二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 49章 焦燥 ( No.97 )
日時: 2011/08/08 23:30
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

幸いにもラルトスはまだ戦闘不能にはなっておらず、まだ戦えるようだ。
(迂闊だった、いくらなんでもエスパータイプ相手にテレポートを連発するなんて、見切られても当然じゃないか……!)
エスパータイプのポケモンは、総じて背後に強い。
何故かと言えば、それはエスパー技の性質上、そうなるからだ。エスパー技は念じればどこへでも攻撃できる。まあ、ポケモンの力もそれなりには必要だが、少なくともバトルをするにおいての交戦距離では、エスパー技はどの方向にも攻撃できる。なので背後を取られても、瞬間的に反応するか、背後に回ると予測していれば、背後からの攻撃を対処するのはそんなに難しくない。
「ルージュラ、エナジーボール!」
「ラルトス、テレポートで回避だ!」
ラルトスはサイコエネルギーを利用した瞬間移動でエナジーボールを回避する。そしてそのまま攻撃に移りたいところだが、たぶんまた攻撃を予測され、反撃される。なので攻撃せずにルージュラから離れるが
「ルージュラ、吹雪!」
ルージュラは猛烈な吹雪を放ち、攻撃してくる。そう、ラルトスは攻撃しなくとも、ルージュラは攻撃してくる。ラルトスの攻撃は通らないがルージュラの攻撃は通るのだ。
「どうする……!」
イリスは考える。ラルトスが今覚えている技では、ルージュラに対抗する事は出来ない。
「ルージュラ、サイコキネシス!」
そうこうしているうちに、ラルトスはルージュラのサイコキネシスに捕らえられてしまった。
「吹雪!」
そして猛烈な吹雪を、ラルトスに直撃させる。威力の高い吹雪だ、耐久力の低いラルトスでは、すぐにやられてしまう。
「ラルトス……」
まさに絶体絶命。しかし、その時だった。
『!?』
ラルトスの体が、光り輝いたのだ。
「これは……進化……!」
ラルトスは光の中で徐々に姿を変えていく。そして光が消え去った後は、全く別のポケモンが、そこにいた。
「感情ポケモン……キルリア……」
キルリアはキリッとした目付きで、ルージュラを見据えている。
「良いところで進化してくれたぞ、キルリア。このまま一気に攻め落とす。シグナルビーム!」
キルリアは色彩を束ねたカラフルな光線を放ち、ルージュラを攻撃。その光線はかなりのスピードで、ルージュラは避ける事が出来ずに直撃を喰らう。
「サイコキネシス!」
さらにキルリアは念動力でルージュラを宙に浮かべ、身動きを取れないようにする。
「これで止めだ。テレポートから炎のパンチ!」
キルリアはテレポートでルージュラの正面へと瞬間移動。そして拳に炎を灯し、ルージュラの顔面を殴り、地面へ叩き落す。
「…………」
流石に今の行動には引くイリス。
しかしルージュラは最後の炎のパンチで体力が尽き、戦闘不能となった。
「戻って、ルージュラ」
レイカはルージュラをボールに戻し、次なるポケモンを繰り出す。
「次はこのポケモンです。出て来て、ヒョウカク!」
レイカの二番手は、斑点の付いた白い体に、長い角を持つポケモン。イッカクポケモンのヒョウカクだ。
「氷タイプのポケモンか……だったら、キルリアの方が有利だ。キルリア、炎のパンチ!」
キルリアは拳に炎を灯し、テレポートでヒョウカクの正面まで瞬間移動。そしてその拳をヒョウカクに叩き込む。
(手応え十分!)
イリスが内心ガッツポーズを決めていると、思いもしない事が起こる。

「ヒョウカク、フリーズプッシュ」

ヒョウカクはキルリアを氷で包み込んでしまい、尻尾を叩きつけてイリスに向かって滑らせる。
するとイリスに向かう途中でキルリアはイリスの腰につけているボールに戻ってしまい、代わりのポケモンが出てくる。
「な……ライノス!」
出て来たのは、ヒョウカクとは相性最悪。そしてまだ経験も浅いライノスだった。
「フリーズプッシュは相手を氷で包み込み、送り返す技。即ち、相手を強制的に入れ替えさせる技です。そして出て来たポケモンを交代する事も、ルール規定によりできません」
「くっ……」
相性でも経験でも劣るライノスが、ヒョウカクに勝てるとは思わない。しかし、ポケモンを入れ替える事はできない。このバトルは勝ち抜き戦で、入れ替えなし、それもイリスは了承したので、いまさら因縁つける事もできない。
「こうなったらやるしかない……ライノス、ストーンエッジ!」
ライノスは鋭く尖った岩を無数に放ち、ヒョウカクを攻撃する。しかし
「ヒョウカク、アクアテール!」
ヒョウカクは水を纏わせた尻尾を横薙ぎに振り、襲い掛かる岩を全て打ち砕く。
「くっ、毒突きだ!」
ライノスは思い切ってヒョウカクに突撃する。毒を帯びた角を突き出し、ヒョウカクに突き刺そうとするが
「バリアー」
ヒョウカクはバリアを張り、毒突きの威力を軽減する。そして
「アクアテール!」
水を纏わせた尻尾でライノスを吹き飛ばす。効果抜群ではあるが、ライノスは小柄だが結構タフで、まだ戦闘不能にはならない。
「ヒョウカク、ドリルライナー!」
ヒョウカクは角をドリルのように高速回転させ、物凄いスピードでライノスに突撃する。
そしてライノスは立ち上がったばかりで、体勢を立て直しているとは言い難い。
「ヤバイ……!」
イリスは焦燥に駆られていく。



今回はイリスとレイカのバトル、二回目です。え?なんでパート2って言わないのかって?それはれですよ、パートがつくのはもっと特別な時だからですよ。まあ、そんな定義はどうでもいいとして。今回はラルトスがキルリアに進化しました。Nはキルギシア、イリスはキルリアです。そしてキルリアはヒョウカク戦でも活躍すると思いきや、フリーズプッシュで戻されてしまい、ライノスが戦う事に。では、次回はライノスとヒョウカクの戦い、お楽しみに。