二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 44章 耐久 ( No.89 )
日時: 2011/08/07 21:19
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「…………」
砂煙が舞い、ドサイドンの姿は見えない。しかし弱点にあれだけ水の波動を撃ち込んだのだから、いかに特性ハードロックがあろうとも、耐え切る事はできないはずだ。
しかし
「立っている……だと……!?」
ドサイドンは相当なダメージを受けているようだが、それでもまだ立っていた。戦闘不能になっていなかった。
「慎重なドサイドンは特防が高いものだけど、ここまでとはねー。流石はゲーチスが集めたポケモンって事かなー」
あまりの耐久力に驚愕しているNとレイカを他所に、ドサイドンは拳に電撃を纏わせ、プレシオンを殴り飛ばす。
「プレシオン!」
今の雷パンチで、プレシオンは戦闘不能。
さらにドサイドンはハンマーのような尻尾を鋼鉄の如く硬化させ、クラウンに叩きつけようとする。
「クラウン、かわせ!」
クラウンはそのアイアンテールををなんとかかわすが、続け様に放たれた岩石砲の直撃を喰らい、こちらも戦闘不能。
「ふーん、体力が大幅に削られてタガが外れたって感じかなー? これはこれで、一つの発見だねー。ゲーチスに報告しとかなきゃなー」
フレイは指先を使って地面にメモっている。どう考えても無意味だと思うのだが。
「くっ、戻れクラウン」
「プレシオン、戻って」
Nとレイカはそれぞれ戦闘不能となったポケモンをボールに戻し、新たなボールを構える。
「頼むぞ、シャミネ!」
「お願いします、デリバード!」
Nが繰り出したのは炎・ノーマルタイプの黒猫ポケモン、シャミネ。
レイカが繰り出したのは白い袋を持った、鳥型のサンタクロースとでも言うようなポケモン。運び屋ポケモンのデリバードだ。
「岩タイプと地面タイプを持つドサイドンに対して炎とノーマル、氷と飛行のタイプを持つポケモンで挑むんだー。どう考えても不利だけど、その分何か作戦があるのかなー?」
フレイは相変わらずのやる気のない声で言う。
「シャミネ、気合溜め!」
「デリバード、フェザーダンス!」
シャミネを自分を鼓舞して気合を溜め、デリバードはドサイドンに羽をぶつけ、攻撃力を下げる。
「炎の渦!」
そしてシャミネは渦巻く炎をドサイドンに放つ。しかし効果いまひとつなので、ドサイドンにはほとんど効いてない。
「いいんだ、効かなくとも。ドサイドンの動きを止められれば」
ドサイドンは炎の渦によるダメージはほとんどなかった。だがしかし、炎の渦の効果を受けなかったわけではない。
具体的に言えば、ドサイドンは炎の渦に閉じ込められた。
「さあ、ここからが本番だ」



「マカドゥス、十万ボルト!」
「バシャーモ、かわしてブレイズキック!」
バシャーモはマカドゥスの放つ超高圧電流を跳躍してかわし、踵落としのようなブレイズキックを喰らわせる。
「アクアテールだ!」
しかしブレイズキックはマカドゥスに効果いまひとつ。マカドゥスはすぐに立ち直り、水を纏わせた尻尾をバシャーモに叩きつける。
「くっ、ビルドアップ!」
だがバシャーモも簡単にはやられず、アクアテールを喰らう寸前に筋肉を増強して攻撃と防御を高め、アクアテールのダメージを軽減する。
(接近戦よりも遠距離攻撃の方が脅威とは言ったけど、このマカドゥス、攻撃力も結構高い……それに、近接戦闘にも優れてる。遠距離攻撃と近距離攻撃を上手く使い分けてる……!)
マカドゥスは確かに特攻の方が高いポケモンだ。しかし特攻が高い事は、攻撃が低い事とイコールでは繋がらない。マカドゥスは攻撃力、特殊攻撃力の両方に優れていて、一際特攻が高いというだけなのだ。
「マカドゥス、磁力線!」
マカドゥスは強い電磁波を放ち、バシャーモに強力な電磁力をぶつける。磁力線は攻撃の軌道が見えないため、攻撃が避け難く厄介な技だ。
「バシャーモ、ダークフィアーズ!」
バシャーモは拳に悪意の波動を乗せ、衝撃波として放つ。衝撃波はマカドゥスに直撃し、マカドゥスは大きく体勢を崩す。
「今だ、スカイアッパー!」
バシャーモはその隙にマカドゥスの懐に潜り込み、強烈なアッパーカットを喰らわせてマカドゥスを上空に吹き飛ばす。
「くっ、それがどうした!マカドゥス、グランボールダ!」
マカドゥスは滞空中に大きく吠え、地中の岩石を宙に浮かべる。その岩石はバシャーモを取り囲むように動き、バシャーモ目掛け、一斉に襲い掛かってくる。
「バシャーモ、ビルドアップ!」
避けきれないと判断したデインは、バシャーモにビルドアップを命じる。バシャーモは筋肉を増強して攻撃と防御を高め、バシャーモを覆い隠すように襲い掛かってくる岩石の攻撃を耐える。そして瞬く間にバシャーモは無数の岩石に覆われてしまい、姿が見えなくなった。
『…………』
沈黙が続き、岩石の塊ことグランボールダを喰らったバシャーモはピクリとも動かない。イリスはやられたのかと一瞬頭によぎったが、心配する事はなかった。
次第に岩石の塊はピキピキと音をたて、割れ目から炎がチロチロと噴き出す。そして
「バシャーモ!」
バシャーモは岩石を砕き、猛々しい姿を現す。
「……マカドゥスのグランボールダを耐え切るとか、どんな耐久力だよ……いくら二回のビルドアップで防御が上がってるつっても、限度があるだろ……」
フォレスは額に汗を浮かべ、やや焦っている。どうやらさっきのグランボールダは決め技のようで、それを耐えられたからだろう。
バシャーモは傷ついてはいるもののまだまだやる気のようで、手首から炎を噴射し、臨戦態勢となる。
「さて、ここからが本番だよ」



今回はドサイドンがまだ倒れておらず、Nとレイカのポケモンを倒してしまいました。まあ、二人はまだポケモンを持っているので、数に物を言わせれば勝てそうですがね。そしてデインとフォレスのバトルは、バシャーモが押されてるかと思いきや、最後にはバシャーモがグランボールダを吹き飛ばして、まだバトルは続行します。第五幕はどこまで長引きますかね。では、次回もお楽しみに。