二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 47章 相方 ( No.93 )
日時: 2011/08/08 21:01
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

イノムーその卓越した嗅覚を利用し、ノコウテイを追跡している。しかし、地中を進む追跡などやった事のない四人は、イノムーから落ちないようにしっかりと掴まり、土が入らないように眼をきつく閉じて口も閉ざす。
何分か経つと、イリス達に光が差し込んでくる。外に出たのだろう。
「ここは……12番道路……?」
イリスの目に映るのは、いつかNとバトルをしたなだらかな丘の広がる12番道路。しかも、ビレッジブリッジの付近だ。
「おいフレイ!奴ら追ってきてるぞ!どうするんだ!」
「そんな事言われてもしょうがないじゃんさー。フォレスが失敗しなきゃ、こうはならなかったんだよー?」
なにやら7P(セヴンプラズマ)の二名が口論をしている。
「おい、そこの泥だらけのガキども」
「あんたらも十分泥だらけだろ……」
しかしフォレスはイリスのツッコミには耳も貸さず、話を進める。
「俺達はこのままアジトに戻りたいところだが、お前らはそれを許さないだろう」
当たり前だ。
「だから賭けをしようぜ。俺地フレイがダブルバトルでお前ら——そうだな、英雄二人と戦う。そのバトルで俺達が勝てば、ここは見逃せ」
それは敵の言う台詞ではないと思いつつも、イリスは言葉を返す。
「僕らが勝った場合は?」
「俺達のアジトの場所を教える。それでどうだ?」
フォレスはニヤリと口の端を上げて言う。
「どうする、イリス」
Nが小声でイリスに話しかけてくる。
「あの自信満々な顔を見るからに、バトルに相当な自信があるのか、アジトの場所を知られても構わないってところだろうね」
まあ、フォレスの性格を考えれば前者だろうが。
「でも、あのフレイって子、相当強いよ。あのノコウテイも、かなり鍛えられてたし」
「だがここで戦わなかったら、奴らは逃げに徹する。そうなるとアジトの情報が得られなくなる」
二人はしばし考え、結論を出す。
「分かった、その賭けに乗ろう」
こうして、英雄タッグvs7Pタッグによるダブルバトルが始まった。



「頼むぞ、リーティン!」
「出て来てくれ、リオル!」
イリスとNが繰り出したのは、それぞれのエースポケモン。リーティンとリオルだ。
「それなら俺はこのポケモンだ。コクジャク!」
フォレスが繰り出したのは、羽に目玉がついている鳥ポケモン、コクジャク。
「あたしはこのままノコウテイで行くよー」
そしてフレイのポケモン、巨大なツチノコのようなポケモン、ノコウテイ。
「行くぞリーティン。燕返し!」
リーティンは葉っぱを素早く振るい、コクジャクを切り裂く。
「甘いな。コクジャク、電磁波!」
だがコクジャクにはあまり効いていないようで、コクジャクは葉っぱを振り抜いた姿勢のリーティンに電磁波を浴びせ、体を麻痺させる。
「しまった……!」
しかし、もう遅い。
「コクジャク、ブレイブバード!」
コクジャクは燃える炎のようなエネルギーを身に纏い、リーティンに突撃して吹き飛ばす。効果抜群の飛行技の直撃を受けたリーティンは、その破壊力に耐え切れず戦闘不能になってしまう。
「くっ、リオル、バレットパンチ!」
リオルはコクジャクに銃弾のようなスピードで接近し、弾丸のような拳を繰り出そうとするが
「リオル……!?」
リオルは拳を構えた状態で固まってしまう。
見ればコクジャクの羽の目玉が見開いていた。
「コクジャクの羽についている眼を見たものは。問答無用で動きが封じられるんだよ」
「というわけでこれで止めー。ノコウテイ、スピンテールだよー」
ノコウテイは主人と巨体とは裏腹に、意外と素早い動きで回転する尻尾をリオルに叩きつけ、吹き飛ばす。その一撃で、リオルも戦闘不能になってしまう。
『…………』
イリスもNも、言葉を失っている。こうも一方的にやられれば、そうもなるだろう。
「それじゃあ俺達はさっさと退散するぜ。コクジャク」
フォレスはコクジャクの足を掴み、飛び立つ——前にフレイをおぶる。その辺は嫌々ながらもしっかりとやるようだ。
そして7Pの二人は、飛び去っていった。



現在、イリス達(デインとは別れた。どうやらカゴメタウンの方に行くらしい)はビレッジブリッジにいる。とりあえずは傷ついたポケモン達を回復するために、一番近くのポケモンセンターに来たのだ。
「…………」
イリスはビレッジブリッジの川辺で、ボーっとしていた。
「……Nと初めてタッグを組んだのに、初っ端から惨敗とはね……」
正直負ける気はしなかった。Nも自分も、相当自信はあった。しかし
「相手の方が一枚上手という事か……」
落ち込みはしないが、この先どうしようかと、イリスは考える。その時。
「イリスさん、どうしましたか?」
レイカが来た。
「どうってわけではありませんが、ダブルバトルで負けると、いつも以上に凹むというか、なんというか」
ダブルバトルではタッグとのコンビネーションが大事。なのでダブルバトルで負けると、自分が相方の足を引っ張ってしまった、と思ってしまうのだ。
「まあ今回のバトルはそれ以前の問題なんでしょうけど、どうにも割り切れなくて……」
イリスはジーッと川面を見つめる。
するとレイカは突然、唐突な事を言い出した。
「それじゃあ、私とバトルしませんか?」



今回はイリス&Nの英雄タッグでフォレス&フレイの7Pタッグに挑みましたが、もうこれでもかと言うくらいの惨敗っぷりです。それと、最後の方は無理矢理みたいなものなので、多少変でも見逃してください。では、次回はレイカとのバトル。お楽しみに。