二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 37章 力水 ( No.80 )
日時: 2011/08/04 11:21
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「フローゼル、アクアジェット!」
「オールガ、突進!」
フローゼルは激しい水流を纏ってオールガに突撃し、オールガは物凄いスピードと勢いでフローゼルに突進する。
両者ともに激突し合い、しばらく競り合ったが、最終的にはどちらも身を退いた。
「オールガ、狙い撃ちだ!」
オールガはフローゼルの急所を探り、強烈な尾びれの一撃を叩き込む。今度の狙い撃ちは急所には当たらなかったので、威力も増大されていない。
「フローゼル、ツヴァイテール!」
フローゼルは二又の尾を硬化させ、オールガに叩きつける。しかしオールガはダメージは受けたもののビクともせず、そのまま再度フローゼルの急所を狙って尾びれを叩きつける。
「言っただろう、その程度じゃオールガは止まらない。それに、オールガの特性は鮫肌。一撃で決める気で来ないと、そのフローゼルの体力はどんどん削られ、削ぎ落とされる」
確かに、フローゼルの体の各所にはいくつもの傷が付いていた。特性鮫肌とは、直接攻撃を仕掛けてきた相手ポケモンに傷を付けてダメージを与える特性だ。一回二回程度なら大したダメージではないが、それも積み重なれば致命傷だ。
「オールガ、氷の礫!」
「フローゼル、ファイターショック!」
フローゼルはオールガが発射する小さな氷の塊を、拳から放つ衝撃波で打ち砕き、そのままオールガにもぶつける。
「よし、この勢いで攻めるぞ。ツヴァイテール!」
フローゼルはオールガとの距離を一気に詰め、硬化させた二又の尾を叩きつける。
「オールガ、スプラッシュ!」
オールガはツヴァイテールを耐え切り、水面を尾びれで叩きつけて飛沫を散らせ、フローゼルを攻撃するが
「フローゼル、氷の牙!」
フローゼルは氷結した牙を伸ばし、襲い来る飛沫を凍らせる。そうすることで、スプラッシュを防いだのだ。
「三度目の正直ってやつですよ。流石に二回も見せられれば、対処法も思いつきます」
正確には最初のバトルも含めて三回なのだが、そこは触れない。
「フローゼル、ファイターショック!」
フローゼルは凍りついた水飛沫を砕き、オールガに衝撃波をぶつける。
「成程。その観察力と洞察力は認めざる終えないが、技を一度防いだくらいで、いい気になってはいけないよ。オールガ、スプラッシュ!」
オールガは水面を叩き、飛沫を散らすが
「フローゼル、氷の牙!」
フローゼルが氷結した牙を伸ばして飛沫を凍らせ、スプラッシュを無効化する。
「何度やっても無駄ですよ。もう攻略しました」
「さて、それはどうかな」
ミクリの言葉にイリスが疑問符を浮かべていると、目の前から凍った飛沫を砕いて氷の塊が飛んで来た。
「氷の礫……!凍った飛沫で身を隠しての攻撃か!フローゼル、ファイターショック!」
フローゼルは拳から衝撃波を飛ばし、氷の塊を破壊。そして正面にいるオールガにも攻撃する、はずだが
「いない……!」
オールガはフローゼルの正面にはおらず、姿も見えない。そう思った次の瞬間、フローゼルの背後に何かが飛び出す。
「後か!」
イリスは気付いたが、もう遅い。
「スプラッシュ!」
フローゼルの背後から現れたオールガは水面を叩いて飛沫を散らせ、フローゼルを吹き飛ばす。
「ぐっ、こっちの戦略が逆手に利用されるとは……!」
「コンテストバトルなんかでは、相手の力を利用するのも大切なのさ。ホウエンのジムリーダーにも、そういうバトルスタイルを貫く者もいた。オールガ、狙い撃ち!」
オールガは吹っ飛ばされたフローゼルの急所を狙った尾びれの一撃を叩き込む。今のは急所に入り、フローゼルも大ダメージを受けた。
「どうすれば、どうすればあのオールガを倒せるんだ……!」
オールガは攻撃もスピードも高く、こちらが攻撃してもそれを耐え切ってすぐに反撃に出る。そして何より、ミクリの完璧な作戦立案が一番の脅威だ。流石ホウエンのチャンピオンに勝利したジムリーダーと言ったところか。
「……あれ?」
そこでイリスは思いついた、というか閃いた。
「もしかしたら……これに賭けてみよう。フローゼル、防御は捨てるぞ、攻撃に徹するんだ!アクアジェット!」
フローゼルはオールガに向かって、最高のスピードだが、まっすぐな軌道のアクアジェットで突撃する。
「返り討ちにしろオールガ、スプラッシュ!」
オールガは水面を叩き、水飛沫を散らす。そしてフローゼルを吹き飛ばすかと思われたが
「突っ切って氷の牙!」
フローゼルは襲い掛かる飛沫を突っ切り、氷結した牙を伸ばしてオールガに突き刺す。
「ツヴァイテール!」
そして硬化させた二又の尾をオールガに叩きつける。オールガも反撃に出ようとするが、フローゼルはそれを許さない。
「ファイターショックだ!」
フローゼルはアッパー気味の拳をオールガに叩き込んでオールガは上空に吹き飛ばす。
「これで終わりだ!アクアジェット!」
フローゼルは最大出力の水流を纏い、最高速度でオールガに突撃する。
この威力のアクアジェットを止めることが出来そうなオールガの技は、スプラッシュくらいだろう。しかし、ここは空中。飛沫を散らす事などできず、オールガはフローゼルのアクアジェットを喰らい、さらに上空へと吹き飛ばされる。
少ししてフローゼルが陸に着地し、次の瞬間にはオールガが水面に落下した。オールガは目を回しており、戦闘不能となっている。
「……舞台から降りたのは、私のようだな」



「それにしても、何故最後になって攻撃に転じたんだい?」
「簡単ですよ、ちょっと考えればすぐに分かります。オールガは確かに攻撃を受けてもすぐに攻撃に転じる。でも、別に防御が高いわけじゃない。だからとにかく攻めてダメージを与えて倒す。まあ、ただのゴリ押しですね」
だが、ゴリ押しでもなんでもイリスはミクリに勝ったのだ。
「フッ、まさか力技で私が負けるとはな。まあしかし、楽しいバトルだった」
最後にそう言い残し、ミクリは去っていった。
イリスvsミクリ。イリスのリベンジマッチは、めでたくイリスの勝利である。



今回はイリスとミクリのバトル、決着でした。それと注意点というか、まあ、そんな感じのが一つ。オールガの特性は鮫肌だと本作では言っていますが、実際は傷付けボディという特性です。特性までオリジナル出したらややこしくなりそうだったので、効果が似てそうな鮫肌に変更となりました。では、次回は……どうしましょう。まあ、なんとかしましょう。次回もお楽しみに。