点在する病院を訪れていた。
「レイカさん、体は大丈夫ですか?」
レイカは海に沈んだときに大量の海水を飲んだらしく、一時は危険な状態だったようだが、なんとか助かった。
「はい。あと二、三日程度で退院できるそうです」
「そうですか、良かった」
イリスは安堵の溜息を吐く。
「そういえば、まだイリスさんにお礼を言ってませんでしたね。助けていただいて、ありがとうございました」
「いえ、いいんですよ。それにレイカさんを助けたのは僕ではなく、フローゼルですし」
イリスは謙遜しつつ返す。
「……それよりも、海上レース、中止になってしまいましたね」
「そうですね」
まあ、イリスはその後主催者から、感謝の印だとか言われて優勝賞品を貰ったりしたが。
「でも、僕は海上レースとあの戦いを通じて、何かを掴みました。何かがどうにかなりました」
「……そうですか。良かったですね」
「はい」
言ってイリスは備え付けられている時計を見て、立ち上がる。
「僕、そろそろ行きます。時間なので」
「……? どちらへ向かわれるのですか?」
レイカが問うと、イリスは微笑み
「リベンジですよ」
たった一言だけ言い、病室から出て行く。
サザナミ岬。
サザナミタウンの端にある、小さな岬だ。そして何もないので、まず誰も来ない。
しかしそんな岬だが、訪れる者が皆無という訳ではない。
「来ると思っていたよ、イリス君」
「ミクリさん……」
イリスとミクリは、その寂れたサザナミ岬へと、足を運んでいた。
「君の言わんとしている事は分かっている。……私との再戦を希望しているのだろう?」
「話が早いですね。なら、早速始めましょうよ」
イリスが急かすが、ミクリは慌てず騒がず返答する。
「まずは場所を変えよう。ここでは戦い難いからね」
そう言ってミクリはなだらかな崖を滑り降りていく。イリスもそれに続き、砂浜ではない海岸へと出る。
「さて、ここでなら闘いやすいだろう。依存はないかい?」
「ありませんよ。如何な状況でも対応して十全に闘うのが真のトレーナーです」
場所が決まると、二人はそれぞれボールを構える。
「出て来い、モココ!」
「古代の岩窟よ、ジーランス!」
イリスが繰り出したのは電気タイプのモココ。ミクリが繰り出したのはダンカンスの進化前、長寿ポケモンのジーランス。
「前とは違うポケモンなんですね」
イリスは言う。確かに違うポケモンだが、イリスが言っているのは種類ではなく強さの事だ。前に闘ったタツゴンやドルンよりも遥かに強そうだ。
「ああ。今の君はとても良い目をしている。なら、こちらもそれ相応の力でバトルに臨まなくてはいけない。……さて、始めようか。ジーランス、熱湯!」
ジーランスはモココに向け、熱く煮えたぎる熱湯を発射する。
「モココ、かわしてスピンテール!」
モココは回転して熱湯をかわし、その回転の勢いを利用してジーランスに尻尾を叩きつける。
「ジーランス、もう一度熱湯!」
ジーランスはモココのスピンテールを耐え、至近距離から熱湯を発射して引き剥がす。
「くっ、モココ、電撃波!」
モココは波状の電撃を放ち、ジーランス攻撃。効果は抜群だが、このジーランスは相当タフで、まだまだ余裕の表情だ。
「ジーランス、岩石封じ!」
ジーランスは地面を隆起させ、モココを岩石で捕らえようとするが、モココは意外と素早い動きで隆起する岩石をかわしていく。
「アクアボルト!」
「熱湯だ!」
モココは電気を帯びた水を放つが、ジーランスも熱湯を放ち、どちらも相殺される。
「ジーランス、マグニチュード!」
ジーランスは尾びれで地面を叩き、大きな揺れを起こして衝撃波を放つ。衝撃波はモココを襲ったが、モココはなんとか耐え切った。
「今のはマグニチュード七ってところか……次喰らったらヤバイかもな……。モココ、電撃波!」
モココは波状の電撃を放ち、ジーランスを攻撃。
「ジーランス、岩石封じ!」
そしてジーランスも地面を隆起させてもここに攻撃するが、こちらの攻撃は避けられてしまう。
「ならばこれでどうかな。ジーランス、上空に向けて連続で熱湯!」
ジーランスは上を向き、熱く煮えたぎる熱湯を連射する。そしてその熱湯は、モココに降り注ぐ。
「ヤバイ……モココ、コットンガード!」
モココは熱湯の雨を浴びながら、急いで綿に包まって防御する。
それで安堵したイリスだが、少々考えが甘かったようだ。
「モココ……?」
綿に包まって熱湯の雨を防御していたモココだが、次第にモココを覆っている綿は小さくなっていく。
いや、水を吸っている。
「これで、君のモココは動けまい」
ミクリの言う通り、モココを覆う綿は熱湯をたっぷりと吸ってしまい、モココは動けなくなってしまった。
「ジーランス、岩石封じ」
ジーランスはさらにダメ押しと言わんばかりに地面を隆起させ、モココを捕らえる。
「マグニチュード」
そしてジーランスは自身のような揺れを起こし、モココを攻撃。水を吸ったコットンガードなど役には立たず、直撃に近いダメージをモココは喰らい、戦闘不能となる。
「くっ、戻れモココ」
イリスはモココをボールに戻す。
「さあイリス君、私に見せてくれ。君の華麗なポケモン達を!」
「言われずとも、見せてあげますよ、ミクリさん」
イリスのリベンジマッチは、まだ始まったばかりである。
特に書く事もないので、今回のあとがきは短めに。今回はイリスのリベンジマッチ、相手はミクリです。ミクリの手持ちは見て分かるように前回とは変わっております。では、次回をお楽しみに。