二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 番外編Ⅱ−騎士少女−(1) ( No.20 )
- 日時: 2011/07/31 15:39
- 名前: 苺瑠・x・。 (ID: ikU4u6US)
※この話は燐がサタンの息子だと皆にばれる前の話です。
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【番外編Ⅱ−騎士少女−(1)】
「ここが高等部一年生のクラスか…」
祓魔塾高等部一年生クラスの教室の前に、一人の小柄な少女が立っていた。
彼女は西城零。父親がヴァチカン本部に勤めていたためつい最近までヴァチカンに住んでいたが、父親が日本支部に一時期だけ異動することになり日本に転勤し、祓魔塾に入塾することになったのである。
「おやおや、そこで突っ立っていたのは…西城くんではないですか☆」
急に背後から声がしたので後ろを振り返って見ると、そこには正十字学園理事長兼祓魔塾の塾長であるメフィスト・フェレスが立っていた。
「えっと…そうですけど。西城零です」
「やはりそうでしたか!…このクラスはかなり笑える人物がいますよ…黒髪の男子です」
なぜ理事長がそんなことを急に話し出したのかは謎だったが、とりあえず曖昧に頷いておいた。
「中へどうぞ。私は皆さんに貴女を紹介しなくてはならないので」
部屋の中へ入ると…正直驚いた。廃墟のように汚いということもそうだが、何より塾生が少ない。数えてみたら八人しか居なかった。そんな私の気持ちを見透かしたかのように、理事長が口を開いた。
「祓魔師は万年人員不足でしてね。…そういえば同じことを彼にも前に説明したことがありました。」
そう言って理事長は一番前の席に座っている黒髪の男子を見た。
「あの男子が、さっき理事長が言っていた“笑える黒髪の男子”ですか?」
「そうです。彼が…おっと、そろそろ紹介しなくては」
理事長は手を二回程叩いた。するとその音に気付き、さっきまで雑談をしていた塾生達がこちらの方を見た。
「こちらは、今日から君達としばらく同じ教室で悪魔祓いを学ぶことになった…」
「西城零。よろしく」
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休み時間になると、恒例の質問攻めが待っていた。学校でもそうだったが、日本人は新しく現れた人物に凄く興味を持つ面倒臭い人種だ。…まぁ、自分も日本人ではあるが。
「俺は奥村燐。一応騎士志望。よろしくな!ところで、お前は何の称号取ろうと思ってるんだ?」
さっき理事長が言っていた“笑える黒髪の男子”が早速質問してきた。
「あんたと同じ騎士志望だけど」
そう言うと皆が心底驚いたという顔をした。
「何だよ…そんなに驚くことか?」
「だって…なぁ?女の子やから…」
出た。私はこういう『女子なのに』とか、『女子だから』という決め付けた言葉が大嫌いなのだ。
「女子だからって騎士になっちゃ悪いわけ?」
「そ…そんなこと言っておらへんよぉ…なぁ?」
ピンクの髪をした男子は冷や汗をかいている。
「なんやこいつ…神木に性格やたらと似とるな…」
「何よ!?あたしがこんなのとどこが似てるって言うのよ!?」
“こんなの”って…。
「“こんなの”とか偉そうに言ってんじゃねーし…私だってこいつと似てるなんてごめんだし」
「はぁ!?」
どうやら、私は入塾一日目にして敵を作ってしまったらしい。
まぁ、これからはかなり面白い日々が送れそうだ…。
−(2)へ続く−
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